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中日
やっぱり雨
 夜中に雨が降り出した。かなり強め。今夜も五角形のバンガローで就寝。ぼくらも雨慣れしたためか、酔っ払って寝たにもかかわらず外の後片付けは万端で、眠りの合間に聞こえる雨音にも動じることはない。もしかしたらみんな諦めているのかも・・・なんとかなるさって。いやいや、雨の達人になったのです。
 朝になり、バンガローを出ても雨脚は強いまま。一向にやむ気配はない。でも、ぼくらのテーブルやイス、タープといった外装備は乱れることなくしっかり残っておったぞ。やはり達人になったのか?
「あれ?11郎は?」
 朝食の仕度をしようと思ったら、11郎が見当たらない。まだ寝ているというのか?
「なんか走ってくるって言って出ってったよ」
 よくもこの雨&二日酔いの中、走ったりできるもんだ。しばらくして11郎が戻ってきた。
「おまえ、どこ走ってたのよ?」
「いや、曽原湖をちょっと1周。4キロくらいかな」
「どれくらいかかった?」
「ゆっくり走って20分位かな。すぐでしたよ」
 う〜む。ぼくらが前日1時間かけて散策したあの道を、二日酔いの身体で20分とは・・・。それが早いか遅いかはさておいて、飲んだくれが多いくや探にも健康志向のやつがいたのか・・・。みんなが11郎に感化されて、毎朝ジョギングするようなキャンプにならなければよいのだけれど。大丈夫か、あのメンツなら。
 朝食は昨夜食べ切れなかったゆでたまごやたまねぎ、今朝のためにとっておいたウィンナー・トマトなんかでサンドイッチを作り、さらに残ったオニオンスライスをサラダとして食べる。なんともヘルシー。これで血液もサラサラになるというものよ。
朝食作りは主にうり坊 朝の食卓
 男女4人組のキャンパーも動きは早いようで、朝食の準備に取り掛かっていた。そりゃそうだ。寝るの早かったもん。洗い場から戻ったSAYUKIの報告。
「なんかむこうの朝食はカップ麺みたいよ」
 わざわざ自然の中に来て、なしてそんなに不健康な食生活するかなぁ・・・。とかいいながら、ず〜っと飲み続けているぼくらも明らかに不健康ではあるよなぁ。

当然勝負
 雨は一層強くなった感じ。男女4人組は雨の中テントをたたんでいる。ぼくらはといえば、
「雨の中での片付けは後々大変だから、降りがおさまるまでゆっくりしましょうか」
と、達人の余裕ぶり。まっ、修羅場をくぐってきてますから。そんなにあせってかえる理由もないし、キャンプ場の管理人も、
「今日は客も来ないだろうから、ゆっくりしていけば」
と言ってくれてることだし。
 時間的な余裕があるとなると、やることは当然ひとつだけ。小山隊長が昨夜の汚名を晴らすべく燃えているのだ。
「昨日のは練習ということで、今日負けた人が真の大貧民となります」
 いや、それはどうにも無茶があるでしょ。とか言いながらも、今日も負けなければいいだけなのだ。
「残り物優先食べれる権も当然ついてくるんだよね」
 しかし、エンドレスにだらだらやるのは何処でやめるかで問題となってしまうので、今回はポイント制を採用したのだ。まず全員に点棒を10本づつ配る。1ゲームごとに大貧民となった人は大富豪に点棒を2本、貧民は富豪に点棒を1本渡し、最初に点棒がなくなった人がそのセットの大貧民に決定するのだ。
「おりゃーっ!3のシングルでござるっ!」
「続いて4のシングルでござるっ!」
「色を変えて赤の4のシングルでござるっ!」
「ならばエースのシングルで・・・」
「何でそこででかくなっちゃうわけ?」
「勝負の世界は厳しいでござる」
 今日は誰にも怒られることもないので、大きな声で白熱したバトルが繰り広げられる。
 結果、第一セットを見事に落としたのは昨夜に続いて小山隊長だった。
「小山隊長には厚揚げの優先食べれる権が与えられます」
              
「時間もあるし雨もやまないし、もう1セット勝負して新の大貧民決めようよ」
 厚揚げの食感がまだ残っているだろう小山隊長の口から、リベンジの声がまた上がった。
「でも、昨夜とさっきの勝負はどうなるの?」
「それはノーカウントに決まってるでしょ」
「それはどうかなぁ・・・」
 一同首を傾げるものの、まだオニオンスライスが残っているということで、ゲームは続行されることに。そして第二セットの大貧民は・・・
               11郎っ!
「ということで真の大貧民は11郎に決定しました。皆さん今から大貧民と呼んでやってください」
「いや、なんかそれずるくないですか?大貧民回数は隊長の方が多いんですから」
「違うよ、今回負けた人が真の大貧民だって決めただろ?」
 小山隊長と11郎の低レベルな争いはしばらく続くのだった。

最終章
 白熱バトルの熱気に煽られたのか、雨雲が薄くなり、雨も小雨に変わっていた。
「いまだっ!」
と号令がかかったわけでもないんだけれど、一同てきぱきと後片付けを始める。なにせ達人だから慣れたものなのです。そしてあらかた片付け終わり、みんなが車に乗り込みぼくが舟の積載の最終確認を始めたところで、大粒の雨がジャーッ。見事なタイミングでぼく一人が大濡れしたのだ。もう少し降り初めを遅らせてくれれば・・・。
 帰りは当然温泉に浸かっていきましょうと、キャンプ場管理人にお奨め温泉をうかがい、国民宿舎五色沼へ。やはり雨続きの3連休の最終日ということで、駐車場は閑散としている。「これは貸し切り常態か?」と期待するも定休日。しからばということで、記念写真だけ撮影したのだ(トップページ参照)。それにしてもこの写真のぼくの頭。地肌が見えているのはぼくひとり大雨に当たったからです。決して薄くなったわけじゃありません。
 その後ぼくらは温泉を探してグランデコスキー場へ。グランデコは夏場はゴルフリゾートとして営業しているようで、いきなり現れたずぶ濡れ半ズボン集団に関係者は戸惑い顔。かなり場違いではあったものの、あったかいお湯を楽しむことができたのだ。しかし、露天風呂は雨が当たって顔だけ冷たかったなぁ。

 やはり最終日はかなりはしょってしまいました。なにせキャンプから掲載まで半年もかかってしまうと、なにをしたか、なにを言ったかの細部が記憶からすっ飛んでいたもんで。
 そういえば帰りに寄ったスーパーで、再びあのもんもんさん達を見かけたのだ。その後ろにはカートを押すとっぽいお兄ちゃん。やはり昨日温泉で会ったとき、お兄ちゃんは親分達を外で待っていたのか。今回は挨拶を交わすことなくすれ違っただけなんだけどね。
 以上、キャンプ報告でした。


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