下山は膝が笑ってる


その1 そろそろ行きますか。

 登山客で賑わう測候所付近を離れ、火口付近で休んでいたのだが、帰りの時間を考慮して出発することに。
「1時間あれば降りれるでしょ。」
 小山隊長の言葉で、一同歩き出す。おかあさんも先に下山した娘達が気になるみたい。
 9.5号目まではキャタ運搬路を降りたので、道は滑らか。
「下山は楽勝!!」
 9.5号目で小山隊長が先に下りているMackyとKunnyのフォローのために速度を増し、便意をもようしているYasがそれに続いた。残った5人はマイペースで下山していたのだが・・・。
「あぁ〜」
「うぇっ」
 一歩ごとに声が出て、身体が左右に大きく揺れる。登りは暗くて気づかなかったが、登山道は狭くて急で、しかも石がごろごろしている。足を踏み出すたびに全体重が足にかかるのだが、膝が笑ってしまって支えられない。
「これ、登りよりつらいよ」
 ウリ坊がつぶやく。ENOに登りの時の余裕はなく、おかあさん、じつよちゃんの足取りも重かった。当然ぼくもへとへとよろよろで、前出の声はほとんどぼくが発していた。
 ふと誰かが後方を見返った。
「えっ?こんなとこ登ったの?」
 降りてきた道を見上げると、そこにはけたたましい急崖が。一同唖然。
「暗くて見えなかったから登れたけど、明るかったら絶対途中であきらめてたね」
 おかあさんのお言葉に、一同うなずく。
 ぼくらのそんな思いをよそに、下からは新たなる挑戦者達が山頂目指して歩を進める。
 いったいどれほど歩いただろうか、歩いても歩いても山道は続き、小山隊長のいう1時間はあっという間に過ぎてしまった。
「まだかよーっ」


その2 かなりはしょった文章ですが。

 結局下山には3時間ばかりかかってしまった。ふらふら。6号目の山小屋から駐車場まではたいした距離じゃなく、先発隊が待っていると知りながらも、ついつい20分ほど休憩。ここで飲んだラムネはうまかった。あっ、ウリ坊に金返していない。
 駐車場に戻ると、先発隊はすっかりくつろぎモード。1時間前に到着していたらしい。
「Yasさん、降りるのめちゃくちゃ早かったよね。よっぽどつらかったの?」
「いや、結局降りてきたらおさまっちゃって。」
「そうだよね、ぼくも結局おさまっちゃったし。」
 Yasとウリ坊の会話から察するに、高山病の症状のひとつとして、突発性排便症候群というものがあるらしい。
 一同、飯にするか風呂にするか協議の結果、先に風呂に入ることに。近くの温泉へ言ったんだけど、名前を忘れてしまった。隊員の皆さん、覚えていたら、教えてください。
 で、その温泉が狭いくせにめちゃくちゃ込んでいて、ゆっくり入っていられない。長湯で有名なぼくも、その混雑さにさすがに耐え切れなくなり、早あがりしてしまった。
 昼食は足柄SAの不二家で。デザートにたぶん今年最後になるであろうフラッペを食べたら、ほかの隊員にあきれられてしまった。おいしいのに・・・。


その3 次回予告

 昼食時、次回の活動を発表。次回は体育の日あたりの連休にさんま焼きキャンプをすることに決定。去年台風の来襲で中止になった企画で、この秋のくや探はリベンジ特集なのだ。
 とか何とかかいてるけれど、この文章書いているときはすでにさんま焼きキャンプ終わってるんだけどね。
 あーっ、原稿がたまっていく。
 誰かぼくの代わりに執筆してくれぃ。

  5合目までは車で 
 山頂までは四苦八苦
 ここが日本の最高峰
 下山は膝が笑ってる

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