5･7･5 and more　９９－８

今回は「夏」ネタを２つ。
夏の使用前･使用後といった趣です。
使用前は書き下ろし、使用後は２年前の作品です。
人間とは懲りないものなのかもしれません。

「期待されても困るヨ」と
　　　　　　　夏は云ふ

　｢夏が来る｣というだけで、人はどうして根拠もないのに期待に胸を膨らませるのだろうか。
　「いいことばかりはありゃしない」なんて何回も体験しているはずなのに。
　本当にみんなが期待している数だけ、恋は待っているのか?
　そんなこと考えもしないで、○△回目の夏に期待している自分がいる。
　夏にしてみれば、きっといい迷惑に違いない。
　期待に応えてあげられそうな人と、無理めな人、夏にだって都合というものがあるだろうし。
　そんなこと考えながらも、いくつになっても夏に期待する自分がいる。

店先を追われ去り行く　　　
　　　　シャービック
　　　　胸の想いをその道連れに

　ぼくにとっての夏の風物はシャービック。
　ハウスから発売されているホームメイドの氷菓子だ。
　子供の頃は通年販売されているものと思っていたのだが、現在は夏の期間限定品となっている。
　夏になるとスーパーの棚に陳列されているけれど、TVCMなどは流されていない。
　ハウスのデザートトップの座はすっかりフルーチェに奪われちゃったけど、ぼくにとっては未だにNo.1なのだ。
　そんなシャービックも８月下旬になると、ひっそりと棚から消えてしまう。
　シャービックが入れ替えられた棚を見ると、｢夏が終わった｣と実感する。
　シャービックはぼくが夏に寄せた期待も、夏の想い出も、みんな持ち去っていくみたいだ。
　

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おかもと工房

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