2001年に観た舞台関係は29本。新鮮な驚きも感じたし、老舗の老練さも味わえた1年だったと思う。観た作品の中から勝手に各賞を決めてみました。選出理由はその下に書いているので、読んでみてちょうだい。 地元劇団の芝居を多く観ようと心には思っているのだが、1本観るとちょっと挫折感を感じてしまい、後が続かない。観つづければ面白い劇団も発掘できるんだろうけどなぁ。 |
2001年最優秀作品賞
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2001年最優秀作品を決めるのにノミネートしたのは以下の5作品。 鳥肌実 「玉砕演説」 劇団☆新感線 「野獣郎見参〜Beast is Red〜」 「まちがいの狂言」 演劇集団キャラメルボックス 「風を継ぐ者」 「バッド・ニュース☆グッド・タイミング」 どれも面白い。作風がそれぞれ異なり甲乙つけがたいところだった。とくに鳥肌実とのファーストコンタクトは強烈だった。こんなことやっていいの?刺されないの?思わずその身を案じてしまうほど。ただ、あまりにも異端すぎるのと世の人全てには決してお薦めできないところで今回は選出しなかった。最後まで「野獣郎見参〜Beast is Red〜」とあらそったのが「バッド・ニュース☆グッド・タイミング」。抱腹絶倒のシチュエーションコメディで、限られた場所・限られた時間・限られた人による、「野獣郎見参〜Beast is Red〜」とはホント対角上に位置する作品。とても悩んだのだが、2001年は歌にアクションにと盛りだくさんの「野獣郎見参〜Beast is Red〜」を最優秀作品に選んだのだ。 最優秀演出賞のいのうえひでのりも結構悩んだ。三谷幸喜(「バッド・ニュース☆グッド・タイミング」)、野村萬斎(「まちがいの狂言」)、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(「ノーアート・ノーライフ」)との4名で悩んだんだけど、「野獣郎見参〜Beast is Red〜」「大江戸ロケット」「直撃!ドラゴンロック3 轟天対エイリアン」とコンスタントに作品を発表したこと、大仕掛け・映像の使い方が上手かったことを評価した。でも、ほとんど横一線。 最優秀主演男優賞は鳥肌実。なにせ先にも書いたけどこの衝撃は2001年No.1。「玉砕演説」で圧倒されたあとの「個人演説会」でかなりポテンシャルが落ちていたけど、捨て身の芸風に賛辞を送りたい。2002年3月にまた新潟へくるというので、真価の程を見極めよう。対抗は堤真一(「野獣郎見参〜Beast is Red〜」「贋作・桜の森の満開の下」)。大舞台に連続登場だったが、鳥肌実のインパクトには及ばず。 最優秀主演女優賞は白石加代子。もうこれは圧倒的です。ただの朗読劇かと思った「百物語」での変幻自在の演技は感動もの。大掛かりな仕掛けも、オーバーなアクションも、というか速い動きは全然ない。なのに魅了され、引き込まれていく。すごい女優だ。 最優秀助演男優賞も迷うことなく古田新太。もはや彼ナシでは今の演劇界を語ることはできないのではないか。「野獣郎見参〜Beast is Red〜」「贋作・桜の森の満開の下」「大江戸ロケット」と3本を通じてシリアスも笑いもアクションも秀でたところを見せ付けていたのだ。 最優秀助演女優賞はさんざん考えた末、該当者なし。候補には深津絵里(「贋作・桜の森の満開の下」)、奥菜恵(「大江戸ロケット」)、キャラメルボックスの女優陣が思い浮かんだけれど、強く推すまでには至らず。 最優秀脚本賞は三谷幸喜。脚本だけで観客の心を掴み、話さない術を持っているのは彼だけではないだろうか。確かに彼以外の作家の作品も読みものとしての面白さを持ち合わせて入るだろうけど、彼のはず抜けている。 そして特別賞として「笑点」公開録画を表彰するのだ。言葉遊びの好きなぼくは、ドリフよりも笑点の方が笑いの教科書だったのだ。三波伸介が司会で歌丸vs小円遊が観れた頃からは笑いが変わってきたとはいえ、ナマで観た大喜利は面白かった。そして、昭和のいる・こいる、テツ&トモとぼくの好きな2組も観れたし、その功労を称えるしかないでしょ。 2002年は諸般の事情で観劇回数が、というか上京しての観劇が減るだろうけど、その分地元劇団を・・・。毎年年頭にはそう誓うんだけど、なかなかどうしてなんだよなぁ。 |
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