サザンオールスターズ
「ゴン太君のつどい」を観る
('00.12.27)

 今年も年末恒例サザンオールスターズ・カウントダウンライブを観た。一年の終わりを、世紀の終わりを尊敬する桑田佳祐のリードで弾んで締めれるこの幸せ。始まる前から気分は昂揚しっぱなし。
 会場全体も既にサザンの名のもとに異様な高ぶりを見せており、ハゲヅラや赤ちゃんプレーコスチュームなど、おまえらそのまま電車に乗れるのかよと突っ込みたくなる輩が多数。あとは客層の幅の広さ。コスチュームではなく本当の赤ちゃんから白髪の目立つ初老の方まで。老若男女がサザンの名のもとにゴン太君として集い、いまかいまかと国民的人気バンドの登場を待っている。
 ぼくは今年もSB席なんだけど、去年のスタンドと比べてアリーナだったのでかなり前。メンバーもばっちり見え、スクリーンもしっかり見られる好ポジション。なにせ距離が近いのよ。席についた瞬間からわくわく。原坊の楽譜が蛍光塗料で書かれていて、暗くなると光るなんてSB席でしかわからないことまで見えちゃう。それもまたSB席の特典なり。
 会場が暗天となった時点で総立ち状態。メンバーが勢いよく駆け足で登場すると、はちきれんばかりの大歓声。一曲目はなに?と期待に胸を膨らませ、叫んでいると流れてきたのは「メリケン情緒は涙のカラー」。まるで予想できなかった始まりに、一同ウィー!
 たたみ込むように「ネオ・ブラボー」で煽られて、21世紀のカウントダウンは「希望の轍」(ぼくが観たのは27日だったけど)。大興奮、大熱狂の場内をさらに煽るように、桑田のMC炸裂。チケットがとれないと苦情を言われますが、ピークは今だけです。来年からはチケットも簡単に手に入ります。なんて、んなわけねーだろ。
 ライブは曲調によるパート分けがなされていて、第一部はスローナンバー。「バラッド3」からの選曲。珠玉のバラードが立て続けに耳元に。スクリーンにはライブ映像とともに歌詞がクレジットされ、みんなうるうるで歌ってる。
 第二部はミディアムナンバー。「よどみ萎え、枯れて舞え」や「欲しくて欲しくてたまらない」なんてぼくの大好きな曲が続けられ、感涙。「ComputerChildren」から「イエローマン」への流れは80年代から90年代のサザン的テクノの流れを感じられる。
 第三部は今年一年をまさに「世紀末カルテ」で歌い上げる。そして「この青い空、緑」から「ホテルパシフィック」へ。みんな踊ってるぞ。ぼくのとなりの女性も子供を抱えて踊ってる。そのままとべー!跳ねろー!のアップテンポナンバーへ移行して、どうにでもして状態。錯乱してます。みんないっちゃってます。かくいうびくも、叫び、跳ね、狂乱状態。
 アンコールでは食い入るようにその姿を見つめ、「TSUNAI」で再び涙目に。
 昨年はデビュー当時の選曲にむせび泣いたけど、今年の´85年以降主体の選曲はぼくの青春時代とまさにリンクしていて、世紀末にふさわしい思い出が蘇る素敵なステージだった。
 ありがとう、桑田佳祐!ありがとう、サザンオールスターズ!ありがとう、21世紀!
 ぼくの希望の轍は21世紀へと続いていくのだ。


エスニック
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