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まずはさんま焼き




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10月5日金曜日、朝

 いよいよ明日からくや探釣りバトルである。今晩は遅くまで残業となりそうだから、仕事が終わったらそのまま高速に乗り、関東方面へ旅立とう。そろそろ荷物を積み込んで出社するかな・・・。そう思ったとき、携帯からスター・ウォーズのテーマが。
「小山です〜。まだ家にいるの?明日さぁ、みおが行くって言い出して。どうしようか・・・」
 当初予定は小山隊長・ぼく・SAYUKI・Kibun・Yas・Keiの6名が参加。釣り舟はおそらく定員2名だろうから、偶数でちょうどいいか。車の台数を減らすためにも、6日朝小山宅によって、小山さんを拾って行こう。今回は宿に泊まりだから、車に積む荷物も少なくていいしね。そう思っていたのが、かなり狂うぞ。1名のために舟を新たに借りるのももったいないし・・・。My舟を積んで行こうか・・・。でも、今から舟を積み始めたら、会社に遅刻だぞ。
 結局残業分の仕事は休み明けに頑張ることとして、そこそこで帰宅して舟を積み込んでから出発することに。午後7時に帰宅してせっせと積み込み。シャワーを浴びて一息ついてから夜の高速へ。雨が降っていたんだけど、渋滞などの遮るものはなく、午前1時に外環のPAに到着。とりあえず仮眠することに。

10月6日土曜日、朝

「2年前さんま焼きやったとき、高速すごい混んだじゃない。だから今年は早めに行こうよ。朝5時から6時の間に迎えに来てよ。早い分には何ぼでもOKだけどね」
 当初そう話していたので、朝5時に小山隊長の携帯に電話し、小山宅へ向かう。ところがすっかり忘れてた。みおがいるんだった。起きてるかなぁ・・・。早すぎたかなぁ・・・。申し訳程度に小山宅すぐ近くのコンビニで時間を費やして小山宅へ。心配とはうら腹に、ちょっと眠たげながらも準備万端の小山親子が登場したのであった。
 小山親子の荷物をワゴンRに積み込んで出発。10時市原PA集合にはかなり早い出発となったのだ。
 恐れていた高速道の渋滞も大してなく、ぼくらは順調に千葉へと入る。
「このままだとすごく早く着いてしまうなぁ。SAYUKIに電話して「早めに着て欲しい」と伝えると、
「病院によってから行くので、時間どおりでお願いします」
とのこと。「SAYUKI、持病が再発したのかなぁ」などと心配したりして。
 8時に市原PAに到着したんだけど、あと2時間もぼーっと待っているのはちょっと・・・ということで、暇つぶしをしながら先へ進むこととする。


富津岬の貝殻娘

 何処かで暇つぶしをしながら先へ進む。いかにも漠然とした考え方で、一体何をしたら良いのか思いつかないまま、小山隊長・ぼく・みおはとりあえず富津岬へ向かった。どうして富津岬なのか。それは近かったから。
 富津岬に着くと、堤防沿いに人がズラリと並んでいる。何をしているというのか。自衛隊の巡洋艦がインド洋にでも出発するというのか。一番不思議だったのは三脚に据え付けられていたもの。カメラかと思いきや、どれもこれもが双眼鏡。この集団の謎を探るべく、意を決して中年男性に声をかけて聞いてみると、
「鷹の渡りを待っているんですよ」
とのこと。この時期富津岬にはバードウォッチング愛好家が集まるそうだ。知らなかった。
 せっかく来たのだから、海岸線を歩いてみることに。残念ながらお世辞にもきれいな海岸線とはいえない。あちこちにゴミが散乱し、打ち上げられたヒトデや貝殻とごちゃごちゃになっている。せっかくの海なのに・・・。それにしても小山隊長・みお親子は仲が良い。干からびたクラゲで円盤投げをしてみたり、貝殻を拾ってはその貝の名前を教えたり。そういえば市原PAではふたり鬼ごっこをしていたっけ。
 ただぼーっと歩いていただけなんだけど、みおは大小さまざまな貝殻を拾い集め、すっかりご満悦。みおの貝殻の嗜好はなかなか難しく、ぼくが拾ってあげる貝殻はみおのお眼鏡にはかなわないようで。

作戦?それとも・・・

 富津岬で暇つぶしをし、房総半島を南下。SAYUKI&Kibunが追いつくまでにはまだまだ時間がありそう。そこで小山隊長・ぼく・みおは次なる時間つぶしの場を模索・検討することに。
「房総といえば鋸山か東京湾観音かなぁ」
「両方行くと遅れそうだね」
「鋸山はロープウェーに乗ったほうがいいかなぁ」
などと検討しているところでSAYUKIからTel。病院が思いのほか早く終わり、もう木更津まで来ているとか。となると鋸山に登っている余裕はないかと、保田駅で待ち合わせすることに。駅に隣接するスーパーに車を停め、レガシーの登場を待っていると、SAYUKIがとぼとぼ歩いてくる。
「お待たせ〜。かなり歩いたから疲れたよ」
 一同目を疑う。今回の企画に一番執念を燃やしているはずの釣り部長・Kibunの姿が見当たらない。
「Kibunねぇ、体調悪いってこれから行く浜辺に車停めて寝てるんだ。しょうがないからここまで歩いてきたよ」
 徒歩で20分位の距離をSAYUKIは一人で歩いてきたそうだ。電話くれれば迎えに行ったのに。
「ってことは、今朝行った病院ってSAYUKIじゃなくてKibunなの?」
「そうそう。ちょっと聞いてよ。昨日から40℃も熱があったのよ。なのに『俺が行かなきゃバトルは始まらない』とか言っちゃって、無理して仕掛けなんか作るんだもん。今朝も38℃だったんだけど、病院で注射打ってもらって来たってわけ」
 おそるべき釣り部長の執念。今回の釣りバトル、優勝者にはくや探釣り名人の称号が与えられることになっている。もしそこで敗退するようなことがあれば、釣り部長の要職にありながらも「そんなに上手いわけではない」というレッテルを貼られてしまうこととなる。Kibunのプライドがかかった企画というわけだ。
「欠席は負けと同じだもんね」
 くや探は意外と弱肉強食・下克上の団体なのだ。
「そういえば前にもこんなことあったよね。富士山に登る前に、みんな寝不足だの痛風だの腰が痛いのって言い訳はじめたじゃない
 さすが隊長。そういえばそうだった。あの時はみんな失敗したときの予防線を最初から張っていたもんね。
「もしかしたら絶対勝てる仕掛け作りに没頭するあまり、知恵熱が出たんじゃないの?」
 くや探はその場にいない人に冷たい団体でもある。

イカ・タコ・ベーコン

 スーパーで昼飯の買出し。今回の昼飯はなんといってもさんま焼き。くや探にしては珍しく、冬でもないのに宿に泊まる予定なので、さんま焼きを昼飯に持ってきたわけ。さんまは当然遠赤外線炭火焼き。よって、一緒にバーベキューもやってしまおうと、あれこれ食材を探す。
「みお、何焼いて食べたい?」
 さんまと一緒に炭で焼くものの希望をみおに聞いてみると、
「みお、バーベキューあんまり好きじゃないから食べない」
と素っ気ない返事。
「じゃぁ、みおの好きなものは何?」
「みお、好きなもの別にないから」
 買い物カゴを前に思案に暮れていると、小山隊長が助け舟。
「みお、タコとかイカ好きだろ」
って、それはただただ小山さんの好物ではないか。
「あとベーコンなっ。なんか去年の裏磐梯キャンプでベーコン食べてから、『ベーコン、ベーコン』ってうるさいんだよ」
「えっ?うり坊お手製のベーコン食べてベーコン好きになったの?」
 くや探の料理が人の嗜好に大きな影響を与えるなんて・・・。みおがベーコンの虜になったとなると、さとしも『トロピカルういろう』にぞっこんかも・・・。それはないか。
「でもね、みお、ベーコン作ったうり坊って人、誰だかよくわからないの」
 なんと、みおは自分の味覚に多大なる影響を与えた男を覚えていないとは・・・。顔は知らずとも味だけは覚えている。そんなに美味だったか、あのベーコン。
「うり坊ってサルみたいな顔したやついたでしょ」
「あっ、わかった」
 きっとみおはあの日のベーコンを『サルのベーコン』として後世に語り継ぐことであろう。
 とりあえずタコとベーコンを買い物カゴに入れる。あとは焼いておいしそうなものを適当に・・・何を買ったかは忘れてしまった。 
 焼き物だけではバランスが悪いと、SAYUKIが汁物を作ってくれることに。長芋をすった団子の入ったとろろ汁だとか。早速メインの長芋を探す。が、長芋はスーパーに置いておらず、形の似ている大和芋を代用に使うことにする。
後はビールをカゴに入れ買い物終了。みんな満足げな表情でKibunの寝て待つ海岸へと向かったのだった。


そして本番、さんま焼き

 今日の会場であり、明日の釣りバトルの漁場・元名浜に到着すると、Kibunがレガシーの中でぐったりしていた。ホントだったんだ・・・。
 Kibunはそのままそっとしてあげることにし、設営&調理開始。今回はキャンプではないので、テント設営がない分早く終わる。
「なんだか楽でいいね」
 設営箇所からは今朝登りそこねた鋸山が見える。そしてその右手前に見える白い斜面。これは数年前に小山隊長とうり坊が調査を行い、設計・施工がなされたトンネル坑口の斜面対策ではないか。
「なんか照れるね。それにしてもあそこだけ真っ白だとかなり違和感があるよね」
 なんだか小山隊長のお仕事お披露目会的様相を呈してたりして。
 設営が済むと早速小山隊長がさんま焼き用の炭起こしを始める。それにしても小山隊長の帽子と体型、どこから見ても私服の笑うセールスマンではないか。
ひと休みの女性陣 喪黒腹三の休日
 調理を始める小山隊長とSAYUKIをよそに、ぼくとみおは手持ち無沙汰。
「ねえねえ、なんか手伝うことある?」
「じゃあ、野菜を洗ってよ」
「了解」
 ぼくはSAYUKIの指示によりとろろ汁の具となる野菜を洗い、SAYUKIに渡す。SAYUKIはそれを食べやすい大きさに切っていく。野菜の名称はわからないが、青菜に包丁を入れたSAYUKIが叫ぶ。
「おかもっちゃん、もっとちゃんと洗ってよ!」
「えっ?洗ったよ」
「だって、虫がいっぱいついてるよ!」
 疑心暗鬼で青菜を見ると、根元付近に小さい虫が。青菜を洗うときに葉っぱを一枚一枚はがさないで表面だけ洗っていたため、根元付近に水が行き届かなかったようだ。
「ちゃんとやってください」
 調理助手をしていたみおにまで怒られる始末。とほほ・・・。
 テーブルにすべての料理が並ぶ前から、炭火で焼けた物を随時食べ、ビールを飲んだりしているうちに調理は佳境へ。ここでSAYUKIが声を上げる。
「とろろ汁がドロドロになっちゃった」
 みんなあわてて鍋を覗くと、団子になるはずの大和芋が形を崩しドロドロに。粘り気が強かったので、汁全体も高粘性。大和芋は山芋を品質改良したものだから(あとで調べた)、長芋の代用には無理だったか。そういえば、長芋と山芋の関係って・・・わからん。
さんま&たこ焼き とろろ?どろろ?汁 手羽先もあった
 とろろ汁にハプニングがあったものの、味はGood。SAYUKIもひと安心した模様で、ゆったりとした午後のひとときを過ごす。DownしていたKibunもわずかではあるが回復の兆しを見せてきたようだ。みおは暇つぶしに噴霧器で砂浜にお絵描き。その大きさはジャイアント馬場なみの2m03cm。この絵が夜の大爆笑を予知していたのかも・・・。


シルバーズ3人と若手(?)・・・あくまで相対的
DownするKibun
みおのお絵描き2m03cm
 天気も良く、空から降る陽射しが海に反射して光る。海が白っぽく見え、空との境がわからなくなる。この空と海は明日の釣りバトルをどのように演出してくれるのだろうか。



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