artな戯れ言'03-下半期


このページではartな戯れ言を集めて掲載しています。


「Poemix-例えば闇を太陽の形に切り取ること-」を観る(03.12.28)

 作詞家で詩人の森雪之丞の詩を音楽、ダンスを交えながら朗読していくPoemixを観た。もともとAAAバラエティの1コーナーとして始められたもので、演出は岸谷五朗。
 詩としての言葉の持つ力や可能性については「詩のボクシング」なんかで十分感じていたんだけど、「詩のボクシング」があえて肉声に限定しているのに対し、Poemixは制限なく音楽・ダンス・照明効果・テロップetcを駆使して、詩の持つ世界観を構築している。言葉の持つイメージ・語感と、詩となったときのイメージ・語感の変化を、声以外の要素で具現化していく。
 巧い作りをしていた。言葉が実感として伝わってきた。朗読者のパーソナリティに頼ることなく、言葉が伝わってきた。それが逆に、物足りなさを生んでたりするんだけど・・・。五朗ちゃんらしさをもっと観たいって。
 前にも書いたが詩はボーダーレスなArtだから、世界観の構築は作者(朗読者)の力量によるところが大きい。だから、世界観を作ることをArtにするのはありかな。ただ、作りすぎると聞き手の想像力が抑制されてしまい、言葉の可能性にブレーキがかかってしまうし・・・。
 なんだかグダグダと書き連ねてしまった。詩はまだまだ舞台として大きな可能性があるから、これからもいろんな人たちが実験を重ねて行くと思う。でも、一番大切なのは詩に、言葉にどれだけの強さがあるか・・・かなぁ。
 面白く、勉強になる舞台だった。


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「アイデン&ティティ」を観る(03.12.22)

 十数年前、イカ天を始めとするバンドブームが起こった。ぼくはまさにその世代でRockが好きだけど、残念ながらブームに対しては傍観者だった。バンドブームに乗り、振り回されながらも自分の信じるRockを目指すみうらじゅんの自伝的小説「アイデン&ティティ」を実感する経験をぼくはしていない。でも、信じるものを強く意識し、折れないで負けないで実行する気持ちは痛いほどよくわかる。
 会場は平日にもかかわらず若者で満員。彼らの中にはこの映画を「子供だ」と揶揄する人も多いだろう。帰り際に多く耳にした。バブルはぼくらをある意味傲慢にし、その崩壊は今の若者を冷静にしたのかもしれない。でも、この時代だからこだわることが大切なようにも思える。わからねぇだろうなぁ。
 随所に啓示を与えるかのようなボブ・ディランの歌詞。上辺ではない自分を見つめてくれる彼女。主人公・中島を、その信念を支えるあれこれは、ぼくにとってはうらやましい限り。彼女役の麻生久美子は「RED SHADOW赤影」「魔界転生」ほど光ってはいなかったけど、効いてたなぁ。ぼくも彼女に「きみ」って呼んでもらいたい。
 いやはや、あのバンドブームに乗った人も踊らされた人も、ブームとして感じたことのある人には観てもらいたい作品かな。


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メトンメロン 1st Gift
「ファミリーボーン」を観る(03.12.6)

 きたろうをシティボーイズのきたろうと紹介するのは時代に合っていないのかな。すっかりピンでの活躍で認知されているし、シティボーイズがグループというよりユニットと化しているからなぁ。そんなきたろうが新たに演劇ユニットを立ち上げた。その名もメロンメロン。なんともきたろうらしいゆるい名前だこと。
 蛍雪次朗・大堀こういち・久本朋子ら芸達者を集めての笑いあふれる舞台。富士山麓で戯れるダメな大人たち。そのゆるさがつぼに入る。鼻から抜けるゆるい笑いのオンパレード。じわじわ来ちゃうぞ。
 舞台上のゆるさを引き締めるのがインサートされる映像の数々。舞台上とは好対照にシュールで、ちょっと反則っぽいけど、それらのギャップがまたハマる。FUJIラップフェスティバル、最高じゃない。
 大竹まことのような強いツッコミがいないことがこのゆるさをかもし出しており、メロンメロンの武器となっているんだけど、ツッコミがないことがネタに幅の制限を加えてもいるので、両刃の剣か。1時間半弱の上演時間はちょっと物足りなさをも感じてしまった。
 でもこのゆるい笑い、きたろうならではの上質なエンターテイメントだぞ。一度浸ってみてはいかがかな。


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「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」を観る(03.11.20)

 ブラウン管(今はそう言わない?液晶?プラズマ?)で大暴れしたあの面々が、今度はスクリーンでスケールアップして大暴れだ!
 もう、うれしくてたまらないのよ。なんたって、毎週欠かさず観ててDVDも買ったんだから。
 なんだろうか、彼らに対してはどんなに設定に無理があろうと、どんなに行き過ぎであろうと全肯定してしまう。「ないない」「捕まってるよ」ってツッコミ入れたくなる場面はめちゃくちゃあるけど、それが自然に受け入れられる。「木更津キャッツアイ」の世界ではごく自然なことなのだ。
 この感覚、先日落語に関する本を読んでて気がついたんだけど、「木更津キャッツアイ」の世界は落語と同じなんだ。貧乏長屋に気のいいうっかり者や粗忽者が大勢集っている。突飛なことが次々起こっても笑って受け入れる。熊さん、八っつぁんがキャッツを始め登場人物の面々なのだ。だからいつも普通だし、生き返ったオジーも素直に受け入れられるんだ。
 ともかく今回もそんな粗忽ものたちが、死という問題に直面しながらも普通を楽しみ完全燃焼している。信じられない出来事が起こったり、信じられない状況に陥ったり、信じられないものが登場しても、彼らは普通に楽しめるんだ。とても素敵に。
 だからぼくらもこの愛すべき粗忽者たちを心から楽しく観ることができるんだろう。
 行って戻ってまた行って。3歩進んで2歩下がる。行きつ戻りつスリリングな展開をみんなも楽しんでちょうだいな。
 映画最高!ついでにサウンドトラックCDもGOOD!


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NYLON100℃ 25th SESSION
「ハルディン・ホテル」を観る(03.11.19)

 狂気の笑い…。笑いの中に狂気が目覚めるのか、狂気の中に笑いが起こるのか。ナイロン100℃の創る笑いはいつも狂気と隣り合わせである。笑いと華と毒のある舞台。毒のある笑いではなく、笑いの裏にある毒。10周年、25回目の公演でも舞台には笑いと華と毒が一杯で、狂気に満ち溢れてたのだ。
 現在と10年前が交錯するシチュエーションコメディ。オープン当初のハルディンホテルを10年後に振り返りながら物語が進行する。場所・人は同じなのに、10年の歳月を経た2つの設定。ケラリーノ・サンドロビッチ得意の構成を熟知した役者陣が、全開に振り切った演技で観せてくれる。おもしれ〜!
 いつもやられたと思うのが、オープニングのカッコ良さ。あのセンスがぼくにも欲しい。盗めるものなら盗みたい!
 あと、昨日映画「ピンポン」を観直したばかりなので、大倉孝二の芸域の広さに脱帽。
 最近デカイ舞台のプロデュースにも積極的なケラリーノ・サンドロビッチ。いよいよ本格的に天下を取りに来たのかな。


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「マトリックス レボリューションズ」を観る(03.11.17)

 もう、すんごいの。息つくひまがないの。次から次へとスクリーンは溢れんばかりの迫力でいっぱい。どわぁぁぁ!
 1作目ではその巧みな世界観創りにうならされ、製作費とともにスケールもでかくなり、この結末だもん、恐れ入ります。アイデアと企画力さえあれば作品を育てることができる。なにかと批判されがちだけど、ハリウッド映画の懐の深さを見せ付けられたようなシリーズだ。 とかいいながら、1回では理解できない部分もあったので、DVD出たら見直そう。
 それでもなんでも、まずは映画館であの迫力を体感するべし。すんごいから。


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「授業」を観る(03.10.26)

 札幌の小さな劇場、シアターZOOが企画する公演、授業を観た。出演は東京乾電池の座長・柄本明と2人の女優。コンパクトなステージにコンパクトな芝居が詰められる。それがゆえに柄本明のうま味が濃縮されていて、見応え十分。
 自宅で個人教師を務める教授とその女中、金持ちの女生徒による授業をめぐるお話。ルーマニアの作家による原作なんだけど、学習に対するテーゼとアンチテーゼがいくつも含まれていて、ちょっと唸ってしまう。今流行りの陰山メソッドの真髄も盛り込まれてたり。その授業は単にお芝居のねたにとどまらず、舞台の上で柄本明が新人女優に演技を教えているようでもあり。二重の楽しみがあったりして。
 ぼくの3つ隣に同じ東京乾電池のベンガルがいた。札幌の小さな小屋にわざわざ?序盤誰よりも大きな声で笑い、中盤いびきをかいて眠り、終盤寝起きとともに笑い出した。なんだかすげぇ。


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「キル・ビル Vol.1」を観る(03.10.25)

 タランティーノ久々の作品は、彼のやりたいことを凝縮した映画だった。撮りたい画を躊躇せず撮る。とてもシンプルだけど、実践するのは難しいよなぁ。ぶっちゃけ苦しい設定も多々見られるけど、つなぎの雑を吹き飛ばすほど彼の求めた画は魅力的だった。
 ふと思ったんだけど、ヒロインのユマ・サーマンも敵役ルーシー・リューも顔がアシンメトリーなのだ。それが全体の流れよりシーンに重きを置く今作の作風にマッチしていて、とても象徴的だった。
 やっちまいなー!かかってきなー!と無国籍炸裂のキル・ビル、楽しめます。後編も楽しみ。
 タランティーノのセンスに共感&嫉妬を覚えながらも、飛行機内に日本刀は持ち込めないよなどと満載のつっ込みどころににやけるぼくなのでした。


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「トゥームレーダー2」を観る(03.10.12)

 ララ・クロフトの活躍とBodyを楽しみに劇場に足を運んだんだけど、不覚にも寝てしまった。
完全に寝入ってたのではなく、要所は起きてたので、ストーリーは飲み込めたけど、残念ながら楽しめたとは言いがたい。
 体調不良でいどんだぼくも悪いが、ある意味眠気を誘う内容だったのか?
でも、面白いとかつまらないって評価はきちんと観た人がすべきことなので、今回はノーコメントってことになるのかな。
 まことに残念。


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「一郎ちゃんがいく。」を観る(03.10.5)

 ひと月ぶりの文化的活動は、お芝居「一郎ちゃんがいく。」。わかぎゑふ作、G2演出が見せる頭脳バトルに興味を抱いたのだ。
 明治の終わり頃、オックスフォード大学に派遣される大留学生団のリーダーを決めるため、4人の天才が集められ、日本一頭の良い男を決めるという物語。4人それぞれが背景を持って戦いに挑むって筋。
 クライマックスのバトル2回戦は手に汗握る面白い展開だったけど、そこにたどり着くまでがちょっとだれ気味。若松武史の怪演に救われることしばし。
 今回の目玉役者・ジャニーズの秋山準は熱演も、さとう珠緒は誰でもいい的な役なので、今後の舞台役者としての展開はきびしいかも。
 博学イコール天才リーダーでもないと思うし、一郎ちゃんのすごさもそれにとどまる物ではないだろうから、その先のなにかをもっと見てみたかった。
 そうそう、舞台衣装のタキシードはかっこよかったなぁ。


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「ゲロッパ!」を観る(03.8.27)

 井筒監督渾身の一作、「ゲロッパ!」。井筒監督が現役であることを世に知らしめるかのように放つ渾身の作品だけあって、笑えた。日本人の笑いのツボを知るのは、やはり日本人。展開の緩急のつけ方が絶妙で、笑腺の緩み状態をコントロールされたかのよう。うまいなぁ。
 こちとら自腹なのであけすけに書くと、泣けはしなかった。近くにいる他人の親子の情と、遠くに離れた本当の親子の情の対比…。ちょっと安直というか、狙いが見えすぎ。子役に頼りっぱなしの感もあったし。
 西田敏行という類稀な役者を使っているのだから、親とか爺ではなく、男としての哀愁をもっと漂わせて欲しかった。かつての山田洋次&ハナ肇コンビの映画のように。
 あと、都合が良すぎるという点も気にはなるけど、それを含めて笑い飛ばせる。やっぱりこの映画は笑える映画だ。気持ちよく笑えたよ。


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劇団スーパー・エキセントリック・シアター
タイツマンズLIVE「タイツ魂」を観る(03.8.24)

 SETの全体公演、ここ数年パワーが足りないっていうか、全員や格にこだわりすぎて、面白さが集中できてないっていうか、なんか大味。でも、イレギュラー公演は若手が伸び伸びとやりたいことやってるって感じがいっぱいで、濃い笑いが詰まっている。
 今回観たタイツマンズLIVEも、若手の解き放たれたパワーにあふれていて、面白かった。
 まぁ、全身タイツって反則。モジモジくん思い出しちゃう。でも、全身タイツを異形の象徴にとどめるのではなく、インスピレーションの発端に使って笑いを創っているところがミソ。それをSET特異のミュージカルアクションコメディに上手く仕立てているところはあっぱれ。
 なにせ、ハナにつかないのだ。歌もタップもアクションも、これ見よがしに繰り出されるのではなく、自然と笑いの一部になっている。そして話芸。面白い。
 若手とは恐れ多くていえないけれど、野添義弘の面白さには頭下げるしかない。ドラマや映画の頼りないヤクザ役や、あのアミノサプリの緑・飲んべえで露出してきてるけど、舞台では最高に弾けてる。最高!この舞台の面白さの45%は背負ってるよなぁ。


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「パイレーツ・オブ・カリビアン」を観る(03.8.22)

 ここ数年、ぼくがライバル視している男優、ジョニー・デップ。まったく、いい男ではあるが、ユーモアのあふれる芝居じゃまだまだ負けないぞと思っていたのに(かなり思い違いではあるが)、なんてこった。
 しかも、男なら誰もがあこがれる冒険活劇での活躍だなんて、ますますぼくとの差がつく一方じゃないか(ハナからすっげー差がついてはいるが)。海にはロマンがあり、男は船に夢を託す。松本零士じゃないが、冒険活劇はかつて少年だった男たちにはこれほどまでに胸を焦がす物語はないんだよな。
 要するに、この映画にはぼくの夢見るロマンが一杯詰っていて、夢の中でのぼくは海賊ジャック・スパロウ船長なんだけど、スクリーンではジョニー・デップが圧倒的な存在感でスパロウ船長を演じている。とても悔しいんだけど、我がライバルのジョニー・デップだから仕方がないか。
 そんな嫉妬心がメラメラと燃え上がるほど、この映画は面白かったのだ。
 おすすめです!


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「イッセー尾形
 クエストホール 15周年祭」を観る(03.8.21)

 イッセー尾形が過去に上演したネタをセルフカバー。
「イッセー尾形と演出の森田雄三が創り直した80年代90年代のネタの数々、お掃除したてのお部屋に招かれたような気持ちになって頂けること請け合いです。」
 これ、HPに書かれた宣伝文句です。イッセーが過去のネタに今という新しいテイストを加える…それも楽しみだけど、イッセーがどのネタをチョイスするのか、とても興味津々なのです。
 で、公演前半戦にイッセーが選んだのが以下の6作。「ハワイアンナース」以外はナマやLDで観た作品なんだけど、どれも秀逸で大笑い必至!実際復活した作品は、やっぱり大笑い。当然今風に演出しなおされているんだけど、笑いの根っこって変わらないからなぁ。
@結婚相談所
 これ、初めてナマで観た時に上演された作品。コントラバス奏者の妖しさが3倍増です。
Aマキエダ
 これも上記と一緒。マキエダの焦燥感がより立体的になってます。
Bプラットホーム
 これはLDで観た。'90年の作品だけど、全く褪せてない。これぞ根っこの太い作品。
Cハワイアンナース
 これは初見。ウクレレを持ったナースって、必殺…いやいや、必笑じゃないですか。
D幸せ家族 旅館編
 これもLD。現在好評の大家族の原点だけど、こっちに方が親身になれる。
Eタカタカちゃん
 歌ネタものの代表作。タカタカちゃんの新人としての初々しさが倍増してます。
 ちくしょう!やっぱイッセーは面白すぎるや。インターネットトラブルがあったため、当日券が出るそうなので、興味のある人は是非!


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「HERO〜英雄〜」を観る(03.8.18)

 中国4千年の歴史、その重みを感じるような重厚な作品。なんたって、紀元前の物語だぞ。日本じゃ縄文人すらいない(?)頃の物語だぞ。日本が舞台でこの頃の映画を作るとしたら、「はじめ人間ギャートルズ」だぞ。
 この映画、なにがすごいって、圧倒的な迫力がスクリーンから押し寄せてくるんだけど、ハリウッド映画に観られるスピード感や衝撃音といった圧力に頼っているのではなく、凛とした静けさが圧倒的な迫力となっているのだ。確かにワイヤーとSFXを駆使したアクションシーンはカッコよくて迫力も満点。でも、無名と大王・長空・残剣・飛雪、残剣と飛雪、その他たくさんの1対1の対峙から伝わる静なる迫力のすざまじさ。
 監督の意図に思いっきりハマってるんだけど、色の使い方の巧みさと美しい画面に魅せられてしまう。こんな画面、つくれないぞ、普通。
 そしてHERO。本当の英雄とは・・・。やられた。このカッコ良さ、ハリウッドには絶対描けない。HERO像はこの作品の中だけでもたくさんあり、誰がHEROなのかは人それぞれ違いがあるのだろうけど、彼ら全員に通じる想いこそがHEROなのかもしれない。
 同じ東洋人として、深く共鳴できる作品だった。


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大人計画ウーマンリブVol.7
「熊沢パンキース03」を観る(03.8.10)

 ウーマンリブなのに、女性出演者は誰もいない。…ちょっとこじつけ。
 大人計画内の宮藤官九郎ユニットに座長・松尾スズキが登場する。
 TV・映画で活躍中、薄い唇の爬虫類顔・田辺誠一が客演している。
 ちょっと異例の「熊沢パンキース03」は、官九郎脚本で人気をはくし、今秋映画も封切られる「木更津キャッツアイ」の原案ともなった作品とか。あっ、設定の所々が同じだけで、まったく別ものと言ってもいい作品なんだけどね。
 いやいや、率直に面白かった。ぶっ飛んだ設定を感じさせない軽妙なやり取り。同年代の涙腺…じゃなく笑腺を刺激しつづける小ネタの数々。ウーマンリブ特有の妙な毒もたっぷり。
 野球なのか、劇団なのか、ぼくで言うとくや探なんだけど、男が意味なくつるんでいる空間って、心地良かったりするんだよね。厚い友情とか、タテ関係だけじゃない和のある空間って。そんな感じが熊沢パンキースにはあふれているのだ。理由はわからないんだけど、その場にいるのが楽しい場って。一見辛そうに見えても、ついつい足を運んでしまう場って。だから、その場での出来事が観ているぼくにもシンクロしてきて、舞台を一層面白くさせている。非日常の中に見る日常なんだな。
 それにしても、松尾スズキはうまい。飄々とした脱力系ながらも、的確に笑いのツボを刺激してくる。手練だなぁ。
 というわけで(?)、いつも少年の心を忘れない「熊沢パンキース」。ぼくも彼らのように少年の心を忘れない大人であり続けるのだ。


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「踊る大捜査線 THE MOVIE 2
 レインボーブリッジを封鎖せよ!」
 を観る(03.7.22)

 青島くんはまるでぼくのようだ。ぼくは地質調査業界の青島刑事。いや、青島刑事は警察の岡本直人だ。なんて、誰も認めてくれないけれど、勝手に思い込んでいる。
 5年ぶりにスクリーンに戻ってきた青島くんは、変わらずに自分の中の正義を守って日々を過ごしている。やんちゃをして上司に迷惑をかけることもしばしばだけど・・・。そして、ひとまわりスケールの大きい男に成長している。自称・元祖青島のぼくはどうかというと・・・。
 街が進化する。捜査が進化する。犯罪が進化する。組織が形態を変え、人々の意識が変わる。価値観も変われば、存在意義までもが変わってしまうようなこの時代に、自分の正義を曲げずに貫くカッコよさ。染みるんだなぁ。
 いやいや、そんなに思い入れ抜きにして、笑いあり、ハラハラもあり、ウルウルもあり、面白い作品。小ネタも満載で5年経っても湾岸署健在。それ以上はスクリーンでご確認を。
 それにしても青島くん、あんまりスーパーにはならないでちょうだいね。青島もどきが追いつけなくなってしまうから。
 そうそう、主題歌「Love Somebody」の”いつも敗けないように心に誓おう♪”のフレーズ、オリジナルは”誰かを愛せたとき♪”なのに、今回は”あなたを愛せたとき♪”だったなぁ。これって・・・。
 ということで、地質調査業界の青島くんも心の正義に従って日々精進を重ねるのだ。すみれさんはいないけれど。


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「チャーリーズエンジェル フルスロットル」を観る(03.7.14)

 まったく、なんて面白い作品だ。痛快でスリリングで、お色気もある。なにより観る者を選ばず楽しませてくれる。子供の頃に夢中になったチャーリーズエンジェルに、今なお楽しませてもらえる。なんと素敵なことだろうか。
 3人のエンジェルに目を細めるだけでない。全編に流れる懐かしい名曲の数々。MCハマー、デヴィッド・ボウイ、ボン・ジョヴィ、ジャーニー、ビーチ・ボーイズ…。もう涙目だってーの。とくにJ・ガイルズ・バンドの「堕ちた天使」。大好きなんだよなぁ。本作を代表するかのようなタイトルの名曲(ホントは大好きなあの子がポルノグラビア雑誌の見開きに載っていたって歌詞だけど…)。ところがサントラにはこれだけ入っていないっつーのはないよなぁ。
 もう、観てやって、楽しんじゃってって言葉しか出てこないよ。キャメロン・ディアスって、すっげー女優なんだなぁ。
 一つだけ苦言を呈すなら…、ビル・マレー Come Back!


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第3回「詩のボクシング」全国大会を観る(03.7.12)

 NHK-BSでたま〜にやる面白番組、「詩のボクシング」の全国大会が東京で開かれた。全国16地区の予選を勝ち抜いた精鋭たちが紡ぐ言葉のぶつかり合い。どんな言葉が飛び交うのか・・・。すごく期待大で会場のイイノホールを訪れた。
 会場にはTVカメラがたくさん入っていたので、この模様はTVでオンエアされるだろうから、詳しいことはあまり書かない。ただ、同じ言葉遊びを楽しむ者として言いたいのは、「やられたぁ〜」。言葉というものの奥の深さをつくづく感じた。
 言葉はホントに不思議だ。同じ感情を伝えようと思っても、いろいろな表情を持ち、伝わり方に差が出てしまう。声にする時の抑揚でも、伝わり方が変わってしまう。感情を綴った詩を切々と訴えられると、聞いている方が息苦しくなってくる。緩急をつけて言葉を選ぶと、言葉のひとつひとつが感情のうねりとなって聞こえたりする。ただ並べるだけじゃダメ。棒読みではダメ。すっげー奥が深いのだ。
 詩の朗読は演技であり、ライブであり、シンプルながらもとても崇高なパフォーマンスだ。
 ぼくの言葉はまだまだ波動として人々の胸に伝わるには至っていないもんなぁ。
 矢野顕子と吉田日出子の雰囲気を併せ持つ羊ヶ丘けいとさんの1発目、最高でした。


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