水

sanmaへの道は遠く険しく


その1 10月9日10:00pm

 インターネットに夢中になっていたとき、携帯が鳴り始めた。
 パッパラッパー パーラパー♪
 わかりずらいかもしれないけれど、ルパンV世のテーマ。
「あっ、岡本さん?どこにいるんですか、今。」
 電話の主はYas。
「自宅だよ。」
「うそーっ。だって、自宅の電話、ずっと呼び出し音しか鳴らないよ。」
「インターネットつないでたから。おれんちISDNじゃないし。」
「いつこっちに来るんですか?」
「明日1時までに行けばいいんだろ?それだったらこっちを朝7時前に出れば間に合うと思うんだよね。」
「えっ?無理ですよ。だって、休日の房総方面めちゃ混みますよ。」
「朝出発じゃ間に合わないかなぁ。」
「夜中に出るべきですよ。」
「夜中に出るくらいなら、今から出ちゃったほうがいいような気がするんだけど…体力的に。」
「荷物の積み込みは終わったんですか?」
「あとは衣類だけ。」
「じゃぁ、高速のパーキングで仮眠しながら来るんですね。」
「うん。みんなはどうするの?」
「とりあえず館山道・市原PAに早めに集まろうかと思って。」
「じゃぁ、おれも市原PAに行くわ。」
 Yasの忠告を聞き入れ、慌てて身支度をし、睡魔が襲ってくる前に移動距離を稼ぐため、11:00pm愛車ワゴンRで新潟を出発したのだった。
 途中給油のためPAに立ち寄るが、ほぼノンストップで快適ドライブ。館山道・市原PAに到着したのは3:30amだった。

その2 naoto-okの朝

 ドライビング・ハイは運転中だけに限らないらしい。市原PAにつき、仮眠の準備を整えたにもかかわらず、ぼくの目はさえまくっていた。さえていたというより、瞳孔が開いていたといったほうが良いのかもしれない。もしかしたらそれは運転のせいではなく、くや探としては今年初のキャンプに興奮して眠れなかったのかもしれない。ぼくって結構お子チャマ。
 7:00am前、Yasに電話をし、待合わせ時間を確認する。
「おれと小山さんとおかあさんは9:00amに市原PAで待合わせてます。」
 Yasの言葉に安心したわけではないけれど、電話を切ったあと睡魔が訪れ、浅い眠りに入る。
 8:00am起床。ロッテリアで朝食のチーズバーガーを食べ、トイレで歯を磨き、顔を洗う。
 頭の中がかすんだまま、愛車Rへ戻ると、周りには見馴れた顔が集ってる。
 ポケットの中の携帯が震え、ルパンV世のテーマが響く。
「だから、そばにいるって。」
 Yas、おかあさん、Macky、Kunnyが笑顔を見せる。
「おはよう」

 

その3 スタート・ダッシュ、失敗?

「小山さんは9:00amにここに来るって。7:00am頃出発するって言うから、ちょっと遅れるかもね。ウリ坊は朝から行って釣りするって。SAYUKI&Kibunは昨日から釣りしてるそうだよ。」
 Yasの報告を受け、一同とりあえず小山さんを待つことに。
「えびバーガー買ってくる。」
 Mackyはロッテリアへ。
「朝飯食べてないの?」
 おかあさんに聞くと、
「食べてるわよ。何でも食べたい年頃なのよ。」
 良くわかんないけど、なんとなく納得。
「そういえば、jawaさんは今日くるの?」
「なんか、小山さんがお許しを下し、ウリ坊は連絡したみたいだよ。そのあとjawaから電話が来たんだけど、すっげー酔っ払ってて何喋ってんだかわからんかった。」
 いつのまにか市原PAは大混雑。道路情報を見ても、赤ランプの灯っているところが多くなったので、みんなの状況を確認するために、ぼくとYasで手分けして電話をすることに。
小山隊長:首都高川口線で渋滞にはまる。
ウリ坊:朝から釣りの予定も出遅れ、小山隊長の後方あたり。
SAYUKI&Kibun+jawa:これから相談して出発。
ENO:下記参照
「あっ、ENO?起きてた?」
「起きてますよ。」
「じつよちゃんは?」
「えーと…、痛っ、起きてて攻撃してきます。」
「今どこ?」
「まだ家です。」
「すっげー渋滞だから、早く出て来いよ。」
「大丈夫ですよ。1:00pmまでに現地に行けばいいんでしょ。」
 言う事聞かず。
「こりゃぁ、絶対間に合わないね。」

 

その4 食べるは道理、それはセオリー

 市原PAは連休ということで、ここぞ稼ぎ時とばかりに出店まで出す力の入れよう。空クジなしがうりの「宇宙くじ」も盛況で、ひっきりなしに当たりのファンファーレが鳴る。そりゃそうだ、空クジなしなんだから。
 出店の片隅に、見馴れた「氷」の旗がなびいている。富士山登山の帰りに足柄PAで食べたのが今年最後だと思っていたのに、こんなところでお目にかかれるなんて。みんなに黙って早速購入。何くわぬ顔で戻ると、一同あ然。
「ホント、かき氷に目がないよね。」
「寒くない?」
「まさか、買うとはね。」
「他に買ってる人なんていないよ。」
 散々な言われよう。
「でも、シロップの種類が豊富で、よりとりみどりだぜ。これなんか、桃。桃氷なんて、めったに食えないだろ。」
 みんなの呆れ顔とこめかみの「きーんっ」に耐えながら食べていると、Mackyがおもむろに立ち上がった。
「私も買ってこよっと。」
 思わぬ展開にちょっと、いや、かなりびっくり。くや探・フラッパーズ結成か?
「それにしても良く食べるね。」
「何でも食べたい年頃なのよ。」
 おかあさんは呆れ顔でMackyの背中を見やった。

その5 3台が連なって

 首都高の渋滞は相当ひどいようで、小山隊長を待っていたら全員時間に間に合わないという判断を下し、Yas・岡本・Mackyの運転する3台が連なって出発。とりあえず鋸山登山を目指す。
「登山は富士山で懲りてるんだけどなぁ。」
「大丈夫ですよ。ロープウェイで登れますから。」
 Yasは是が非でもぼくに鋸山の断崖絶壁を見せたかったらしいが、館山道を降りたあとも渋滞とまではいかないものの、あまりスピードが出せず、結局素通りすることに。
  
     Yas's CARの後姿 My Rのフロントパネル
Rのルームミラーからおかあさん、Macky、Kunnyを望む
 結局、ぼくらが集合場所の道の駅「とみうら」に着いたのは、集合時間1:00pmちょっと前。当然ほかのメンバーが来ているわけもなく、近くのレストランで昼食を取ることに。
 ぼくが目玉焼きカレーで、Yas・おかあさん・Macky・Kunnyはエビフライカレー。やはり愛知県出身のYasはエビフライに思い入れが強いのか。それにしてもMackyは朝もえび食ってなかったか?
 食事を終え、道の駅に戻ると、小山隊長・さとし・ウリ坊が到着していた。
 お疲れさん。
 



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