シリーズ・MAXを追え!




シリーズ・MAXを追え!
    その1「遭遇」 ('99.12.8)
=このシリーズはノン・フィクションです=

 ぼくの勤めるNKC(略称)は、新潟市のとある3階建てビルの2階にある。オフィス街からはちょっと離れたところにあるが、テナントは不動産屋や建設重機会社、道路メンテナンス会社など、ちょっとお堅い職種が多い、オフィスビルである。
 今日の昼休み、いつもどおり後輩のN井君と昼食を食べに表に出ると、前を3階に入っている会社に勤める女性4人が歩いていた。目に飛び込んできたのは彼女達の服装。4人お揃いのレザーのジャケットとレザーのパンツ。3人が黒で、1人はエンジ色なんだけど、形は一緒。4人ともスリムで、後ろから見る分には良く似合っている。
「N井、前歩いてるコたち、MAXみたいだね。エンジのコがリーダーで。」
 そんな事はすっかり忘れて昼飯を食べてたんだけど、ふと思い返してみると、「なんで出勤にお揃いのレザーなんだろうか?」と疑問が沸いてきた。
 あの4人はホント仲良しで、いつもお揃の服を着ているのだろうか?
 それにしても会社にレザーはちょっとそぐわないのでは?
 もしかして、レザーが会社の制服?
 気になったらどうも頭から離れなくて、我が社の女性陣に事情を説明したけれど、誰も3階の会社のことを良く知らない。わかったのは女子社員が多いということだけ。
 その後、トイレに行ったら2階と3階の間の踊り場で携帯電話で話をしている3階の女子社員を見かけたが、レザーのジャケットとパンツ(黒)だった。
 夕方、駐車場で社用車に荷物を積み込んでいる時に、軽自動車でやってきたコもレザーのジャケットとパンツ(エンジ)。仕事を終え、帰宅の途についたコもレザーのジャケットとパンツ(黒)。
 ぼくがあとで見た3人が昼休みに見たMAXのメンバーだったのか、それとも別の3階の女子社員なのかは定かではないが、どっちにしても謎なのである。
 3階に行って確かめようかとも思ったけど、「オヤジ、なによぉ」と変な目で見られるのもイヤだし・・・。
 この話を聞いたNKCのSHYな経理担当・I崎君も、
「そういえば夏に結構大々的に女子社員募集してたみたいですよ、面接会場って書いた張り紙出てたし」
と、興味深々。営業担当のY崎君は勇気も度胸もないくせに、
「俺が調べてきましょうか?」
「その時は合コンの約束、取り付けてこいよ。俺達、DA PUMPになるから。」
 3階の会社は一体何をやっているんだろうか?
 レザーのジャケット・パンツは本当に制服なんだろうか?
 黒はヒラ社員で、エンジは主任なんだろうか?
 何やら怪しい秘密結社なのではないか?
 我々NKC北陸支店社員はこの謎に全力で立ち向かうことにしたのだ。
 そして、逐一この場で報告するのだ。
 次号を待て。





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