くや探 topics 02

<トピックス>


くや探、下町を歩く4〜築地−月島−新橋まで編(2011.12.10)

=参加者=
 小山隊長,岡本直人,SAYUKI,11郎

 前回の下町歩きで「次はもんじゃ」と固い約束を交わした4人。まさか年内に実現するとは思ってなかったんだけど、忘年会をかねて歩きましょうかって。「月島に行くなら対岸の築地も外せないよね」ってことで、気付けば歳末高カロリーの旅が実現しました。では、そのレポートを。


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T.新橋〜築地場内市場へ(図中−線)

 11:15AM新橋駅集合。時間があったので東日本橋のホテルから銀座のCD屋なんぞによりながらプラプラ歩いて新橋に行くと、すでに皆さんおそろいのようで。さて、今回の散策、昼飯を築地で食べて、月島へ行く。ただそれだけで下調べなし。まさにノープラン。行き当たりばったりだったのだ。それが証拠に、まずどっちに歩けばいいのかすらあてずっぽ。
「とりあえず築地本願寺でも行く?」
ってな感じで歩き出したんだけど、「ええい、曲がっちゃえ!」とばかりに右折すると、築地市場の真ん前につくありさま。
「本願寺、どうする?」
「なんか腹減ってるから後にしますか」
「賛成!市場で魚食べましょう」
「本願寺は食後ということで」
 それにしてもさすが土曜の昼ちょっと前。築地は観光客でいっぱいだった。
「まずはSAYUKIが長靴買うんだっけ?」
 旦那であるKibunから「築地行くなら長靴買ってきてよ」と頼まれていると、前日のSAYUKIのメールに書いてあったのだ。
「それがさ。欲しい長靴が築地以外でも買えるってわかったみたいで、もういいんだって。それに買った後持ち歩くの大変だしさ」
「持ち歩きの心配はいらないんじゃない?履いて歩けばいいんだから」
「え〜〜〜っ!長靴で散歩はさすがに嫌だよ。雨降ってるわけじゃないし」
 築地市場には魚屋、食堂、食べ物屋のほかに、雑貨屋なんかも結構ある。そんな中、小山隊長が目を付けたのは・・・。
「おかもっちゃん、『脂乗ってます』Tシャツ売ってるよ」
 おもわず腹をポーンと叩きたくなるような絶妙なネーミング。ぼくにぴったりだろうけど、照れくさいから買わなかったよ。
 観光客のお目当ては鮨もしくは海鮮丼みたいで、築地市場場内の鮨屋はどこも長蛇の列ができている。そういえば6月に一人で築地に来たときもそうだった。あの時は深川丼が目当てだったんだけど、今日は全員、「美味い魚でビールと飯!」で意見が一致。ならばということで、魚料理の豊富な『和食かとう』の列に並ぶ。鮨屋ほどではないにせよ、ここもお客さんが立ち並んでいたんだよね。
 店の前に掲げられたメニュー表に見入る一同。どれも魅力的な一品ばかり。ぼくは『地金目鯛』と『あんこう』と『かきどうふ』で悩みまくる。今日は魚がメインだから『かきどうふ』はナシとして、どっちにするべきか・・・。
 お客さんが入れ替わり、いよいよ次はぼくらの番というところで、店員さんが注文を聞きにきた。どうする?札幌ではあまり食べれないということを考えると、『地金目鯛』よりは『あんこう』だよな。しかも【鍋】じゃなくて【煮付け】ときたもんだもん。とりあえずみんなの動向を把握して・・・。
「わたし、黒ムツ煮付けで」
 SAYUKI、いつも決断早いよな・・・と感心しきり。
「ぼくは銀ダラ西京焼で」
 11郎も意外と決めるときはバシッと決めるよな。
「じゃあ、私はあんこう煮付け肝入りを」
 えっ?小山隊長とかぶった・・・。どうする?金目鯛に変更すべきか?
「鍋じゃなくて煮付けってのがいいよね」
 うわぁ〜、そこまで言っちゃうか小山隊長。もろかぶりじゃないか。ならばぼくは・・・
「ぼくもあんこうの煮付けで・・・」
 結局小山隊長に乗っかっちゃった。注文した後で、金目鯛にしておけばお裾分けで4種類の魚が楽しめたのに・・・って思っちゃって。みんなのことも考えず、なんて身勝手な男なんだ、ぼくは。でも、ぼくもがっつりあんこうを食べたかったんだ。みんな許しておくれ。

和食かとうの前にも人が並んでました

このよだれもののお品書き。全部食べたい衝動に駆られます

11郎チョイスの銀ダラ西京焼

SAYUKIチョイスは黒ムツの煮付け

小山隊長とぼくはあんこうの煮付け
 お裾分けいただいた銀タラ、黒ムツ、そして我を通してまで頼んだあんこう。どれも美味くてビール&飯が進む。特にあんこうのぷりぷり感といったらもう。コラーゲンたっぷりでもちもち肌になること間違いなし。
 できることなら他の魚も頼んで、このまま腰を据えて飲んでもいいぞって心持ちだったんだけど、店の外にはぼくらの退出を待つ長蛇の列。腹もいい具合にパンパンになったことだし、重い腰上げますか。
 店の外に出ると、列はますます長くなっていた。もしかしたらいいタイミングで入ったのかもしれないなぁ。
 膨らんだ腹を抱えながら市場場内をぶらついていると、SAYUKIがなにかに反応し、吸い寄せられていく。なにごとぞと思いその先を見ると、そこには色とりどりのイカのストラップが。これは疑似餌なのかな?おいおいSAYUKI、買っちゃうのか?もちろん一番大きいやつだよね。で、春になったらこいつでマグロ釣っちゃうんだよね。


U.築地場内市場〜区立佃公園へ(図中−線)

 築地場内市場を出て、場外市場を見て歩く。でもさすが土曜日、観光客であふれかえっている。細い路地に入ろうものなら、身動きできなくなる有様。これではゆっくり買い物もままならないから、実はお店も困ってたりして。
 さすが12月。店頭には新巻き鮭がずらりと。そういえばお歳暮に新巻き鮭にのし付けて持ち歩く風習って、『サザエさん』でしか見たことないけど、本当にあるのだろうか?これだけたくさんの新巻き鮭が並んでいるってことは、やはり本当にあるのかも。

 場外市場で海産物の串焼きみたいなの食べながらプラプラ・・・ってのが当初の目論見だったんだけど、なにせ昼食で腹がいっぱい。食べるどころか見るのもきびしい。こうなると、場外市場はある意味目に毒とでも言いましょうか。ここは早々に次の目的地・月島へ向け歩き出そう。きっと、着くころには適度な運動により腹が空くこと間違いなし。
 築地場外市場から勝鬨橋へ向かう途中で、変わった家を発見。手前に木造の細長い家、奥はブロックつくりの家なんだけど、その間が増築されて連結しているみたい。しかも2軒の屋根をまたぐように新たな部屋ができている。ペントハウス?修ちゃんが住んでる?この家は一体、どんな構造になっているのだろうか。ぜひとも間取り図を見てみたいものだ。

謎の三連家
 勝鬨橋を渡ると高層ビルが建ち並ぶ勝鬨エリアなんだけど、左折して運河を渡ると一転して下町情緒の残る月島エリアに。メインの通りこそ広くて立派だけど、1本入ると別世界。車すら入れないような細い路地に、長屋風の建物が。トタン壁だったり、路地沿いに置いてある花壇の数々といい、ぼくの生まれ育った北海道ではなかなか見られない景色。路地を挟んだお隣さん同士の2回の窓が近いのも、なんか面白い。森田健作主演の青春ドラマ『おれは男だ!』で毎回見られた弘二と吉川操の窓越しの会話が交わされていそうなたたずまい。
 ん?あのドラマの舞台って鎌倉だったっけ?

狭い路地が街の穏やかさを醸し出す

民家と一体化した神社にかぶりつきのSAYUKI
 とりあえず通称”もんじゃストリート”の1本東の通りを抜ける。ところがここでも誤算が・・・。まさか築地と月島がこんなに近いとは思わなかった。月島に着いたらすぐにもんじゃ屋の当たりをつけて、もんじゃを肴にビールと思ってたのに、腹が一向に空いてこない。
「もんじゃ、行けそう?」
「う〜ん、まだ無理」
「じゃぁ、もう少し歩こうか」
 ってことで、今度は”もんじゃストリート”の1本西の通りを歩くことに。その途中で見つけた歴史のありそうな道場みたいな造りの建物。きっと、徳川幕府の時代から多くの若者が心身鍛錬のために修行をし、数々の道場荒らしからその看板を守り続けてきた由緒あるところなんだろう。そんな妄想を抱きながら、守り続けてきた看板を見てみると、『佃島説教所』。
「なんか学生時代を思い出しちゃうよね、説教って」
「今で言う生活指導室ってとこなのかな」
「みんな正座させられてたんだろうなぁ、きっと」
 どの時代にもやんちゃなやつっていたんだろうね。なんて妄想が膨らむネーミングだけど、実際のところは?浄土真宗の建物らしいから、説法を聞くところだったのかな?

瓦屋根が立派な道場

「佃島説教所」ってインパクトある名前だよね
 ”もんじゃストリート”の1本西の通りを歩き、さらに”もんじゃストリート”を抜けても、一同に腹が空く気配は見えない。もんじゃ屋を物色しながらを歩くという目的すら達成できない有様。でも、列のできていたメロンパン屋には反応してたりして。
「メロンパンって美味しいと思う?」
「ぼくは好きだけど」
「なんかあのお菓子みたいな甘い外側と内側のギャップが。あれをパンと呼んではいけないと思うんです」
「私は蒸しパンが苦手だな。あれはパンでもないし、お菓子として出てきてもちょっと・・・」
「その意見、私も賛成!」
「そうなの?ぼくはいつも行くパン屋でかぼちゃとくるみの入った黒糖蒸しパン必ず買うけど。かぼちゃの甘みとくるみの食感がたまらなく好き」
「あっ、それは美味そうだなぁ」
 昼食を消化し空腹をもよおすためには、まだ歩き足りないに違いない。ということで、月島を抜けて佃島まで足を伸ばすことに。佃島も下町情緒満載の街なんだよね。
 真紅の欄干がまばゆい「佃小橋」とマンションから高い煙突がそびえる日の出湯。その向こうには高層ビルが。このミスマッチがまた魅力。
 佃島の中心に位置する住吉神社周辺は、下町の色がとても濃いのかな。すごく狭い範囲だけど。住吉神社の境内の一角には「鰹塚」がある。鰹を供養する塚。なんで鰹?佃島の名産、佃煮を作るのに、出汁として欠くことができないものだったのかな?なんて勝手に想像したりして。
 住吉神社のすぐ近くの民家の軒先に手動ポンプを発見。昔、田舎でよく見た手動のポンプが、都心に残って活用されているなんて。夏場にはたらいに入れたスイカをポンプの水で冷やしたりするのかな・・・。

つくだこはしと日の出湯

住吉神社

鰹塚

民家の軒先にあるポンプ
 先にも書いたけど、佃島といえばやっぱり佃煮。佃島には3軒の佃煮屋があり、うち2軒は元祖と本家で競ってる。この日はNPO団体が引率する観光客の団体がたくさん来ていた。引率するのは60代後半の方々。一線を退いた方々が、余暇の楽しみとして地元のよさを広める活動をしている。歴史のある街ならではで、とてもステキに感じた。

佃煮屋2軒、どっちが本家でどっちが元祖だったっけ?
 次に行ったのは区立佃島公園。ここはかつて一人で訪れたときに気に入って、今回もみんなで行こうとなって。この公園の一角に見つけた、足ツボ健康歩行エリアに、ぼくらも果敢にチャレンジしたんだけど、痛すぎてみんなリタイアです。これは健康エリアというよりも、地獄絵図エリアでした。

この突起たちが足裏を容赦なく刺激する

東屋でのんびりの昼下がり

V.隅田川テラス〜月島、もんじゃ実食(図中−線)
「そろそろ行けそう?」
「もう一回りすればいい頃合かな」
ってことで、一同佃公園をあとにする。せっかくなので隅田川沿いに整備された遊歩道、隅田川テラスを歩きましょう。青空とビルと川面。いつ眺めても飽きない風景。隅田川沿いのマンションが人気なのがよくわかる。上流方向に目を凝らすと、スカイツリーが見えるではないか。

行ったことないけどNYっぽいのかな?

目を凝らすと、東京スカイツリーが
 隅田川の反対側に妙な建物発見(写真撮り忘れた〜!)。何かも字が書いてあるんだけど、目に衰えの見え始めているぼくらは、その判別が難しい。それでも一番の若手・11郎が目を凝らして読み取ってくれた。
「水炊きって書いてますね。どうやら水炊き屋のようです」
「そうか、もんじゃあきらめて水炊きに乗り換えるってのはありかな?」
「反対岸まで泳いで渡れば、ちょうど腹も減るかもね」
「でも、ずぶ濡れで店に行って、入れてくれるかな?」
「その前に泳ぎ着く自信がないんですけど・・・」
 隅田川テラスを離れると、いきなりぼく好みの自動販売機を発見。それは「明治おいしい牛乳」の販売機なんだけど、特筆すべき点は1リットルパックが売られているということ。そんな自動販売機は今まで見たことがない。ここは話しのネタに購入すべきか・・・。しばし悩むも、1リットルを一気飲みもできないし、冷蔵できる環境にもないのでここは我慢。ちなみにこの自動販売機、牛乳販売店の前に設置されていました。納得。
 ぐるりと大きく一回りし、腹の具合もちょうどよく空いてきたので、意を決してもんじゃストリート突入です。
「人気の店ってやっぱり並んでるね」
「ちょうどのども渇いてきたから、並んでまでは待ちたくないかな」
「かといって、がらがらの店は危険かもよ」
「じゃあ、並んでないけど客が適度に入ってる店ってことだね」
 ということで、『ばんび4号店』に腰を落ち着ける。
 メニューにはいろんなトッピングの組み合わせ例が書いてあるようだけど、そんなのは観光できたようなもんじゃ初心者が見るものなのさ。ぼくたちは前に上野で発見した必殺のトッピングがあるのよ。ビールに最高のトッピング『めんたいこ・もち・チーズ』さっ!
 店員さんに颯爽と注文すると、なにやらニヤリ。メニューを見ていた11郎がすかさず報告。
「めんたいこ・もち・チーズの組み合わせが人気No.1って書いてます」
「なんだと?ぼくたちが上野で発見したレピシが2年のときを経て、月島にまで浸透したというのか?」
「どうやら私たちが発見したわけじゃないみたい。かなりメジャーな組み合わせだったのかも・・・」
 なんだかんだ言っても『めんたいこ・もち・チーズ』は美味いなぁ。ほんとビールが進みます。でも、このままだとなんかくやしい。『めんたいこ・もち・チーズ』を超えるような、ぼくたちオリジナルのトッピングを考案してやる。
 まずは11郎のチョイスから。
「静岡生まれとしてはやっぱり桜えび。そして今が旬の牡蠣と合わせて海鮮風で」
 おお、磯の香りが口に広がるではないか。Rのつく月限定のお味。
 続いてSAYUKI。
「ここはシンプルにさきイカと紅しょうが」
 こりゃまた素直なお味です。これを食べ較べることで、店の実力がわかってしまうね。
 そしてぼく。
「ずっと気になってたコンビーフ。語呂的にもコーンを添えて」
 コンビーフとコーンって選択はいいんだけど、味にパンチがいまひとつない。マヨネーズでもぶち込んだほうがよかったかな?

実はみんなの定番だった『めんたいこ・もち・チーズ』

11郎チョイスの『牡蠣&桜えび』

左:SAYUKIチョイス『さきイカ&紅しょうが』 右:岡本チョイス『コンビーフ&コーン』
 あらたなトッピング開発は、くや探の永遠のテーマとして、今後も継続して行っていくようにしよう。そのためには、日頃の鍛錬と研究が欠かせないね。

W.月島〜新橋(図中−線)
 もんじゃと酒を存分に楽しんだぼくたち。またもや腹いっぱい状態になり、月島で2軒目に入るのは厳しいかなと。ならば新橋まで腹を空かせるために歩こうではないか。名づけて『EAT&WALK』って感じ?
 夜の散歩もまた味があるもので、勝鬨橋付近から見えるライトアップされた東京タワーに心奪われる。なんと言っても東京のシンボルだもんね。東京から離れるとそのことをつくづく感じたりするのよね、昭和生まれとしては。
 一方、勝鬨橋から上流を見ると、ビルが彩る夜景が見える。これもまた綺麗なもので。もうじきその向こうにライトアップされた東京スカイツリーも加わるのかと思うと、勝鬨橋ってかなりポイント高いスポットじゃない?

勝鬨橋から見る東京タワー

勝鬨橋もライトアップ

上流方面はビルの明かりが。5月からはスカイツリーも?
 そんなステキな景色を見ているというのに、ぼくらの会話はなんともさびしい妄想が全開で。
「おかもっちゃんと11郎くんは孤独死する可能性があるわけじゃない」
「まぁ、確かにぼくら独身だから、その可能性もないわけじゃないけど、会社に出社しなかったら誰か連絡くれるでしょ」
「いやいや、どうせ二日酔いのズル休みとか、現場に行ってるとか思われちゃうかもよ」
「そうなると数日後に大家の断りをえて、誰かが鍵開けてぼくを発見するのか。部屋めちゃくちゃ散らかってるから恥ずかしいなぁ」
「不審死の場合は警察が入って調べるよ」
「じゃあ、警察にぼくのエロDVDコレクションも調べられたりするの?」
「そうだね、どんな嗜好かを分析されて、犯罪にかかわってないか調べられるの」
「まぁ、幼女趣味とかないから、重要参考人となるようなことはないと思うけど」
「岡本さん、あれは?ジップロック」
「11郎、なんだいその急なフリは・・・」
「なになに?それなに?謎のジップロック殺人事件?2時間ドラマになる?作っちゃう?」
「なんでもないし、ドラマも作らない」
「いや、それは科捜研の女の出番だね。沢口靖子が登場するね」
「科捜研の女はちょっと反則でしょ。事件性はありませんから、そっと死なせてください」
「いやいや、連続殺人事件の糸口になるかもしれないよ。相棒も出ちゃう?」
「丸眼鏡かけたサスペンダー親父も必要ありません。っていうかあの人警視庁でしょ?札幌は所轄外です」
 別にやましいところはなにもなく、核心をちょっとぼかしただけで次から次へと続くこの妄想ワールド。このメンバーならではの楽しい一幕。この妄想劇場はぼくが歩道橋の下りエスカレータを逆走するまで延々と続くのだった。
 もう若くもないのに激しい運動をしたためか、動機息切れが止まらない。ここは一刻も早く腰を落ち着け、エネルギーを補給しなくては。場所はちょうど新橋駅。交差点の角に燦然と輝くはやきとりのメニューの看板。
「あれだ、あの店に入ろう」
 何の気なしに入った店だけど、ここがぼくにとっては大当たり。
 サザンが流れる、焼き鳥屋〜♪(スキップ・ビート調で)
 新旧織り交ぜ、会話を邪魔しない適度な音量で、サザンがぼくらを包んでくれる。いい感じの締めだったね。

焼き鳥屋だけどこれ美味しかった
 外に出て、空を見上げたら下弦の欠けた月が。そういえばこの日は月食だった。天体ショーが見守る楽しい散策でした。


  くやしい探検隊 and more へ

くや探、下町を歩く3〜亀有の両さんから柴又の寅さんまで編(2011.8.27)

=参加者=
 小山隊長,岡本直人,SAYUKI,11郎

 くや探もメンバーも全国に散らばり幾年月。集まる機会も乏しく、活動も慎ましやかになるばかり。そんななか、東京散策企画はお手軽にできるということで、ここ数年継続している。のんびり歩くことで、みんなといろんな会話ができたり、これまで見えなかった東京の一面が見えたりして。スローライフのオトナの時間って感じ(なんじゃそりゃ)。
 今回は下町の殿堂とでも言いましょうか。亀有〜柴又を回るコースです。地方出身者にとっては浅草よりも寅さんに出てくる柴又こそが、The下町なのです。帝釈天の産湯を浸かるのが下町っ子なのです。
 こうして参加者4名のうち、誰が両さんで、誰が寅さんで、タコ社長で、源公かを決める旅が始まった。


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T.亀有駅前集合

 ぼくは亀有も柴又も行ったことがない。柴又はさっきも書いたとおり、寅さんの故郷として強いイメージを持っているけど、亀有といえば・・・両さんか。『こち亀』の連載が週刊少年ジャンプで始まったのはぼくが小学生の頃。よく読んでいたけど、亀有が舞台と知ってはいたけど、亀有の町の印象ってあんまりないんだよね。両さんのキャラが濃くって、みんなそっちに持っていかれちゃう。ゆえに亀有といえば両津勘吉かな。
 亀有について驚いた。ぼくのそんなイメージを逆手に取るように、亀有駅前は両さんであふれている。両さんで町おこしをしているのだ。黄金の両さん像は、亀有の町を見守るように燦々と輝いている。

いきなりのW勘吉・・・左は小山隊長だった

祭り衣装の両さんは今にも神輿を担ぎ出しそう

バスロータリーでは両さんとSAYUKIがお熱いようで
 駅を出て南へ歩くと、旧水戸街道と交差する。亀有は実は歴史ロマンの漂う町でもあるのだ。水戸といえばもちろん水戸黄門。光圀公もこの道を通って諸国を漫遊されたに違いない・・・。諸国漫遊は作り話だって?でも、参勤交代で江戸に上るときは通ってたでしょ、きっと。
 そんな光圀公をまつったと思われる像がこちら。ちょっと三国志テイスト入ってない?

ホントにこれ、黄門様と助さん格さん?
 前回(6月)は小山隊長が欠席だったため、4名が集まるのはおよそ1年ぶり。身体が衰えた以外はたいして変わり映えのない4人だもん、まずやることといえば・・・。
 旧水戸街道に面する『吟八亭やざ和』は、食べログで高得点を維持し、TVでも紹介される有名手打ちそば店だ。いつもなら行き当たりばったりで暖簾をくぐり、それもまた冒険の醍醐味のひとつと楽しむくや探なんだけど、今回はまるで知らない亀有ということで、下調べしまして。昼に蕎麦屋で乾杯なんて、オトナの休日満喫です。
 ビールとつまみに続き、小山隊長とSAYUKIは迷うことなくとろろそば、ぼくは辛味大根の魅力に引かれおろしそば、11郎はベーシックにせいろをチョイス。
「11郎、無難にまとめたね」
「4人もいて全員が変化球で攻めたら店に失礼でしょ。一人くらいは直球勝負しないと」
 なるほど、なにげに一理ある。
 出てきたビールはヱビスです。確かにこの店にはヱビスが似合います。白くまばゆい板わさとつき出しのそばせんべい(?)をつまみに乾杯。
「あたし、奥歯をインプラントにしてて、今ボトルが入ったところなの。なんか加速装置があるみたい。カチって」
「でも、SAYUKIが加速してても、誰も気づかなかったりして」
「ちょっと失礼。でもあたし、食べるのとか遅いからなぁ」
「加速装置使うと、その分時間が早送りになるから、老けるの早まるよ」
「1回加速するたびに皺が1本づつ増えていく・・・」
 サイボーグ009の加速装置は昭和の少年少女が身に着けたい3大装置の一つなので(残りの2つはサイコガンとハニーフラッシュ(空中元素固定装置))、みんなちょっとうらやましくてSAYUKIを攻める。もちろん、ホントに加速装置なんて着いちゃいないんだけどさ。ちなみに、ぼくと小山隊長とSAYUKIは体型的には006なんだよね。

吟八亭やざ和の店構え

板わさとそばせんべいでヱビスをぐいっと

おろしそば。手前の辛味大根おろしがたまらない
 いやぁ、そば美味かった。そばの味と香りを自在に表現できるほどオトナではないので、美味いとしか書きようがない。辛味大根のおろしの素朴な味わいもたまらない。これがとにかく酒のつまみになる。これだけ頼んで飲み続けたいくらい。
 ず〜っと腰をすえて飲んでいたいところだけど、今日の目的は歩くこと。みんなで重い腰を上げ、出発だ。ごちそうさまでした。
 さて、柴又に向かって出発だ・・・というところで、11郎から緊急提案が。
「この近くに葛西城ってお城があったんですよ。その城跡に行ってみませんか?」
 行き当たりばったりが信条のくや探だもん、提案があれば乗りますとも。
「そのかわり、11郎が引率してね」
「えっ?地図もって来てないんですけど、大丈夫かなぁ」
「誰も持ってきてないから気にしなくていいよ」
「いざとなれば携帯があるしね」
 話は決まって歩き出す一行。しばらく歩くと11郎がつぶやいた。
「あれって常磐線ですよね・・・」
「どうした?」
「進む方向を間違えました・・・」
 だいじょうぶか?11郎の引率で・・・。

U.いざ葛西城

 方向を確認し、一行は旧水戸街道を東へ向かった。この旧水戸街道、歩道が広いので自転車が来ても余裕で交わせる。
「なんか安心して歩けるね。踊れちゃうよ。なんかやっちゃう?」
 SAYUKIの声にそそのかされ、腰をかがめて指を鳴らしながら前進してみる。
「おかもっちゃん、なんだよそれ・・・」
「『ウェストサイド・ストーリー』。ジェット団じゃないですか。ほら、みんなもやって」
「全然見えないよ。変なおじさんになってるって」
「ストリートギャングに見えないかなぁ・・・」
「あたしは傘を持っているから『雨に唄えば』にするわ」
 くや探の散策は時にミュージカル調になるのです。
 それにしても、長年11郎と付き合っているけど、城巡りが好きだなんて、初めて聞いた。
「葛西城って北条の一番東の出城なんですよ。豪勢な城ではなかったと思うんですけど、北条はここで東の勢力と対峙していたと考えると、悠久のロマンを感じるでしょ」
 そういえば11郎は北条家のお膝元・静岡出身だった。歴史やドラマの中ではすっかり脇役だけど、そこにもドラマがあったはず。つわものどもの夢のあととでもいいましょうか、きっとわびさびがあるのでしょう。早く見たいものだ。
 中川橋で中川を渡り、中川左岸沿いを南下する。あら、こんなところからもスカイツリーが。
 さすがに中川沿いには広い歩道はなく自然と前を行く引率11郎&ぼく、後ろに小山隊長&SAYUKIの編成となる。この4人、みんな結構読書好き。特に隊長とSAYUKIは読んでる量がハンパない。おや、そうこうしているうちに、後ろのお二人から直木賞を受賞した『下町ロケット』のお話しが。ちょっと聞き耳を立ててみましょうか。
「池井戸潤の『下町ロケット』、直木賞受賞しましたね」
「特許を巡る争いに銀行が絡み、企業買収が進み・・・。これでもかって波状攻撃でしたね」
「でも、勧善懲悪だから安心して読めたよね」
「年寄りが『水戸黄門好き』と同じで、最後は勧善懲悪に行き着くのかな」
 現水戸街道である国道6号を歩道橋で、11郎が得意げにつぶやく。
「岡本さん、新宿に着きましたよ」
 なんと!およそ12時間前まで酔っ払って歩いていた新宿に舞い戻ったというのか?・・・っておいおい、どこまでぼくを田舎者扱いすれば気がすむんだい。それくらいわかるよ。だって、都庁がないじゃない。
 中川左岸を歩いていると、京成本線の鉄橋が見える。
「そろそろ中川をもう一度渡りましょうか」
 何度も携帯で現在地と葛西城を確認している引率者11郎の意見に早速一同が反応。
「なに?あの鉄橋を渡るというのか?」
「確かに線路沿いを歩けば迷うことないだろうけど」
「スタンドバイミーかよ」
「京成は本数が多いから、渡りきる前に電車が来て轢かれちゃうよ」
「そのときは飛び込みますか、川に」
「小さな沼にも入って、ヒルに食われて」
「で、誰の死体を捜しに行くの?」
「バットでポスト打ちまくり〜」
「すみません、鉄橋は渡りませんので、電車は来ませんし、川にも飛び込みません」
 11郎もいつものことながらこのメンツを引率するのは、気苦労が絶えなかっただろう。
 高砂橋で再び中川を渡り、環七を南下する。さすがに環七、川沿いのようなのどかな雰囲気は消え、いかにも幹線道路然とした趣きで。
「岡本さん、どうやら道を間違えたようです」
 11郎が小声で報告してきた。それは葛飾総合スポーツセンターのちょっと手前。な、なんと。どこでどう間違えて、葛西城がどこにあるのか・・・。
 後ろを歩く小山隊長&SAYUKIにその旨を報告し、とりあえず柴又を目指すことに。再び11郎の引率に従うこととしたけど、本当にちゃんと柴又にたどり着けるのか?
 新中川を渡り、なに線かはわからぬが単線の線路を横断すると、遊歩道を発見。
「これって、路面電車後ですかね」
「いや、用水路跡だよ。蓋して遊歩道にしたんだね」
 せせらぎ通りという名のこの遊歩道。健康を意識してなのか、あきらかに子供向けではない遊具(健康器具?)がいくつか備え付けられている。
「これ、どう使うの?」
 そんな素朴な疑問に、インストラクター11郎の登場です。

腕がプルプルです

さすがに倒立は無理です

足だけでなく、懸垂で身体ごと上げてください
 このあとぼくは着地に失敗し、足をグネってしまったのだ。
「おっ、電車発見!」
「あれは京成本線だね。京成高砂駅の近くに来たみたい」
「えっ?京成高砂駅って今日のゴールじゃなかったっけ?」
「柴又行く前にゴールに着いちゃったよ」
 一体どこをどう歩いたらこうなってしまったのだろうか?

V.柴又界隈へ
 京成本線の高架橋をくぐると、右手に見えてきたのは『柴又七福神』ののぼり。柴又にも七福神がいるんだ・・・と感心しながらも、せっかくだからちょっとのぞいてみることに。

寿老人・観蔵寺

残念ながらご本尊は拝めず
 七福神があるってことは、その数だけ寺や神社があるってことだから・・・。神社や寺が多いのが、下町の特徴なんだね。ちなみにぼくが今住んでるところは、近くに新興宗教の支部が多くあり、互いに覇権を争っている。歴史の違いをつくづく感じる。
 京成高砂駅に着いてしまった。でもまだ時間は早いし、京成高砂で行こうと思っていた飲み屋さんもまだ開いていない。ぼくらは柴又へ向かうべく、『高砂エビス通り商店街』を歩くことに。
「エビス通り商店街ってくらいだから、近くに恵比寿様がいるんじゃないの?」
「寄ってく?」
「う〜ん、いいや。七つ全部回るほど余裕ないだろうし」
「それにしても静かな商店街だね、土曜の午後だというのに」
 シャッター商店街って地方に見られる現象だと思ってたんだけど、東京にもあるのかな。
「あれかわいいよ」
 猫好きのSAYUKIのレーダーにがなにやら反応したようだ。
「猫が子育地蔵尊になにやらお祈りしてるみたい。悩みなんかないだろうに」
「そうでもないんじゃない?うちの娘もすっかりグレちゃって、夜もまともに帰ってこない。久々に帰宅したと思ったら、妊娠したって。しかも父親が誰かもわからないって・・・」
「それはありえるね」
「なんたって猫だから」

哀愁漂う母猫の背中?
 紆余曲折、回り道を繰り返しながら、とうとう柴又にやってきた。『寅さん』でお馴染みの帝釈天参道には、多くの和菓子屋さんが建ち並ぶ。意外だったのは、映画の印象よりも短かったこと。浅草とイメージがぐっちゃになってるのかな。寅さんによる観光を意識してはいるけど、地元に根付いた参道って感じ(なにを偉そうに)。
 寅さんといえば帝釈天。境内での御前さまとのやり取りが懐かしい。境内の松の木が、すごくいい感じなのだ。北海道にはこのような松は自生していないので、松が作り出す侘びさびに見入ってしまう。盆栽好きの気持ちがちょっとだけわかったような。
 そうそう、偶然にも今日は『寅さんまつり』とか。境内にはやぐらが立ち、猿回しも来てまして。まつり自体は夕方かららしいんだけど、徐々に盛り上がりを見せていた。
 寅さんのそっくりさんも観光客相手に記念撮影。フレンドリーな下町です。

帝釈天参道

今日はなんと寅さんまつり

帝釈天本堂。松の配置が絶妙

寅さんまつりは夕方から

猿回しも出ています

柴又公認の寅さんらしいです
 柴又駅に戻って、寅さんの像をパチリ。自分で写して言うのもなんですが、このカットいいと思いません?駅に向かい旅立とうとする寅さんを、さくらが呼び止めて、立ち止まった寅さんが振り向いて。逆光で顔ははっきりしないけど、きっと泣き笑いなんだろうなぁ。寅さんの影がまっすぐさくらに伸びていて。まるで映画のワンシーン。
 えっ?ぼくのアングルがいいわけでなく、そう連想させるように像を建てているんだって?そう言われればそうですね。

 いや〜、歩いた。地図なしで歩くのって、いつも以上に疲れる気がする。そろそろ休みましょう。ビールを飲みましょう。柴又駅に程近い『柴又かなん亭』にピットイン。この店の売りはなんといっても「東京で二番目に旨いもつ煮」のポップ。えっ?一番じゃないの?なにその控えめと見せかけた自慢?
 とにかくビール。ビールで乾杯。そして、東京で二番目に旨いというもつ煮、健康のためには草も食べなくちゃと柴又野菜の2点盛、下町といえば鰻でしょ・・・と肝串を注文。それぞれのお味は・・・下写真のコメント参照で。
 かなん亭の一番の魅力は、ビールとかき氷が共存していること。なんと素晴らしい。スイーツ、特にかき氷大好きのぼくと、甘いものが得意ではない小山隊長。おやつを食べたいぼくと飲み続けたい小山隊長。でも、同じ店にかき氷とビールがあれば、どちらも美味しくいただける。
 ビール二杯を空けたところで、ぼく、SAYUKI、11郎がかき氷を注文。小山隊長はビールのおかわり。汗で失った水分が補われ、皮膚の皺が矯正されていく。ほんのり幸せなひととき。

「これが東京二番目なんだよ」と指差し点検中の小山隊長

奥ゆかしいかなん亭のもつ煮、確かに東京No.1ではなかったそうな

柴又の野菜2点盛。オクラとモロヘイヤのネバネバしたやつと・・・瓜系

うなぎの肝串。この苦味がビールにジャストフィット

もも味のかき氷。ビールの後のかき氷。しあわせ

W.矢切のぉ渡ぁしぃ〜〜〜♪
 柴又界隈まで来たら、もうひとつ見ておかねばならないのが、矢切の渡し。細川たかしの歌でも有名な名所です。『野菊の墓』にも登場するらしいけど、小説読んでないし映画も観てないや。松田聖子あまり好きじゃなかったから。
 柴又駅前から矢切の渡しへ、先程行った帝釈天へ戻るように歩を進めると、小山隊長がニヤニヤしながら囁く。
「おかもっちゃん、ずろーすだって」
 さすがは小山レーダー。街に散らばっている妖しげなワードへの反応が早い。”ずろーす”なんて、ぼくの幼少時代でもすでに死語で、実物を見たこともない。さりげなく店内をのぞくと、ずろーすをはじめ、赤い下着が陳列されている。そういえばTVで赤い下着は幸運を呼ぶとか言ってたっけ。
「隊長、みおにお土産に買って帰れば?」
「そんなもん買って帰ったら、口きいてくれなくなっちゃうよ」
 さすがの隊長もお年頃に成長した娘には分が悪いのか。

ばばしゃつ、ずろーす・・・時代は廻るからそろそろブームかも?
 今度は帝釈天の外側を歩く。ここでもいち早く小山レーダーが反応。帝釈天の石柵には、おそらく寄付したであろう人の名前が刻まれている。そこに『巨人軍 王貞治』の文字が。すげぇ。こうなると一同、知ってる名前はないか我先に探し出す。『元横綱柏戸 鏡山剛』や『鏡山部屋力士一同』なんてのもあったけど、帝釈天といったらやっぱりこの人。寅さんこと『渥美清』の名は燦々と輝いている。同じ石柵にはさくらこと『倍賞千恵子』。にくい演出。隣の『三崎千恵子』はおばちゃん役。『春風亭柳昇』の名前も刻まれている。一通り見たけど、この一角が一番豪華かな。

王さんはあるけど、長嶋さんはなかったかな

渥美清と倍賞千恵子が同じ石柵。感慨深いものがある。
 柴又スポーツ公園の端にひっそりたたずむ矢切の渡し。江戸川の向こうは千葉県ということで、かつての交通の要所だったそうで。矢切の渡しにたどり着く手前に、いろんな石碑が建てられている。どれも由緒正しきものなのかもしれないけど、「あっ、これっ!」って思うのは、細川たかしが歌った『矢切の渡し』の歌碑くらい。
「区長が建てたがるんだよね。自分の名前を残すことができるから」
 小山隊長の豆知識、いただきました。
 さて、矢切の渡しを渡りましょうか・・・と思ったら、おじちゃんが入り口にロープをかけていた。営業は17:00までだとか。うむむ、残念。渡ろうと思ってたのに、すんでのところでタイムアップとは。

『矢切の渡し』の歌碑。てかってて見づらいか

17:00までの矢切の渡し
X.あとは呑むべし
 ひととおり予定を済ませ、足取り軽やかに京成高砂駅方面へ。なにせあとは呑むだけなのだ。酔っ払っちゃって大丈夫なのだ。店はすでに決めてある。『トリス酒場』というお店。
 店に入ると長いカウンターがど〜んとあって、”酒場”って感じがまさにぴったりでいい感じ。タイムサービスでハイボールがなんと150円。こいつはとてもいい酒場だ。ハイボールだけでなく、焼酎もいろいろ揃っている。つまみも豊富で楽しめる。個人的にはキーマカレーが旨かった。近所にあったら通っちゃいそう。

トリス酒場でハイボール。みんなにっこり
 なんの話をしただろうか、今となっては定かではないが、昔話から現在の話まで、大いに語らい、大いに笑ったような。毎度のことながら、くや探メンバーは楽しいのだ。
 京成高砂から電車で日本橋まで移動。するとホームでSAYUKIが踊りだす。ご亭主・Kibunに言われた一言を吹き飛ばすオリジナルダンス『ごくつぶし音頭』。専業主婦の思いの丈が詰まった、ナイスな踊り。寅さんまつりのやぐらの上で披露したいくらい。
 電車に乗ってたら、押上、浅草、浅草橋で大量の浴衣女性が乗ってきた。ちょうど隅田川の花火大会が終わったところだったそうな。花火は見れなかったけど、たくさんの浴衣女性を見ることができたのは、とてもよい目の保養に。
 日本橋で入った飲み屋では小山隊長が突然歌いだす。『しゃっくりを止めて〜Please stop hiccuping〜』。それに併せてぼくもロックステディ調のウラ打ちしゃっくり。なんだかくや探、ミュージカル化しているような。

踊るSAYUKIと歌う小山隊長&naoto-ok
 それにしても楽しいメンツの楽しい散策だった。「いいオトナが・・・」と言われそうだけど、いいオトナだから思いっきり楽しめるということで。
 ちなみに『ごくつぶし音頭』と『しゃっくりを止めて〜Please stop hiccuping〜』は11郎が動画を録画していて、見返すと一層笑えます。シラフで見ると「なんてアホな・・・」で、そばにいたら他人を装ってしまいそうです。でも、『ごくつぶし音頭』はSAYUKIのCuteさがにじみ出ていてGood!『しゃっくりを止めて〜Please stop hiccuping〜』は、ぼくのしゃっくりが隊長のメインボーカルよりも大きくて歌を台無しにしている・・・。反省し、次回は聴きやすいアンサンブルを奏でられるよう精進します。

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