ライン

中禅寺湖CAMPの実態

よぉ〜こそ

 今年初の湖畔キャンプ。場所はYasのホームグラウンド(Yas談)中禅寺湖。
 今回は「ヒゲヅラーズあらたなるココロミ」と題し、日々是精進哉やくや探にはあまり馴染みのない人々と交流することになったのだ。
 どういったいきさつでこのメンツが揃うことになったかは、ヒ・ミ・ツ。
 ぼく以外は首都圏在住のため、首都圏チームはYasのチェロ吉に、ぼく一人が淋しくRに乗り込んで、菖蒲ヶ原キャンプ場駐車場に集合。自己紹介もそこそこに、早速サイトへ荷物運び。
 勝手知ったるYasの指示のもと、サイトをさまよう大八車2台。結局落ち着いたところは湖のほとり。結構風が強かったので、慎重にサイトを選んで設営・・・のはずが、このあと大変なことになるのであった。
 女性陣はYasのテントの通気口に興味を持ったらしく、袖口のような部分をしきりに気にしている。
「これって何に使うの?」
「そこから外を覗くの。」
「あと、手を入れて中に誰がいるか手探りで当てたりして。」
 設営を済ませ、とりあえず昼食と買出しのため、キャンプ場を後にする。
 昼食は金谷ホテルの出店みたいなところで、名物チキンカレーをいただく。食べてビックリしたことは、カレーの中のチキンが骨付きだったこと。とはいえ、モモの照り焼きに使うような骨付きではなく、水炊き用の細い骨のついた鶏肉。きっと、骨ごとじっくり煮込むことでいい味が出るに違いない。以前、鶏がらスープをとりカレーを作ったことがあるんだけど、カレー自体が半固結化しててうまかった。ここのカレーも美味でした。
 レイちゃんがトイレに行っているときの会話。
「なおちゃんって、おいくつなんですか?」
「そいつは教えられないなぁ・・・」
「レイちゃんはこないだ美容室で20歳?って聞かれたんだって。」
「ぼくだって、心は18歳のままさっ!『18 TIL I DIE』。なっ、Yas。」
「あっ、ごめん。この人、このあいだブライアン・アダムスのコンサート観に行って、感化されちゃってるの。」
 そして戻ってきたレイちゃん。
「あたし、まだ20歳って言われてるんだよ。」
 かなり得意げ。
「ぼくだって、18 TIL I DIE さっ!」
 精神年齢の低さを競い合っているレイちゃん&naotoなのでした。
 買出しは近隣の町の小さなスーパーで。ここが侮れないスーパーで、観光地にあるというのに野菜が安い。田舎だからという利点もあるものの、なかなかグッドなお店でした。


さすらい

 キャンプ場に戻り、さぁ漕ぎ出そうかというときになって、強風が吹いてきた。風により湖面にも波が立ち、条件が悪くなってきた。漕ぐ気満々でキャンプに挑んだ面々も天候状態には勝てず、しばらく待機。遠くでは雷がなっている。レイちゃん、そうちゃんは初心者だけに、ここで無理は禁物です。
 朝が早かったこともあり、一同しばしの休息を取っている間に天候が少し持ち直したので、急いで漕ぎ出すことに。
 見て見て!湖面が荒れてたこと、わかるでしょ。まっ、これがゆったり派スポーツのカヌーにスリリングという要素を加えていて面白いんだけどね。
 初心者2人も浮遊感覚がすっかり気に入ったようで。

「あ〜っ、髪の毛立ってる〜っ」
 そうちゃんの声でレイちゃんの頭を見てみると、レイちゃんの髪の毛が避雷針の如く立ち上がっている。
「妖怪レーダーだぁ」 (ふるい)
「違うよ、きっと雷が近いんだよ」
 そんなことを言ってるうちに雲行きが怪しくなり、ポツリポツリ。
「腹が減ったし、戻ろうか」
 こうして初日のカヌーは軽いジャブ程度で終了したのだ。


夕立ち

 サイトに戻ると、早速飯の準備。一同食材をもって洗い場に。
 洗い場では外国人キャンパーの男女がなにやら会話しながら食材を洗っていた。会話の内容は当然わからない。ただ、中禅寺湖って国際的なキャンプ場だったんだ・・・と、ふと思った。
 今夜の食事、メニューはというと、Yasのパエリアとぼくのポトフ。うーむ、ぼくらの定番料理なのだ。
 ぼくのポトフは結構改良を加えていて、野菜はほとんど切らず、原形のまま鍋に放り込み、ぐつぐつことこと煮込むように。そう考えると、「食材を切りに」というよりは「皮をむきに」洗い場へ行ったようなもんだったなぁ。
 Yasのツーバーナーとぼくの七輪を駆使して調理を始めたあたりから、空が暗くなり雷と共に大粒の雨が。調理場はタープの中にセッティングしていたので、安心して調理をしていたら、テントサイトが大洪水に。
 ぼくのモスラ(写真手前の黒いヤツ。正式名称ツェルト)と女性陣用に設営したテント・SNOW PEAKが床上浸水?
 土砂降りの中、あわててテントを移動。マットや寝袋は水浸し・・・と思うと、怖くて室内を点検できなかった。駐車場に戻り、車内で寝ることも覚悟したほど。
 しばらくたって雨が落ち着いたところで恐る恐る室内を見てみると・・・全然無事。自分の持ち物ながら、その高性能に感動するnaoto-okなのでした。


ディナー

 突然の雨にたたられながらも、調理のほうは順調に進む。とはいえぼくのポトフはただ煮るだけなので、ちゃんと調理をしていたのはYasだけだったんだけどね。
 出来上がりはこちら。なんか豪華。パエリアの上に乗っかっている海産物が、おしゃれだなぁ・・・。
 しかしYasはいまひとつ不満顔。
「だって、底の方こげついてるでしょ。米もちょっと硬いし。60点かな。」
 一同、パエリアを食べながら、
「とってもおいしいよ」
「常に向上心をもって料理を作っているんだね」
「これからはクックドゥYasと呼ぼう」
 ここで疑問がひとつ。
「パエリアって、家庭料理なの?」
「スペインではね」
「日本の一般家庭では作ったりするの?」
「なんで?」
「だってぼく、Yasが作ったパエリアしか食べたことがないから」
「そういえばおれも自分で作ったパエリアしか食べたことないや」
と、Yas。
 ぼくらヒゲヅラーズの中では、パエリアとはYasの伝統料理なのだ。




雨上がりの夜空に

 食事を終えてだらりとしていると、雨はすっかりあがっていた。タープの端から見上げた夜空には・・・星?
「なぁ、星見えるぞ」
「ホントだ」
 満点の星空ってわけじゃないけど、雲の切れ間に星がいっぱい。
 一同、酔った頭で見上げると・・・目が回る。
「あっ、人工衛星だっ!」
 レイちゃんの見上げる方向を一同注視するも、なかなか見つからない。
「どこ?」
「ほら、あそこで動いてるでしょ」
「どこ?どこ?あっ、流れ星っ!」
 そうちゃん、Yas、ぼくが流れ星を堪能したとき、レイちゃんは
「えっ?見てなかったよ。なんで?同じとこ見てたのに」
 くやしがるレイちゃんをよそに、空には天の川が広がり、白鳥座とかが見えたそうな。ぼくは星座音痴だからなにがなんだかさっぱりわからないんだけどね。
「流れ星を見るまでは星空を見上げつづけるんだ」
 レイちゃんの意地に折れたのか、星空はもうひとつ長い流れ星をプレゼントしてくれたのだ。でも、願い事をするのを忘れちゃった。
 星空もさることながら、ぼくらの身体を暖めてくれた七輪の炎もなかなかいい味出してたのよ。


また明日・・・

 しっとりとした夜のしじまに、ちょっと離れたサイトから歌声が聞こえる。10人くらいのグループのうち、2人がなにかを楽しそうに歌っている。
「なに歌ってるのかなぁ。あやしい集団?」
「う〜んっ・・・ダイアモンド?」
 みんなで耳を澄ましてみると、
♪ダイアモンドだね〜 ああ〜♪
♪ああ〜♪
♪いくつかの場面〜 ああ〜♪
♪ああ〜♪
♪うまく言えないけれど〜 宝物だよ〜♪
「ホントだ!ダイアモンド歌ってる!」
「きっと次は『世界で一番暑い夏』だね。」
 ところが、ダイアモンドはなかなか終わりを見せず、この後30分間エンドレスで続くのであった。
 最後は『世界で一番暑い夏』に変わったけどね。
 夜も更けてくると、朝早かった影響か、ヒゲヅラーズを睡魔が襲う。
 Yasはほぼ眠りかけているというのに、女性陣は余裕のようで、そうちゃんにカメラを向けると、すかさず顔をブロック。その俊敏さには脱帽。
 
 テントに入ってからもレイちゃん&そうちゃんの元気さは衰えることを知らず、ぼくは彼女たちの声を聞きながら眠りに落ちていったのだ。
 そうそう、寝入る直前にこんな声がっ!
「あたし、そんな気ないからねっ!」
「違うって。そんなつもりじゃないって!」
 ・・・・・・・・・・・・。


Good Morning!

 朝4時過ぎ、レイちゃん&そうちゃんの話し声で目が覚めるが、どうにも起き上がることができず2度寝。彼女たちはずーっと話し込んでいたのだろうか。
 次に目が覚めたのは6時過ぎ。ツェルトを抜け出して表に出ると、女性陣は洗顔に行った模様。
 しばしぼーっとしていると、Yasのテントでガサゴソ。すかさずカメラのスイッチオン。
 通気口から覗いてる、覗いてる。ぱっと見、あやしすぎるぞ。しかしながら、Yasの寝起きのボケも、レイちゃん&そうちゃんが洗顔中ということで、見届けたのはぼく一人。
 たまには浮かばれないこともあるよ。
 それにしても気になるのは昨夜ぼくが聞いたレイちゃん&そうちゃんの最後の会話。
 二人が洗顔から戻ってきたので、早速突撃インタビュー。
レイ:眠ろうと思ったら、そうちゃんの手がそ〜ぉっと私の手の上に載ってきたの。指と指をあわすように・・・
そう:手の置き場に困って、テントの中狭いからバンって勢いつけて置いたらレイちゃんに当たると悪いと思って、そ〜ぉっと置いたら、レイちゃんの手の上だったの。
 事の真相は謎のままだ・・・。


LA−LA Sunshine

 それにしても、良い天気。昨日の雨が信じられないくらい。
 4人で少しぼーっとした後、意を決して湖へ漕ぎ出す。
 見てくれ、この水面の静けさを。昨日とはうって変わって、カヌーの通った後だけが波を立てる。空も山も漕ぎ手をも映し出す清らかな水面を。
 中禅寺湖って、捉えどころがなくって難しい湖だった。漕ぐのが難しいというわけではなく、楽しさを持続させるのが難しい湖。
 いつもなら、「まず一周」というところなんだけど、中禅寺湖のでかさを前にするとそんな気が萎えてしまう。では、「入り江探訪」といきたいところなんだけど、のっぺりとした円形の形は、目標を立てるのが難しい。
 それに加え、1泊という時間的余裕のなさもあり、かなりどたばたしたパドリングだった。
 パドリングの終わりに悲劇がっ・・・
 シットオントップ(ぼくのふね)を降りる際、ライフジャケットの間に挟んでいたデジカメがポロっ!
 ポッチャン、プクプク、シュワワワワ・・・
 あわてて回収したけれど、スイッチを入れても何をしても、動く気配ゼロ。
 後日、カメラ屋に勤める実母・千代ちゃんに症状を話すと、
「そりゃ、もうダメだわ。」
 ショック!!


のんきな朝の光景

 朝食は前夜Yasの作ったパエリアを温めなおしていただくと・・・昨日より旨いっ!
 Yasもかなり満足げで、
「カレーとパエリアは2日目が旨いっていうもんね。」
 前夜60点だった採点も80点にUP。クックドゥYasの面目躍如といったところか。
 そんな優雅なときにふと考えた。
「Yasさぁ、子供ができたら”ひ○い”って名前にしなよ」
「なんで?そんな名前、子供が可哀想じゃない。」
「だって、上から読んでも下から読んでも”○いひ○い”なんだぜ。」
「いや、下から読んだら”い○ひい○”だよ。」
「じゃぁ、”○いく○い”は?」
「おんなじじゃない。」
 しばし沈黙・・・
「”まい○”だ。”○いまい○”。」
「はい、はい」
 レイちゃん&そうちゃん、そして前夜豪雨を耐え忍んだモスラも、ぼくらの会話を風に聞き流しているのだった。


終演は唐突に・・・

「ここって、10時までにチェックアウトしなきゃダメなんだよ」
 誰かの声に、一同重い腰をあげる。
 撤収。
 やっぱり1泊2日はあわただしい。しかも10時チェックアウトだなんて・・・。
 まだまだやりたいことがいっぱいあるのになぁ・・・。
 道具を車に積み込んで、とりあえず温泉へ。温泉の名前は・・・忘れた。
 きっとYasのHPに載ってるはずだよ。
 温泉から上がり外へ出ようとしたら、再び強烈な雨が。タイミングがいいんだか、悪いんだか。
 その後、日光金谷ホテルの麓のレストランで、ちょっと遅い昼食をとる。
「18 TIL I DIE って英語でわかりにくいよね。今度から『一生子供じゃダメかしら』にしようかな。」
 最後の最後まで精神年齢の低さをアピールするnaoto-okなのでした。



メール アイコン
メール
トップ アイコン
トップ

ライン