7月18日午前11時。猪苗代磐梯高原ICを出てすぐの駐車場で、SAYUKI&Kibunのレガシーはアイドリング状態で停車していた。きっと車内は苛立ちで蔓延し、運転手でもあるKibunはフテ寝をしていたに違いない。 「奴等はなぜこないのだ」。 その頃、おかあさん&Kunnyを乗せたYasエスクードは事故渋滞での遅れを取り戻そうと、磐越道を西走し、小山隊長レガシーもその後を追っていた。一方、ぼくのワゴンRは忘れ物を取りにいったがために会社で施主(ぼくの担当ではないが)に捕まり、出遅れた分をカヴァーしようと磐梯山を駆け上がっていた。結果として、久々のくや探は珍しいことに20分の遅刻で幕を切った。 今回の行動の第一歩、それは買い出し。SAYUKI情報によると猪苗代駅付近にベニマルというスーパーマーケットがあるとのこと。早速向かうことにする。 「じゃあ、Yasが先頭ね。後ついていくから」 「ちょっと待ってくださいよ。どうして俺が先頭なんですか?ベニマルなんて行ったことないですよ。」 「おまえの車、カーナビついてるだろ。それに3人も乗ってるんだから、心強いってもんじゃないか。さあ、出発、出発。」 こうして無理矢理Yasを押し出すと、一行はベニマルなるスーパーを目指した。ところが一向にそんなもの見えてこない。焦燥感にかられたYasは、沿道にA-Coopが見えると堪らずハンドルを切った。 「駐車場も広いし、こっちのほうが良かったですよね。」 ベニマルを見たわけではなかったので、どっちの方が良かったかなど優劣をつけられることではないのだが、ここはちょっぴり大人になって、Yasの意見を指示してあげた。みんなも得体の知れないベニマルよりも、全国の農民に頼りにされている農協の方が安心できるというものだろう。 店内に入りカートを押し進める。自然とYasはパエリアの材料を、ぼくはポトフの材料をカートに入れていく。でも、どうしてパエリアとポトフなのか。そしてぼくとYasなのか。そのような打ち合せは何一つしていなかったのに、それが決められたルーティンのように流れている。もしこれでYasがトン汁だったり、ぼくが釜飯だったらどうなっていたのだろうか。これもまた、くや探のなせる妙技なのであろう。 「岡本さん、パエリアに使う米はササニシキとアキタコマチのどっちがいいかな。」 「どうせ炊き込むんだから、カリフォルニア米でもいんじゃないの?」 鮮魚コーナーで刺し身を見ていた小山隊長とKibunが叫ぶ。 「おかもっちゃん、マンボウの切り身売ってるよ。」 カートはほかの客の迷惑をも顧みず店内を右往左往し、「本当に食うのか?」という食材をも含め、満載となってレジへと向かった。 |
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