artな戯れ言'04-上半期


このページではartな戯れ言を集めて掲載しています。



奥田民生「okuda tamio OT10」を観る(04.6.23)

 奥田民生がソロデビュー10周年を迎えたという。あれから10年もたったのか・・・。ぼく自身も歳をとったものだと感慨深くなってしまう。
 奥田民生はぼくのひとつ歳上なので、勝手にではあるがとても身近に感じている。ユニコーンの頃のがんばりかたも、ソロになってからの力の抜きかたも、とてもお手本になっている。今回のツアーも「かっこつけない」と公言しながら、きばらないでゆるゆると思わせながらも、かっこいいのだ。
 元オリックスの星野のような、緩急をつけたラインナップ。ピッキングベースのタテノリはなくても、泣かせるためのスローバラードもないものの、まったりとした緩いリズムの民生節を聴かせておいて、要所に爽快感漂うアップテンポをズバっ。力を抜いた大人の観せ方にすっかりやられまくり。
 ソロデビュー10周年を記念して作ったごちゃ混ぜソング『人ばっか』で往年の名曲のフレーズを堪能させたあとの決め球はもちろん『イージュー☆ライダー』。その後も畳み掛けるように『サウンドオブミュージック』から『まんをじして』へ。たまらんって。
 脇を固めるDr.StrangeLoveのかっこよさ、しーたか・斉藤ユータの味もあいまって、民生らしさ全開のLiveだったのだ。
 いつもどおり会場は女の子でいっぱいだけど、何度も言うけどヤローに堪能して欲しい、そんな民生なのでした。


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「下妻物語」を観る(04.6.17)

 予想をはるかに上回る面白さだった。なんだろう。物語全体を振り返ると・・・たいしてなぁ・・・って感じなんだけど、全編大笑いの連続。笑いがふんだんに散りばめられていて、面白いったりゃありゃしない。きっと構成力の勝利なんだろう。結構ベタな物語もスタイリッシュな映像と構成でベタ自体を笑いに変えている。これはホント面白い。
 ロリータファッションに包まれた桃子・深田恭子もベタ。特攻服姿のイチゴ・土屋アンナもベタ。でも、桃子のクールな幼少期とイチゴの内気な中学生時代がギャップとしてとても効いていて、ベタを倍加して面白くしてくれる。とくに土屋アンナのかわいさはとてもよい。どんな設定でも衣装でも見事にこなしてしまう。あの変幻ぶりはクラっときちゃいそう。でも、できちゃった結婚したんだよな、つい先日。
 脇を固める面々もそれぞれのポジションで存分に力を発揮していて、『とりあえず出ている』のではなく、『とりあえず笑わす』。よくできている。
 ホント、おすすめです。今年は邦画が面白いっ!


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「BEST OF CYNDI LAUPER CONCERT」を観る(04.6.13)

 昨日、『世界の中心で〜』の感想で、淡く素敵な恋の想い出も、つらく切ない別れもない高校時代と書いたけど、今でもある曲を聴くと胸がしめつけられるような想い出がひとつだけありまして。どんな想い出かはさておいて、その曲というのがシンディ・ローパーの『Time After Time』なのだ。なんの因果か、ほろほろモードのこんな時に、8年ぶりに彼女の来日コンサートを観にいくだなんて。
 ピアノのスローな独奏の中で登場した彼女は、のっけからMAXの声を出して聴衆を圧倒する。メリハリのある静けさを堪能させた後は、アップテンポとともに裸足になってステージを駆け回った後で客席に下りて通路で熱唱。みんなが唖然とするばかり。聴衆は一気にかつ一様にヒートアップするでしょ。そこまでやられちゃ。
 あとは彼女の独壇場。本当に五十代?と誰もが疑うような声と動き。客席に下りて歌うこと計3回、ピアノの上に乗ること2回。ぼくらの心を揺らすこと数え切れず。
 『ベスト・オブ〜』と名乗るとおり、名曲の数々を網羅し、一気に駆け抜けた90分。ツアー初日のため、バンドと息が合わず「チョットマッテクダサ〜イ」「スミマセ〜ン」「first time」と言うお茶目なところもあったけど、彼女の人の好さが全面に滲み出た素敵なコンサートだった。
 客層もぼくとご同輩の人が多かったので、きっとみんな『Time After Time』は胸をきゅ〜っとさせて聴いていたに違いない。


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「世界の中心で、愛をさけぶ」を観る(04.6.12)

 やはりぼくは汚れちまったみたいだ。明らかに朔太郎に嫉妬している。淡く素敵な恋の想い出も、つらく切ない別れもぼくの高校時代にはなかったからか。どちらかというとヤローがつるんで悪ふざけする『木更津キャッツアイ』的青春を送ってきたから、うらやましくてたまらないというのか・・・。
 そんな嫉妬心を持ちながらも、どうしてだろうか朔太郎に感情移入しまくりだった。決して重なるような青春の想い出はなくても、胸が締め付けられる感じや、失うことに対する痛みがぼく自身に生まれている。そして、自然に涙していたのだ。←きゃーっ!
 そりゃずるいよってところや、先の読めるところは多々あるけれど、冷静に考えている自分とは裏腹に、感情が動かされていたからか、すんなり飲み込むことができた。きっとうるさ型の自称・恋愛評論家にはつっ込みどころが満載なんだろうけど、ぼくは感情で動いてしまう人間なもんで。
 萩原朔太郎が好きで息子に朔太郎と名付けた父が一度も登場しなかったことに、また違うエピソードと朔太郎の心のひだがあったのかなと、勝手に想像したりして。なにせ小説読んでないから。
 シゲじいの一言、「生きてる人間にできるのは後片付けだけだ」は、ぼくの胸にすごく響いたのだった。


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「キューティーハニー」を観る(04.6.5)

 サトエリのファンというわけではない。むしろあまり好きではないくらい。秋夏子役の市川実日子の方が好き。映画ではいろんなスタイルのサトエリ・ハニーを観ることができたが、やはりピンとこない。ひとつを除いては。ピンクと黒のコスチュームを身にまとったキューティーハニー姿の彼女以外は。あのハニーを観るだけで、ぼくにとってはこの映画を観た価値があるというもの。ピンクの髪にあのコスチュームのハニー。最高です。
 いや、楽しかったよ、映画の方も。でも今回は映画なんてどうでもいいくらいの勢いで書き連ねるのだ。
 『キューティーハニー』で初めて性をなんとなくも意識した人って多いはず。小学校低学年だったぼくにハニーはあまりにも衝撃的だった。萌えるという感じはまさにハニーによってもたらされたと言っても過言ではない。当時土曜の8時枠といえばは『8時だよ!全員集合』が大人気だったけど、ぼくは頑なにウラ番組の『人造人間キカイダー』と『キューティーハニー』を見続けていたのだ。おかげで週明けの教室の話題にはついていけなかったけど。
 言ってしまえばぼくにとって如月ハニー=キューティーハニーは憧れの女性。幼馴染の女の子にも幼稚園の先生にも抱かなかった幼く青い意識を抱かせてくれた大切な女性。
 ハニーの明るさ、ハニーのけなげさ。明るさを表した軽快なオープニングと一転して、けなげさと憂いを歌ったエンディング『夜霧のハニー』(注意:エンディングは再放送から流れたけど)。子供心にこの二面性には心をぎゅっとつかまれたのよ。シカオくん風に言うと「ぼくの心の柔らかい場所をいまでもまだしめつける〜♪」なのだ。
 残念ながらサトエリにぼくがときめいたハニーをダブらせることはできなかったけど、あのコスチュームのときだけはかなり近づいていたかな。ただ、ピンクのコスチュームの下に肌色のタイツっぽいの着てるのよ。その縫い目やしわが目に付いちゃって。できれば素肌がよかったな。


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「レディ・キラーズ」を観る(04.6.4)

 今年2本目のコーエン兄弟作品です。次はオスカー俳優トム・ハンクスをフューチャーです。だからって、トム・ハンクスに作品が染まるのではなく、コーエン兄弟得意の洒落た笑いが満載です。
 とにかくセンスがいいのです。映像も、音楽も。しかもただセンスをひけらかしているだけじゃなく、そのセンスがきちんと伏線になっているんだから、悔しいったらありゃしない。大きな仕掛けがあるわけでもなく、CGを駆使した大作でもないけれど、このセンスは絶対に真似できない。悔しい。
 今回はオリジナル脚本ではなく、『マダムと泥棒』というイギリス映画のリメイクなんだけど、全編コーエン兄弟色に染め直されています。もう、それが痛快です。
 大爆笑はないかもしれません。でも、口元が下がることはないでしょう。それくらい、全編に洒落た笑いが詰まってます。
 もしかしたら万民にうける作品じゃないかもしれないけれど、ぼくにはたまらない作品でした。
 あのセンス、ぼくにも少し分けておくれ!


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「ビッグ・フィッシュ」を観る(04.5.21)

 ティム・バートン、やってくれるよなぁ。たいして大きな事件もなく、お父さんの作り話が回想風に語られるだけで、息子がその話を受け入れるだけで、あんなにも素敵な映画を撮っちまうんだもん。それはホラーでもヒーローでもなく、お父さんの人生にほんのちょっとイロをつけただけの作り話なのに、息子があきれてしまった話なのに。
 真実をありのままに伝えることが幸せとは限らない。知らぬが仏という言葉は現代社会にしかと通用している。でも、どうせなら楽しい話のほうが、ちょっとだけ脚色し面白くすることで、聞き手に夢を持たせることができるのならば、それは決して悪い嘘なんかじゃない。
 家族をとても愛しているのに出張が多くなかなか会えないお父さんが、最愛の息子に語る話は、数少ない会える時間に自分のことと自分の愛情をすべて伝えきるための、とっても素敵な話だったんだ。
 お父さんの話の面白さと、そこに込められた息子への愛情を、楽しんで観てください。
 ぼくもこれからも愛情のこもった素敵な嘘で、周りに夢と笑顔を与えることができたなら・・・って、考えちゃった。最愛の息子の心に残る話のひとつもできなかったヤツの分もね。


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TEAM-NACS 第10回公演
「LOOSER〜失い続けていくアルバム」を観る(04.5.15)

 TEAM-NACSって知ってる?北海道で大人気の演劇集団。彼らがテレビやラジオに出ていない日はない。大泉洋は?札幌地方局制作バラエティ「水曜どうでしょう」でにわか全国区となり、「千と千尋の神隠し」で声優デビューし、スターダスト☆レビューとのコラボ「本日のスープ」をリリースした、北海道で一番人気のあるタレント。そんな大泉洋の所属するTEAM-NACSが初めての東京公演を行ったのだ。
 3日間4公演。地方劇団初の東京公演なんで知名度も低いだろうとタカをくくってチケット発売日を迎えたら、電話がまるでつながらないままSOLD OUT。な、な、なんてこった。観るのを諦めようかとも思ったんだけど、当日券が開演2時間前から発売になるというので、土曜日にしては珍しく早起きしてサンシャイン劇場へ。
 JR池袋駅からサンシャイン劇場へ向かう途中、東急ハンズ前の交差点で、お世辞にもきれいといえない集団が前にいた。最前列のプロのカメラマンらしき人が後方にカメラを向けたんだけど、ぼくの位置がフレームに入っていたので、横の方に避けて何気に彼らを見ると・・・TEAM-NACS。ちょうど劇場入りするところだったのだ。なんたる偶然。そうとわかればフレームの中に入っておけばよかった。
 10:00AM、劇場前に着くと長蛇長蛇のすごい列。「昼の部のチケットはもう完売の見込み」といわれる。なんだ?この人気は。「夜の部はまだ何とかなるのでは」とのことなので、しばし悩んだ末に列の末尾につくことに。それから劇場前の廊下に座り込むこと6時間。劇場の人のカウントによると、確実に劇場に入れるのはぼくの後ろ5人まで。あぶね〜。それでもちょっとの可能性を信じて並び続ける人が20人以上。チケットはまさにプラチナもの。おお〜っ。
 やっと内容。とても心配だった。だって、関東の人にはテレビバラエティのTEAM-NACSの印象がほとんどのわけで、DVD化されている唯一の芝居も作・演出は彼らのものではない。東京の客は演劇に関してはめちゃくちゃ目が肥えている人が多いから、彼らに耐えられるモノができているか・・・。
 ごめんなさい。ぼくの杞憂でした・・・って、これじゃ「クラウディア」と同じ流れの文章じゃないか。目標もなく日々を過ごしていた三十路男が、夢で幕末を体験することにより、そこに生きる同世代の男たちの、それぞれに日本を憂いて奮闘する姿を見て、自分になにができるのかを問いかけていく物語。数多くの志士たちをTEAM-NACSの5人が演じ分けていくという演出。関東の人にもとっつきやすいように「水曜どうでしょう」のキャラを登場させるサービスもあるんだけど、それが長すぎることはなく、媚びることもなく、頼ることなく利用できている。それよりなにより脚本が面白く、メンバー一人一人の個性がしっかりと立っている。笑いながらも胸を打たれるよい出来。おみそれしました、リーダー・森崎。
 個人的には安田顕の怪優ぶりに目をひかれたのであります。
 サンシャインに入ってから終演まで10時間半。快晴の日曜日にビルの中で座りっぱなしは尻・腰にはつらかったけど、並ぶことの楽しさと面白い舞台が尻・腰の痛みをずべて吹き飛ばしてくれたのだった。
 TEAM-NACSよ。また東京公演をやっておくれ。できればもうちょっと大きい小屋とか長い期間でチケットに余裕を持たせてくれれば、なおうれしいんだけど。


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地球ゴージャス Vol.7
「クラウディア」を観る(04.5.12)

 過去2回、地球ゴージャス公演に対しては厳しいことを書いてしまった。岸谷五朗の脚本が弱いと。もっとがんばって欲しいと。で、今回の公演はアミューズのウルトラCを駆使して「サザン・桑田サウンドを全面にフューチャーしたミュージカル」ときたもんだ。テーマ曲は書き下ろし。大丈夫か?岸谷脚本で持つのか?桑田佳祐の音楽に飲まれてしまわないか?歌いこなせるのか?テーマ曲「FRIENDS」はえらい難しいぞ。
 ごめんなさい。ぼくの杞憂でした。もしかしたら敬愛する桑田サウンドを使いまわせることに対する嫉妬だったかもしれません。岸谷五朗の書き上げた日本に根ざしたミュージカルは、現時点で岸谷五朗の最高傑作となっておりました。
 「きっとこんな選曲なんだろうなぁ」との予想は見事すかされ、イントロが入るたびに「えっ?これっ?」「こうきた?」と驚きばかり。歌っていたのは19曲位でそのほとんどがフルコーラス。「台詞を歌わない」という岸谷の公言どおり、歌詞はすべて原曲のまま。なのに曲が情景を描き出し、感情を語りだす。既成の曲を見事に使いこなしている。
 「歌いこなせるか」という疑問もソロで歌うのはYU-KIと本田美奈子だけに限定し、あとは大人数の勢いで。ちなみにパンフには「僕たち出演者は残念ながら、桑田佳祐さんみたいな個性が際立っているスーパーボーカリストではないわけですよ。だからいま、一人で絶対に歌わせない、という作戦に出ているんですよ。桑田佳祐一人のボーカルだったら、38人で歌えばいいじゃないか、と」と書かれている。作戦成功。
 曲が多くなり台詞が減ったにもかかわらず、作品の奥行きは過去2作より深くなっている。これはきっと、曲で描いた情景や感情が台詞よりもシンプルに伝わったからかな。
 書きたいことはもっともっとあり、きっとこの文章を読む人でこれから観る人は殆どいないだろうから・・・とも思うんだけど、やっぱネタばれにもつながるので自粛します。
 岸谷五朗はさることながら、出演者全員がとてもいい味出してました。感動。
 終演後、日生劇場のロビーには劇中歌となったサザンの曲が順にかけられるという乙なサービスもあったのだ。どの曲が使われたかは秘密です。


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「スクールオブロック」を観る(04.5.7)

 パンクしてます。ダサかっこいいジャック・ブラックと、秘めた才能にあふれる小学生たちがものすごくパンクしてます。物語は予定調和の学園モノなんだけど、彼らが実にパンクしているために、予定調和をも凌駕するような跳び抜けた映画に仕上がってます。
 街のパンクロック野郎が日金欲しさに代用教員になりすまし、エリート小学校で教鞭を振るが、教えるのはロックのみ。生徒たちと組んだバンドで街のバンドバトル大会に出場して、賞金を稼ごうとするが・・・って物語。当然ながら生徒の反発や校長の厳しい目、父兄たちの反対などが立ちふさがって、前途は多難なのですが、ロックの力を信じて・・・って感じで。
 これでも教師を志していたぼくとしては、絆っていうのに弱いわけで、このテの映画にも実に弱いんだけど、あこがれちゃうんだな、絆っていうのに。今の学校がどのような状態なのかはわからないけど。きっと父兄なんかすっげーうるさいのだろうけど。生徒をきちんと一人の人間として尊重し、個々にきちんと向き合えば、絆って生まれるんだよな・・・なんて、感動したりしています。
 生徒一人一人もおざなりではなくきちんと描かれていて、久々にアタリの学園モノです。


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シティボーイズミックスPRESENT
「だめな人の前をメザシを持って移動中」を観る(04.5.5)

 毎年恒例のシティボーイズを観たのだ。今回は盟友・中村有志に加え、松竹芸能の若手・チョップリンを迎えた男ばかりのコント・オンパレード。男ばかりというのが制約になるかと思いきや、逆手に取った面白さだったのだ。
 シティボーイズ得意のシュールなネタ、斉木しげるの存在感が炸裂するネタ、きたろうのいぶし銀の地味さが笑いを誘うネタ、大竹まことの照れながらのボケ。客演の3人も存在感を出しまくる。
 女性がいないことにより、シチュエーションがせまくなってはいるが、シュールな部分が一層増している。中村有志がいたるところで重宝されている。チョップリンにかかる負担も増してはいるが、シティボーイズの面々が上手く拾って笑いにつなげる。全力で駆け抜ける疾走感は薄いが、すり足で掃討作戦的に笑いが忍び寄ってくる。
 大爆笑ではない。即効性があるわけでもない。でも、ボディブローのように笑いが効いてきて、楽しくてどうしようもなくなるLIVE。これがシティボーイズの真骨頂なんだな。


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「恋人はスナイパー劇場版」を観る(04.4.30)

 いやいや、先週・昨日と映画を盛り上げるべく放送された過去の「恋人はスナイパー1&2」観てたら、劇場版が観たくなっちゃってさ。観てきちゃったのさ。テレ朝の思惑に踊らされっぱなしよ。でもしょうがないじゃない。水野美紀がかわいいんだもん。
 「踊る大捜査線」のときは深っちゃんがいたためかそんなにかわいいと思わなかったんだけど、「恋人はスナイパー」の水野美紀は断然かわいい。ヒロインに昇格したからか、はたまた、ぼくが気の強い女性に弱いのか・・・。
 さて、本編の話。前作で逮捕されたホイさんをどうやって登場させるかと思ったら、国の命運を背負った男とは。かなり強引だけど、「キル・ビル」観た後だしOKか。
 西村京太郎の小説に「恋人はスナイパー」の設定をハメ込んで作った脚本のアイデアには脱帽。そんなテありかよ、君塚良一って感じ。展開も面白く、すごく楽しめたんだけど、ラストがちょっと読めすぎ。「踊る」の盟友・本広克行がやってるじゃん。
 冒頭の六本木ヒルズのシーン、よくカットしなかったなぁ。
 早くシリーズの結末を知りたい人は劇場へどうぞ。そうでもない人は、2年くらい待ちましょう。テレ朝でやるだろうから。


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「キル・ビル Vol.2」を観る(04.4.28)

 タランティーノのやることは基本的になんでもOKなのよ、ぼくって。だから自由奔放な前作はニヤけっぱなしだったのだ。そんな「キル・ビル」が続編ではすべての謎を完結させ、しかもラブ・ストーリーになるという。大丈夫か?と思いきや、しっかりまとまっていたぞ。
 でも、「キル・ビル」に関してはやはりストーリーよりも、その画なんだなぁ。タランティーノの気持ちのこもった画。B級映画を髣髴させるセピアの画から始まり、ウェスタン調・香港カンフー系と、タランティーノの想いがこめられまくりの画は、観ているこっちもニヤけっぱなし。「そうきたか」の連発なのだ。
 さすがに前作のインパクトが強すぎたため、それを越えるインパクトこそなかったものの、「キル・ビル」の奔放な世界をきっちりと締めてみせるところに、タランティーノのすごさがあるんだよなぁ。
 好き嫌いの激しくわかれる作品だけど、面白いぞ。


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「CASSHERN」を観る(04.4.26)

 たったひとつの命を捨てて
 生まれ変わった不死身の身体
 鉄の悪魔を叩いて砕く
 キャシャーンがやらねば誰がやる・・・
 待望の「CASSHERN」である。これまで劇場予告やTVCMで観た美しいシーンのひとつひとつが、流れるようにつながっていく。もうそれだけで感動なのだ。確かにほとんどがCG処理を施された映像で、自然光のもたら映像がないのは閉塞感を感じさせるけど、それが「CASSHERN」の世界観に見事にハマっていて、それだけで感動なのだ。
 設定は大正〜昭和初期に思い描いたようなSFの世界。懐かしいけど新しい的に仕上がっていて、日本のSF映画の大命題である安っぽさは感じられない。いや、感じるんだけど、それを逆手に取った世界の構築が、安っぽさも妥当な未来なのだ。ロボットは竜の子プロでもガンダムでもなく、リアリティの薄い故・横山光輝に近い感じ。まったく意表をつかれた。
 とても厚みがあり、深い映画。かなり頭を使わなきゃならないし、その過程で拒否反応を示す人もいるだろうけど、ぼくはとても面白く、感動した作品なのだ。
 ルナ役の麻生久美子、最高だよ。


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劇団スーパー・エキセントリック・シアター
タイツマンズLIVE「タイツ道」を観る(04.4.24)

 昨年の「タイツ魂」に続き、タイツマンズの「タイツ道」を観た。SETの若手がボディラインもあらわに所狭しと動き回る。ただの一発芸ではなく、ちゃんとテーマとSTORYを持ち、SETの根幹を成すアクション・コメディ・ミュージカルが楽しめるタイツ芸。
 作・演出の赤堀二英はぼくと同い年。それゆえに「わかる、わかる」と多いく賛同するツボの多いこと。特にフラワーロックネタで流れた「Mr.ロボット」。この選曲はまさにぼくらの世代なんだよなぁ。
 ぼく個人としては徹底討論が好き。あまりタイツとは関係ないけれど、6人のパネラーと司会者がそれぞれ営団(現・東京メトロ)と都営の地下鉄各路線に扮して、それぞれの優位性を主張する。パネラーがいかにも路線になりきっていて(というか、雰囲気が路線になっている)、実に楽しい。特に長老・野添義弘のキャラ大爆発。
 他のネタもやはり野添さんが光りすぎていて、そこに頼り気味なのがちょっと気になるけど、面白すぎるからしかたがないか。
 秋には「魂」と「道」のリミックスをやるとか。できればもっと新作をやって欲しいんだけどね。


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「ディボース・ショウ」を観る(04.4.23)

 コーエン兄弟の洒落た楽しさにジョージ・クルーニーが加わると、どうしてこんなに面白い映画ができるんだろうか。「オー・ブラザー!」で見せた開いた世界観とは変わって、閉じた関係の中での掛け合いの面白さ。脚本の面白さが存分に発揮されて、すっごく洒落た出来上がり。
 離婚訴訟専門の弁護士と、離婚により巨額の富を手に入れようとする女性。敵同士のはずが互いに惹かれあうんだけど、その過程での丁々発止のやり取りがなんとも面白い。それがすごく洒落てるわけだ。
 キャサリン・ゼダ=ジョーンズ、ホントその場にいたら口説きたくなるような妖艶さなんだよね。
 恋と笑いとコンゲーム。ぼくの好きな要素がてんこ盛りのこの作品、ハリウッド大作のようなドデカいスケールはないけれど、それを上回る面白さがいっぱいなのだ。秀作です。おすすめ。


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「ホテル・ビーナス」を観る(04.4.17)

 草なぎ(漢字が出ない!)くんの全編韓国語映画「ホテル・ビーナス」、前評判どおりいい映画だった。ホテル・ビーナスに集う人々のちょっと切ない物語。どの住人にも背負っている過去・現在があり、それを受け入れるもの、拒絶するもの、乗り越えようとするものが交差して織り成すSTORY。
 色の使い方と音楽の使い方が抜群に上手い。青を強く出した画像が緊張感をもたらし、セピア調の色合いが切なさと優しさをかもしだす。そんな絵にかぶせるようなLOVE PSYCHEDELICOの歌声が響く。それだけでグっとくる。
 全編韓国語の理由のひとつとして、「詩のような字幕を意識した」とのPRがあったが、そっちのほうはそんなに強くは感じなかったかな。ただ、韓国語ということで無国籍感が全編にあふれ、作品に一層深みを与えていたと思う。
 個人的にはワイフ役の中谷美紀だよなぁ・・・。何処の街角に行けば、彼女が立っているのかって強く聞きたいよ。
 最後の慎吾くんはちょっと・・・。


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「一青窈Live Tour 2004〜てとしゃん〜ファイナル」を観る(04.4.11)

 通称「第2回もらい泣きの会」である。ツアー初日、遅刻をしてしまったリベンジとして、ツアー最終日の公演を観たのだ。初日あれだけたどたどしかったMC&進行も、回を重ねるごとにどれだけ成長したか・・・。
 って、高飛車な態度で臨む予定だったんだけど、前々日の訃報によりそんな想いは何処へやら。なぜこのタイミングで一青窈なのか・・・、そんなにぼくを泣かせたいのか・・・。ちくしょう、泣いてなるものか・・・。
 ライブはぼくの想いをよそに、流れるように進んでいく。一青窈のMCも進行もすっかり堂に入ったもんで、その歌声と身近に感じられる喋りは、ぼくを心地良い境地へと運んでいくが如く。この場は彼女の作る流れに心を委ねよう。そして、感情を赴くままに出していこう。
 彼女の歌声がぼくの乾いた心に染み入っていくようだった。こんな時に聴けた歌が彼女でよかった。本当にそう思えるライブだった。
 帰りに全員にプレゼントされたハナミズキの2年もの苗は、我が家のベランダでゆっくりと成長している。
 で、泣いたかって?そりゃ、言えないなぁ。


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「海洋堂大博覧会」を観る(04.4.11)

 スター・ウォーズの壮大な世界を観た後は、食玩でお馴染み海洋堂のちっちゃな世界を堪能したのだ。小さいからといってあなどるでなかれ。その精巧さに驚愕するに違いない。3cm程度のフィギアの中に積め込まれた情報量たるや、すっげーとしか言いようがないくらいなのだ。
 当然食玩ばかりではなく、これまでに海洋堂が手がけてきたほとんどの作品が展示されていたわけだが、ゴジラ・ガメラ・仮面ライダー・ウルトラマンに始まり、ピカチューに至るまで、その作品の数々が日本の子供たちの憧れの歴史そのものとなっているのだ。
 他にも動物図鑑シリーズなど、大人が観てもうなってしまうものばかりが集められた展示。会場は大盛況だったのだ。その分もうちょっとじっくり観たかったという不満も残ったんだけど・・・。
 個人的には週刊ファミコン通信の表紙がグラフィックではなくて模型の写真だったという事実にびっくり。どうりで、まだ3Dの普及が今ひとつだったあの時代から、立体感のある表紙ができていたわけだ。
 こうなったら、海洋堂の技術を結集して映画を作ってもらいたい。きっとルーカスに負けない世界観ができあがるに違いない。
ぜひ!


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「スター・ウォーズ サイレント アンド アート」を観る(04.4.4)


 10年位前、当時池袋にあったPARCO美術館で開催されたときも行ったんだけど、今回は新たにエピソードT&Uの貴重な品々と、映像を随所に取り入れての展示。マニアならずともヨダレが垂れてしまいそう。
 雨だというのにすごく混んでいた。それとも、雨だから屋外で遊ぶのではなく、屋内の展覧会に集まるのか。どちらにせよ、SWシリーズの人気とエピソードVへの期待が高まっているということなんでしょう。会場で展示物を見つめながら、みんながその登場場面を口にしている。
 今回の展示でひと際力が入っていたのがパドメの衣装。すっげーきらびやかなのよ、これが。そしてその数ときたら、「シーンごとに衣装がえしたんでしょ」と詰問したくなるくらい。時間と金がふんだんにかかっています。そして等身大のポッド・レーサー。かっちょいいです。警備員を振り切って乗りたいくらいです。
 個人的には等身大ドロイデカが欲しい。でも、我が家には置けないしなぁ。
 とにもかくにも、シリーズのすべてをもう一度観直したくなる最高の展示でした。


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「イッセー尾形 とまらない生活 働くおじさん編」を観る(04.3.30)

 今年もイッセー尾形のラフォーレ原宿公演の季節になりました。今年の公演は3月の初めに丸ビルでスタートしただけあって、サラリーマンを題材にしたネタがいくつか含まれていた。これが、気持ちがわかるだけに笑える。そうそう、それそれ、そーなのよって感じで。毎度のことなんだけど、彼の作る空間と雰囲気と笑いに今回もやられっぱなしだったんだよね。
 では、いつものように簡単に作品紹介。タイトルはぼくが勝手につけてます。
@「受付にて」
 トラブルを起こし、元請業者に謝罪に来た下請け業者の亀井さん。取引相手の設計課長に会うまでの受付での姿を・・・。課長に面会を拒否されての一言に大爆笑。「じゃあ、設計の・・・若林じゃしょーがないか」
A「川原の菜園」
 リストラされた男が川原の菜園で隣の奥さんに人生を教わります。
B「天国に一番近い島」
 秘密の告白タイムに妻の告白を聞いた寛容な男は・・・。
C「チェロ弾きの女」
 あけぼの保育園卒園記念公演にひとり早く到着したチェロ弾きの女は、園児たちの催促にチェロで義経の武勇伝を語り始める。巧い。
D「平野テイラー」
 告知を受け、死に装束でスーツをオーダーメイドしに来た客に心を打たれるご主人が奮起するお話。
E「すき間」
 タクシーを捕まえることができない酔っ払いサラリーマンは、始発までの時間を費やそうとすき間に・・・。これ、再演なので一度観たことがあるんだけど、めちゃくちゃパワーアップしていて、すっげー面白かった。
 今年は様々な企画を計画しているらしい。今年のイッセー尾形は見逃せない。


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「花とアリス」を観る(04.3.30)

 ズルい女の子と優しい友達と間抜けな男の子のお話。一言で言えばそうなんだけど、ちょっと言い換えるとこう。自分を上手く表現できずに嘘をつき続ける少女と、自分に正直であり続けるために忘れかけた記憶を取り戻そうとする少女と、嘘に気づきながらも少女たちに翻弄される少年の脆くも危うい関係のお話。少女たちの可憐さと素朴な画像がこの言い換えを可能にする素敵な映画なのだ。
 鈴木杏・蒼井優と仲良くなれるなら、あんなみずみずしい高校生活を送ることができるなら、間抜けな男の子になってもいい。いや、お願いするからならせてちょうだい。ここ2年くらいの記憶なら、消えてしまったことにしてもいいかな。
 キットカットのDVDを観て予想していたのと異なるStoryに最初は戸惑いもあったけど、その展開の面白さと素敵な映像、可憐な少女に心が洗われる気持ちだった。
 汚れちまった心には、うっっ!ってくるんだな、これが。


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「ラブ・アクチュアリー」を観る(04.3.26)

 昨日、ひとつ仕事のヤマを越え、ちょっと楽になったので、今日が最終日の「ラブ・アクチュアリー」を観た。ぼくの仲間うちでは男女問わず評判良かったので、ぜひ観てみたかったのよ。
 なんだろな。殺漠としていた心が一気に和んだというか、「ブリジット・ジョーンズの日記」「アバウト・ア・ボーイ」にあったやきもき感がなく、ストレートに暖かいというか。何も考えないで笑える映画はよくあるけど、何も考えないでほんわかできる映画ってなかなかない。
 ついつい、ぼくはどのタイプの出演者だろうかと探してしまう。う〜む・・・片想いの画廊のお兄さんかなぁ。っていうかあのセンスがぼくに欲しい。キーラ・ナイトレイもかわいいし。でも、女の子でいうなら冒頭で「コンドーム見つけたっ!」のコがいいなぁ。
 先日観た「ロード〜王の帰還」といい、これといい、かっこいいのはサムってか。


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「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」を観る(04.3.4)

 長い長い物語が幕を閉じた。とても広大な世界観と、全編にあふれる絆の深さは、アカデミー賞11部門制覇という功績を残して。
 正直、前2作は観終わった後に不満を抱いていた。早く続きを観せろと。ここで終わっちまうのかよと。
 でも、今回ばかりはもう終わっちまうのかよと、恨めしくさえ思っている。それ以上の充実感を満喫したにも拘らず。ぼくはなんと業の深い人間なんだろうか。きっと指輪を手にしたら、それを葬るなんてことできないんだろうなぁ。
 3作目はとにかく絆だと思う。その絆を象徴するような台詞が耳に届くたび(正確には字幕で読むたび)、胸に熱いものがこみ上げてくる。友情・愛・・・。
 本当に終わってしまうのだ。次の物語を語り継ぐのはぼくら自身ということか。
 いつの日か、デカいスクリーンで3部作一気に観たいものだ。


エスニック
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「ゼブラーマン」を観る(04.2.24)

 これでいいのか?哀川翔。主演100本目の記念作品。ぼくは他の99本を観ていないにわかアニキファン・・・というか、脚本の宮藤官九郎フリークなんだけど、このダメ男ぶりはないでしょう。
 これでいいのか?渡部篤郎。永瀬正敏−小泉今日子が離婚した今、誰もが次は・・・って言ってるのに、チ○ポ掻いてる場合じゃないでしょう。
 これでいいのか?鈴木京香。すっかりコメディアンヌになっているけど、ゼブラナースはそこまでやるか・・・、あの谷間は最高にSEXYなんだけどさっ。
 柄本明も大杉漣も、岩松了もウッチャンも、豪華出演者の誰もが「これでいいの?」と首をかしげていたのに・・・。
 いつからか、「これでいいの?」が「これがいい!」に変わり、「これしかないっ!!」へ昇華されていく。すっげー。すっげーかっこいい。終いには涙すら浮かべちまったぞ。
 ぐだぐだ書かないからとにかく観て!最高だから。
 で、映画館を出るときは「日曜日よりの使者」を口ずさんでちょうだい。
 このま〜ま、どこかと〜く、つれて〜って、くれない〜か♪
 白黒つけたゼ!


エスニック
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「カメレオンズ・リップ」を観る(04.2.21)

「文系の騙し合い」
 作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチは今作をそう評した。計算された嘘ではなく、咄嗟に口から出る嘘の応酬。目的を持った嘘ではなく、嘘をごまかすための嘘。そんな嘘を豪華役者陣がつきとおす舞台「カメレオンズ・リップ」を観た。
 いやぁ、深津絵里かわいいよ。堤真一・生瀬勝久・余貴美子・山崎一・犬山犬子。この豪華ラインアップの中で輝きすぎ。みんながそうなんだけど、演技がキレキレ。TVでは観ることのできない魅力が満載。だから舞台は面白い。
 誰一人本当のことを言わないから、先が読めないスリルも満点。誰のどの言葉がカギになるのかを観る者が探り合う。それでいて破綻を気にしないのが文系の嘘。観る者すべてが翻弄される面白さ。
 ケラの盟友・犬山犬子の設定にマンネリ化が見られるのがちと惜しいけど、嘘から始まるミステリアスは引き込まれ必至!
 それにしても、濡れたブラウス姿の深津絵里だもん。ぼくを狙い撃ちしてたんじゃないかって。


エスニック
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「ドラッグストア・ガール」を観る(04.2.17)

 凛々しい眉、大きな目、柔らかそうな頬。ぼくだってデートしたい!
 薬科大学3年生、理系の女、メガネに白衣。お願い、ぼくをもっと叱って!
 とまあ、スーパーCUTEな田中麗奈が寂れた商店街に現れたら、オーバー50じゃなくても恋に落ちるって。がんばってラクロスやっちゃうって。
 宮藤官九郎が田中麗奈のために書き下ろした新作は、心温まるナイスなコメディ。オーバー50のオヤジたちも、柄本明・三宅裕司・伊武雅刀とコメディを知り尽くした役者を揃え、笑いに厚みをもたらすとともに、田中麗奈のCUTEさをより一層引きたてている。
 とにもかくにも田中麗奈のための映画。笑いもマジも、すべてが田中麗奈のため。沢口靖子・鈴木京香に続くコメディアンヌがこんなところにいたとは・・・。
 官九郎コメディにしてはまとまりすぎじゃない?って思いもあるけれど、すべては田中麗奈のためなのだから、田中麗奈を堪能せよ。
 そういう意味ではきっと好き嫌いのある映画かなぁ。


エスニック
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劇団☆新感線2003年ゆく年くる年チャンピオン祭り
「レッツゴー!忍法帖」を観る(04.2.11)

 劇団☆新感線のウラの顔、いや素の顔ともいうべきチャンピオン祭りの「レッツゴー!忍法帖」を観た。今回主役を演じるのは古田新太でも橋本じゅんでもなく、大人計画より客演の阿部サダヲ。毒のある笑いを得意とする大人計画から脳天を突き抜ける笑いの新感線チャンピオン祭りに来て、主役を張るとは。
 それがすごくハマっててさぁ。かなりイヤらしさを含んだあの笑顔に、いかにも不自然な髪型。それだけでも笑えるのに、動きもしゃべりも下ネタまでもがハマってるんだもん。
 ハグレ忍者が城攻めからお姫様を救い出し、敵と戦うという結構簡単なストーリー。陰謀の二重構造などもあるが、それを推理するのは野暮っていうもの。とにかく笑え。ストーリーは笑いのおまけだって感じのお芝居なのだ。
 頭で考えるではない、ストレートな笑いのお芝居。笑わせるためなら、馬渕英里何を亀甲縛りにし、ギャグまではめさせる。やってくれるぞ。
 古田新太の魅せ場がいささか少ないのはちょっと残念だったが、阿部サダヲのみならず入江雅人・池田成志ら客演勢もいい味出してるし、ホント楽しいお芝居だった。


エスニック
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「ミスティック・リバー」を観る(04.1.30)

 永遠なもの、不変なもの・・・。移り行くもの、忘れ行くもの・・・。愛なのか、友情なのか、誇りなのか・・・。
 迷い、後悔、嫉妬、郷愁、三人の別の道を歩む幼馴染が心に抱いていたもの・・・。
 クリント・イーストウッドの監督作は状況こそ特異でしかないが、誰もが胸に隠している心情を綴った作品だ。「あの時・・・」。程度の差はあれ、誰もが胸に抱いていること。
 詳しいことはあまり書かないほうがいいと思うが、3人の男優がそれぞれの人生を見事に演じてます。
 ストーリーよりも3人の生き様に見入る秀作です。


エスニック
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「一青窈Live Tour 2004〜てとしゃん〜」を観る(04.1.24)

 いや泣けたっス。
 マジ泣けたっス。フリースタイル具合にマジ泣けたっス。
 なにがって、意気込んで会場に乗り込んだら、開演時間を間違えていて、既に始まってたっス。ううっ。
 いや、そんな個人的ポカなんかじゃなく、一青窈の人と歌に泣けたっス。
 「金魚すくい」のダンスを教えようとするんだけど、中途半端に終わってしまい照れ笑いする彼女。もっと押し付けてでもみんなにやらせなきゃ。
 アコースティックしっとりコーナーの直後、「みなさんそろそろ立ってください」と頭を下げる彼女。そのタイミングじゃ立てないよ・・・。
 初のライブツアーの初日。その特異な雰囲気にかなり緊張していたみたい。その初々しさが逆に彼女の楽曲にマッチしたりして、もしこれが演出だとしたらすっげーぞ。そりゃないか・・・。
 「もらい泣き」のイントロがながれ、ええいぃあぁ〜♪の歌い出しのところで、首筋から後頭部にかけて寒気が走った。きた〜っ!ぼくがライブで感動を覚える兆候。やっぱり一青窈はこの曲だ。当然ながらもらい泣き。
 2度目のアンコールで堪えきれずにハナをすすりながら歌う彼女。
 ツアーの最後にはきっと堂々と場慣れした彼女になってるんだろうなぁ。
 いつもスピーカーから流れる楽曲のステキさに彼女の人柄が加わって、なんとも優しい気持ちになれたライブだった。


エスニック
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「習志野 狂言の夕べ」を観る(04.1.13)

 野村万作・萬斎親子を中心とする万作の会主催の狂言会を観た。場所は習志野文化ホール。この会場に行ったのは初めてだけど、緩い傾斜の広い会場の後ろのほうだったので、演者が遠かったなぁ。
 今回の番組は「舟渡むこ("知"の下に"耳"と書く漢字)」「附子(ぶす)」。どちらも初めて。内容を事細かに書くことはやめるが、どちらも古典なのに今の笑いの要素がいっぱい詰まってる。台詞が少ないため、動きと間が笑いのほとんど。内容も配布されたパンフで予習させネタばれ。それできっちり笑えるんだから、さすがの一言。
 今回改めて思ったのが、野村萬斎の姿勢の良さ。姿勢がいいから動きにキレがあり、離れた場所からもすごく見栄えがする。かっこいいの一言。彼が出演したのは「附子(ぶす)」の方だったんだけど、登場と同時にご婦人方が一斉に双眼鏡を覗き出したもんなぁ。
 個人的には高野和憲さんのおとぼけキャラがちょっと陰をひそめていたのは残念。
 温故知新。これからも狂言鑑賞は続けていきたいです。


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