artな戯れ言'03-上半期


このページではartな戯れ言を集めて掲載しています。


「マトリックス リローデッド」を観る(03.6.22)

 前作から4年?待ったぞ、待ったぞ、「マトリックス」。あの世界観を観せられて、4年も待たされる身になってみろってんだよ。
 いやいや、期待通りの面白さ。あの世界観がさらに厚みを増し、幾重にも降りかかってくる。
「お前、運命に従って生きるタイプ?」
「いや、おれは運命に逆らって生きていくね」
「でも、それがお前の運命なんだよ」
なんてガキの頃の会話を思い出してしまうような。
 いや、ただそう書くと幼稚に聞こえるかもしれないけれど、これがマトリックスにかかると高尚に思えてくる。
 アクションシーンの圧巻さは言うまでもなし。かっこいいんだな、これが。ネオのヴァージョンアップは凄まじい。敵キャラも充実し、3部作の最終章へ向けて、怒涛のスパートしてくれる。
 ただ、ネオ盛りつきすぎ。生命の危機にさらされると繁殖機能が活性化するとは言うけれど、発情期の猫並みなんだもん。ザイオンまでもが妖しいSEX教団に見えてしまうぞ。まぁ、救世主にも休息が必要か。
 あまりにもありふれた言い方だけど、これから本当の闘いが始まる。意思を持った本当の闘いが。楽しみである。今年中に観られるのだ。彼らの結末が。うれしいのである。
 忠告!エンドロールの最後まで、席を立たないように!


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「イッセー尾形のとまらない生活2003in札幌」
 を観る(03.6.21)

 イッセー尾形の札幌公演を偶然にも観る機会ができた。公演の内容は3月の原宿クエストホールと同じということで、あの時新ネタとして披露されたネタが月日と公演を重ねることにより、どのように成長しているのか・・・など難しいことは抜きにして、またあの舞台を楽しめる。それだけでわくわくもの。
 で、3ヶ月置いて観たイッセーの芸は、ネタの全て、展開からサゲまで知っているというのに笑いでいっぱい。キャラがイッセーに浸透し、細かい仕草の一つにも笑い。新発見で笑い、マイナーチェンジした演出で笑う。ネタが成長し、進化しているのだ。これだから、イッセー尾形を観るのはやめられない。
 ネタの簡単な解説は前回のを参照してちょうだい。こちら


エスニック
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TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA
        STANDING TOUR 2003
”HIGH NUMBERS”FINAL
 を観る(03.6.14)

 スカパラ、スカパラ、約1年ぶりのライブ!
 今回はスタンディングツアーのしかもファイナル。東京ベイNKホールのアリーナを巨大ライブハウスに見立ててライブ。でかい小屋ゆえスタンド席も用意されているけれど、スタンディングツアーと銘打っているならやはりスタンディングのアリーナでしょう。と、気合十分で挑んだものの、開始早々後ろから人が押し寄せてきて、満員電車よりギューギュー状態。女の子にも肌がピッタリ・・・これは良かった。自分から動かなくても周りと密着でタテ揺れ状態。2曲目でツレと離れ離れとなり(終演まで再会できず)、4曲目で隣に潜り込んできた男のワキガ臭に耐え切れず、後方へフェードアウト。その後は下がり目のちょっと余裕のある位置で、跳べや踊れの大狂乱。
 スカパラは相変わらずのハイスピード・ハイテンションで、客をあおって盛り上げる。いつもの常套手段に加え、最近のライブではあまり聴くことのなかった「インターセプター」や、ホーンセクションとヴォーカルを排したJazzyな「美しく燃える森」など、聴き応え&踊り応えたっぷりの圧巻ライブ。
 ワイヤーに吊られ宙を舞うGAMOU(Kinki−Kidsか!)のスペクタルさは、会場に隣接するディズニーランド&シーのミッキーを越えたぞ!
 三十路のおじさんとしては昔みたいなもうちょっと遊び心のたっぷり入った、少し楽なライブを期待したりするんだけれど、無数の揺れる後頭部と掲げられた手のむこうに見るスカパラ面々は相も変わらずカッコよかった。おかげでたっぷり汗をかき、ダイエットにもなっただろうし。
 でも、次からはスペースとイスの確保されてるスタンド席かな。いや、三十路にはきついって。


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YOSAKOIソーラン祭り!(03.6.8)

 北海道の初夏のイベント・YOSAKOIソーラン祭りは、ぼくが上京してから始まった比較的新しい祭りのため、ぼくはまだ観たことがなかった。すごいという噂は耳にしていたけど。せっかく出張で北海道に来ているんだから、一度体験しておかなければ道産子の名にすたる・・・?
 YOSAKOIソーラン祭りを簡単に説明すると、団体ダンス(踊り)選手権(?)。踊りの最中に鳴子を使うのと、曲の一部にソーラン節が使われていればなんでもOK。この陽気なお祭りに老若男女が集うのよ。北海道のTVは各局特番や生中継で連日放送している。北海道にいないとわからないけど、めちゃくちゃ盛り上がってるぞ。
 祭りのメイン会場は大通り公園なんだけど、市内各所にも舞台が用意されており、各チーム持ち回りで演舞を披露している。最終日夜のファイナルコンテストの特別観覧席チケットを入手したので、昼間は市内各所の会場をブラブラしてみることに。TVで予習していたものの、各チームの演舞がここまで楽しいとは。

高知学生旅鯨人のターン!


旅鯨人のかわいこちゃん

名門・舞DoCoMo、まさかの予選落ち


HBCのアナウンサー
 さてさて、予選審査を勝ち抜いた15組によるファイナルコンテスト。オープニングを斎藤ノブ・ミッキー吉野らのセッションがつとめ、審査員には柳葉敏郎、TV解説はBro.Tom。がんばってます。
 いよいよファイナリストたちの演舞。これがすごかった。どのチームもTVで観る演舞とは見違えるほどのド迫力。感嘆と拍手が会場を渦巻く。踊り・ジャズダンス・クラッシックダンス・エアロビ・武道・アクロバット…ありとあらゆる動きが網羅された演舞は、かなり鳥肌ものでした。
@パスキー&北海道医療大学

ひと言…闇と光のコラボレート
Awamiles踊り子隊 美翔女

ひと言…民族音楽を取り入れた、、、喜び組?
BLG電子ジャパン

ひと言…ジャニーズJrもどき、早変わり連発
C新琴似天舞龍神

ひと言…民謡テイスト満載。旗が・・・
DAJG KIDS

ひと言…上海少女歌劇雑技団。Jrチームが飛んで跳ねて回ります。
Eコカ・コーラ札幌国際大学

ひと言…アメリカンチアリーダーズ
F石狩流星海

ひと言…鮭といくらで祝い船
GJAL極楽とんぼ

ひと言…ぷりぷりアイドル調JUMP!
H乱舞童

ひと言…白虎隊?彰義隊?新撰組?
I北海道大学”縁”

ひと言…伝統のふんどし芸
J酪農学園大学

ひと言…袖芸。孔雀もしくはジュディ・オング
K三石なるこ会

ひと言…炸裂!おばちゃんパワー!!空手も入ってるしょ
L井原水産&北星学園

ひと言…ヘヴィメタ・ソーラン・もらい泣き。衣装はダンシングヒーロー。
M平岸天神

ひと言…名門チームのそいやっ!そいやっ!
Na la collette !? 4プラ

ひと言…白装束!スカラー波じゃなく、パリコレ風
 大賞は名門・平岸天神。「そいやっ!」がギバちゃんの心をつかんだかな。
 ぼく個人としては、石狩流星海、北海道大学”縁”、パスキー&北海道医療大学が良かったな。
 ソーラン節と鳴子という2大命題がまるで感じられないチームが多くなっているのがちょっとさびしいので、来年はそこのところをもうちょっと大切にして欲しいなぁ。
 とにかくすごいお祭りがぼくの居ぬ間にできたもんだ。ぼくがもっと若ければ・・・。


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「8Mile」を観る(03.6.8)

 エミネムの自伝的映画「8Mile」を観た。黒人のサウンド・ヒップホップに挑んで名をあげる白人青年B・ラビット。彼のリリックの根底に流れる貧困・偏見。そして奮起・旅立ち。黒人至上主義にたたずむ白人青年の青春成長物語なのだ。
 いやはや、楽しめた。でも・・・なのだ。物語の重要な部分・ラップバトの面白さが今ひとつ伝わらない。英語の遊びや韻のふみが字幕ではまるで伝わらず、ただ単に汚い悪口の言い合いに終始してしまっている。それでどっちが勝ったかなんて、まさに子供の口喧嘩。もったいない。って、英語がわからないぼく自身の問題なんだけど。あの部分は日本語字幕と同時に英語字幕ものせて欲しかったなぁ。
 ともあれ、何事にも投げやりであきらめ顔のラビットが、目標をしかと見据えて歩き出す姿はかっこよかったのだ。
 ぼくに英語が話せたらなぁ。


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「愛してる、愛してない」を観る(03.6.1)

 出世作のイメージを引きずってしまうのは役者にとってプラスなのだろうか・・・。2002年naoto-ok的映画Best1「アメリ」でキュートな妄想少女を演じたオドレイ・トトゥの最新作、「愛してる、愛してない」はぼくにとってはつらいと言うか、難しい作品だった。
 別に彼女のファンではない。アメリのファンには間違いないが。この映画も観る気はなかったのだが、映画の日の今日、時間がたまたま合ったのと、実姉の勧めもあって、女性客が8割方の映画館に入った。
 いじらしい恋する乙女の物語が、実は・・・。ネタばれになるので詳しくは書けない。でも、観るほどに主人公アンジェリクとアメリを較べてしまう。それは役者や作品にとっては失礼なことと思いはするのだが、この作品は確信犯として相乗効果を狙っている。そしてそのギャップにアメリファンは胸が痛くなる。
「妄想好きの女の子がかわいいだって?なに甘いこと言ってるの!」
と、嘲笑われているかのよう。イメージを引きずる方がいけないのか、イメージを利用する方がいけないのか。強すぎる出世作のイメージを払拭することは役者にとっては大変なことだとは思うけど、もっとうまいやり方がいっぱいあるのではないか。
 話の方は楽しめたけど、簡単に先読みできたのが残念。「おおっ!木更津キャッツアイ」と叫びたくなるとこも。それ以上に後味の悪さを感じてしまったのだ。


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「ぼくんち」を観る(03.5.24)

 原作マンガを読んだとき、面白さとせつなさが入り混じって、胸が詰まった。昭和40年代、ぼくが住んでいた町にも確かに「ぼくんち」の匂いがした。あそこまで強烈ではなく、あそこまで哀しくはないのだが。
 映画はさすがにオブラートに包んではいるけれど、おもしろくせつないほどに”生きる”姿が描かれている。貧乏ながらもそれぞれの”生きる”を探しつづける。男として、女として、人としての業にとらわれながらも、何とかひたむきに”生きる”を続ける物語。
 尺の問題でちょっと早急すぎる感は否めないけど、一太の兄として、男としての気持ちがうまく描かれて、子供ながらに・・・とせつなさが増します。
 かの子と母(観月ありさと鳳蘭)の後姿はそれでも生きていく人の強さをけなげにも映し出しています。かっこいいです。
 こういちくんや鉄じい、さおりちゃん親子それぞれの話をもっと観たい・・・と思った。船橋に帰れば総天然色版全3巻が揃っているんだけど、すぐに読みたくて、白黒版を購入してしまった。
 あの頃の匂いが満載の「ぼくんち」。未体験の方には映画を観てからマンガを読むのがお勧めです。
 あの頃の未来にぼくらは立っているのかな・・・♪


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シティボーイズミックス PRESENTS
「NOTA 恙無き限界ワルツ」を観る(03.5.23)

 GW、アートスフィア恒例のシティボーイズLiveを出張先の北海道で観ることになろうとは・・・。今年は諦めかけていたので、なんという嬉しさか。しかも初の北海道公演にしてツアー最終日。いまや3人が一堂に会する機会のレアさもさることながら、大御所と呼ばれてもおかしくない彼らがひたむきに笑いを追及するストイックさを感じることができる。なんともうらやましくも楽しい舞台なのだ、シティボーイズミックスは。
 昨年の「パパ・センプリチータ」でスピード感あふれるぶち切れ具合を披露して、「オヤジたち降臨」を強烈にアピールした彼らの今年は・・・タイトルどおりワルツだった。勢いにまかせるのではなく、ワルツのリズムに身を委ねるがごとく、のらりくらりと笑いが押し寄せてくる。絶えることなく、優雅さをまといながらも下世話に。まさに、恙無き限界ワルツ。
 シティボーイズの3人に加え、中村有志・YOU・五月女ケイ子が持ち味発揮。フェアチャ以来のYOUファンとしては、彼女のCUTEさと久々の歌が聴けてうっとり。でも、今回のLiveで一番光ってたのは斉木しげる。存在感に磨きがかかり(どうやって磨くの?)、パツパツに輝いている。「首の皮1枚ショー」は彼の真骨頂。大竹まこともきたろうも、今日の斉木しげるにはかなわない。
 とはいえ、きたろうの「ブクロ最高っ!」にもやられたけどね。
 掛け合い、動き、言葉、間。舞台空間の全てを笑いの素に変える彼らの意欲と創り出される笑いの限界なき攻撃に、終始やられっぱなしの150分だった。
 「ボーリングフォーコロンバイン」観たんだけど、一体何が・・・


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「X−MEN2」を観る(03.5.10)

 待ちに待った、第2作。出演者が(特にハル・ベリー)出世するので、もう一堂に会することは難しいのではと心配してたけど、無事公開されてうれしいやらなにやら。とか言いながら、ハル・ベリーは役柄以上にいい扱いしてもらってるかな。
 前作のミュータントVSミュータントとは異なり、今回は人間対ミュータントの物語。「自分たちと違う」を認められない人間によるミュータント迫害。中世の魔女狩りに始まり、鉄腕アトム、A.I.なんかでもよく見られる構図だけど、「違う」者たちが共存を願っているだけに、とても胸が傷むんだなぁ。そんなテーマの物語が無数に存在し、それを見るたびに胸が傷むにも関わらず、同じテーマの物語がまた作られる。「違う」ということに対する人間の拒否反応は、人間の感情のもっと深いところに根付いているのかな。なんて業の強い生き物なんだろうか、人間って。
 そんな難しいことはさておき、やっぱり「X-MEN」シリーズは面白い。今回はチーム戦の様相が強かったけど(もうちょっと個人にスポットをあてて欲しい気もするが)、ミュータント個々の物語はまだまだこれから。宿命のライバル、プロフェッサーとマグニートーは今回は呉越同舟だったけど、これからもまだまだ続きそうだし、ウルヴァリンの過去もまだ闇の中。次の彼らは何と闘うというのだろうか。あぁ、もっと先が早く観たいよぉ!
 出演者たちの出世もまだまだ続くだろうから、同じキャストでっていうのはつらくなるかもしれないけれど、早く続きを観せてちょうだい。
 というわけで、近年多いアメコミの映画化作品の中でもっとも面白い「X-MEN」シリーズ。楽しかった上に期待も大。


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「魔界転生」を観る(03.5.1)

 沢田研二から窪塚洋介へと転生し、リバイバル復活した「魔界転生」。窪塚=天草ばかりがやたらと露出しているが、この映画の真の主人公って、佐藤浩市演じる柳生十兵衛じゃないかい。確かに徳川を滅亡させんと天草四郎が妖術を用いて死人を転生させるんだけど、転生した名だたる武芸者たちは天草四郎の思惑などおかまいなしに、己の強さを確認すべく柳生十兵衛に闘いを挑み、散っていく。その闘いの中に、天草四郎の影など微塵も見えないのだ。純粋なまでに強さを求める武芸者たち。ノリはドラゴンボールの天下一武道会に限りなく似ているのだ。それが痛快で、楽しめる。佐藤浩市のなせる技か?
 妖艶さという面では、窪塚=天草四郎よりも麻生久美子演じるクララの方が上回っていた。彼女も主役を食うよなぁ。「RED SHADOW 赤影」もそうだったけど、今回は180°反対の役柄で主役を食ってるんだもん、何気に美しいあの顔に秘められた本性はすごいものがあるのかも。好きです。
 こうなると天草四郎の秘術を現代によみがえらせ、力道山を生き返らせて欲しい。大山倍達の全盛期とアントニオ猪木の全盛期と前田日明の全盛期と、ブロディを生き返らせてデビッド・フォン・エリックを生き返らせ、カール・ゴッチが全盛期を取り戻し、ノゲイラとボブ・サップとヒョードルとミルコ・・・。そんな闘いを見たいと思うのはぼくだけだろうか。
 ってことで、新生「魔界転生」、窪塚不発も見どころが他にあって結構楽しめたのだ。純粋にチャンバラ映画として再再生もありかな。ナレーションが風格漂ってたし。


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「シカゴ」を観る(03.4.28)

 すっげーっ!今年度アカデミー賞最多受賞はだてじゃなかったぞ、「シカゴ」。圧倒されまくりの面白さ。ストーリーの面白さはもちろんのことながら、歌とダンスがすっげー。その上手さ、豪華さもさることながら、実に効果的にインサートしてくる。もう、たまりませんのことよ。
 「シカゴにとって、殺人事件はショータイム」。その言葉が示すとおり、殺人犯ロキシーがスターダムにのし上がり、無罪を勝ち取るまでがショー仕立てで描かれていく。きらびやかなショーとして。シカゴという街が持つゴシップさと、ロキシーのロリポップさとがショーを一層盛り上げる。はまるよ、これは。
 ミュージカルって最近復権しているけど、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」も「ムーラン・ルージュ」も「シカゴ」も歌やダンスと物語の一線を画しているのが、受け入れられている理由かな。歌&ダンスのシーンはまさにショータイムで、物語とリンクはするものの、まったく別の世界に飛んでいる。そのメリハリと本格的なショーの作りがかっこいいしオシャレだし、楽しいのではないか。そしてそのショーは物語を語るのではなく、歌い手・踊り手の心情を表現するのに用いられているため感情移入しやすくなって、すんなりとその世界観に入っていける理由かなぁ。とか何とか書きながらも、要はフィーリングなんでしょね。
 ぼく的にはレニー・ゼルウィガーもキャサリン・ザダ=ジョーンズも良かったけど、チラッと出てきたルーシー・リューのかわいさに惹かれてたりして。
 とにもかくにも面白い。これは絶対観るべしです。


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「ベッカムに恋して」を観る(03.4.27)

 イギリスで暮らし、サッカーとベッカムをこよなく愛するインド系の女の子が、親やインド系社会の戒律の厳しさの中、夢をかなえていく青春映画「ベッカムに恋して」を観た。同じベッカムファンにとってはなんとも微笑ましくなる楽しい映画だった。
 サッカーにかける情熱、伝統を重んじる親との確執、ちょっと不器用な恋愛、それによりもつれる友情。女の子を主人公にした青春映画に必要な要素は全てミックスされており、最後はちゃんとハッピーエンド。これが実に爽やかで気持ちがいいのよ。
 イギリスにインド系の人が多く住んでいるって、これまで知らなかった。インドがイギリスの植民地だった過去を考えると頷けはするんだけれど、これまでどのメディアを観てもイギリス在住のインド系の方々って登場しないじゃない。人口比率では少ないのかもしれないけれど、新しいイギリスの側面を観ることができたという感じ。
 W杯後のベッカム人気にあやかって公開したような形になっているけど、スクリーンに出てくるベッカムの髪型は坊主。ベッカムカットとして一躍有名となったソフトモヒカンの前の髪型なのだ。つまり撮影はかなり前。日本ではつい最近ブームとなったベッカムは、イギリスではずーっと前からスーパースターってこと。みなさん、再認識しましょう。
 イギリスの青春映画って、派手さはないけどいい味出してるよなぁ。「トレイン・スポッティング」「フル・モンティ」「リトル・ダンサー」・・・。父親としての決断が涙を誘うのよね。
 春の陽気に誘われて映画を観に行くなら、青空の下で元気にボールを追いかける彼女たち、おすすめです。


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THE COMICMENTS LIVE を観る(03.4.12)

 ちょうど1年ぶりに、後輩・K村くんが「船橋でライブやる」って言うんで、我が家から徒歩2分ほどの会場「無国籍料理 月」へ行ってきた。
 ちょっと、1年前と見比べてみてよ、K村の変貌振りを。まぁ、ぼくは会社でしょっちゅう見ているので、普段はどうとも思わないんだけど、見比べると驚きだよな。
 と、K村だけ容姿は大きく変わったけれど、BANDのスタイルやスタンス、楽しさは相も変わらずで、横揺れの心地良さを満喫することができたのだ。
 くしくもこの日はくや探花見(もどき)で11:00AMから飲みっぱなし。リズムに乗る前から横揺れしていたりもして。酔っ払いだったのでよくわからなかったけど、コーラス隊いろっぽいかっこしてたのね。
       
 今回はカメラマン(こいつも後輩Y川)の未熟さのためか、メンバー全員がうまく写っているカットがなかった。すまん。
 これからも上質な横揺れをぼくに提供しておくれ!


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「デアデビル」を観る(03.4.11)

 盲目のヒーロー、「デアデビル」。アメリカン・コミックのヒーローがまたもや映画に・・・。観ちゃうんだよなぁ。このテの映画。
 あまり深く考える必要がなく、手に汗握って楽しめちゃう。娯楽映画の醍醐味がヒーローものには詰まっているのよ。
 レーダーセンスを駆使して活躍するデアデビル。とはいえ素は生身の人間。そう考えると、アメコミのヒーローって、偶然にも特殊能力を持ち合わせてはいるものの、素は人間ってものが多いなぁ。人工的に改造されたり、ロボットものってあまり知らない。ロボコップはアメコミじゃないし。
 理屈抜きで面白かった。やっぱり何も考えずわくわく出来る時間って大切なんだ。ただ、デアデビル、根性据えて頑張るタイミング間違ってるぞ。あと、マイケル・クラーク・ダンカンが根は人の良さそうな顔してるのよ。
 ヒーローもの、ホントに多いよなぁ。でも、勧善懲悪物語って、安心して楽しめる。なにが正義なのかを見失ったかのようなこの世界で、せめて銀幕の中だけでもわかりやすい正義を感じていたいってことなのか?
 日本にも誇るべきヒーローがたくさんあるけれど、日本映画にするとお子様向けになっちゃうんだよなぁ。あと、大人にも偏見があるから、興行的に成功しそうになく、制作費が削られてしまう。かといって、今の仮面ライダーシリーズも、難しくするだけで楽しめないし。


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「オケピ!」を観る(03.4.10)

 三谷幸喜が「ミュージカルを愛する全ての人と、そうでもないすべての人へ。」贈るミュージカル、「オケピ!」を観た。三谷幸喜のアイデアがミュージカルを身近に感じさせてくれ、まさにミュージカルの入門編とでも言うべき作品。
 何故突然歌うのか?突然踊るのか?この素朴な疑問に対し、劇中劇・・・いや、劇裏劇なんだから音楽はつき物と、ある意味自然な形で歌に導入する。巧い。
 当然三谷作品だから、笑いに満ち溢れている。ミュージカルへの揶揄もあれば、歌いながら笑わせる。決してコミックソングではない。物語がしっかりしているから、歌いながら笑わせられる。普通のミュージカルだってそうだ。どんなに素敵な劇中歌があろうと、物語がしっかりしていなければ素敵さはぜんぜん伝わらない。それを逆手にとったオチも・・・いや、それは言えない。巧いのだ。
 オーケストラピット(略してオケピ)には人生があるとコンダクターは言う。人生の縮図だと。でも、同時に三谷作品の縮図のようにぼくは思えた。異なる音色の楽器が重ね合わさることで素敵なハーモニーが奏でられるように、てんでバラバラなキャラが入り乱れて絶妙な笑いと物語を紡いでいく。巧いんだってば、もう。
 いとしの天海祐希のすじの通った可憐さもさることながら、今回の舞台は小日向文世だなぁ。もう、笑うしかない愛らしいキャラ。それがまたハマってるのよ。他のキャラもみんな立っててすごいんだけど、今回は小日向文世に尽きる。この使い方、巧いって言ってるでしょ。
 今回の再演は初演(ぼくは観ていない)から配役が変わることを受けて、キャラクター設定を大幅に変え、劇中歌にも新曲が加わったとか。そうなると、初演も観たい。観較べたい。お願いだから、DVD発売して・・・。口惜しいけれど、商売も上手い。


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「クローサー」を観る(03.4.5)

 やられた。なんだろうか、「チャーリーズ・エンジェル」的というか、「キャッツ・アイ」に似ているんだろうなという先入観を持って劇場にいったんだけど、甘くはなかった。いや、そうなんだけど、なんと言うかな・・・。いい意味ですごく裏切られた。この設定なのに、後先考えない大胆な展開。予想が外れてあ然としながらも、おぉぉぉぉぉーっ!
 本場のワイヤーアクションもさることながら、メイン3大ヒロインの健康的なお色気にニヤリ。ぼく的には「少林サッカー」にヴィッキー・チャオがお気に入り。かわいいんだな、これが。
 そして日本が誇るムービースター・倉田保昭。かなり前から活躍の場は香港だけど、あの威風堂々振りはなんだ?たしかかなりの歳だと思うんだけど、動きのキレなんかは鋭いッたらありゃしない。3大ヒロインの敵役としてピカピカに光っているではないか。脱帽の一言である。
 冷静に振り返るとベタな部分が多いのかもしれないけれど、観客(ぼくだけかもしれないけれど)の想像する予定調和を打破した痛快な作品。面白かったのだ。


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「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」を観る(03.3.31)

 面白いの前評判は伊達じゃなかった。ホント、面白い。なんだろう、3時間強の大作だというのに、だれるところが一つもなかった。正直前作とはくらべものにならないほど面白い。
 きっと前作を予習していったからか。2作目は1作目と違い、状況説明に割く時間を減らせるから、その分内容の濃い作品になっているとか。いやいや、起承転結の承と転の部分だもん、面白いよなぁ。
 なんだろう、面白いとしか書きようがないのはどうしてか。とにもかくにも、今作の一番は本来の脇役がかっこいい。それぞれのキャラが立っている。それが物語を滑らかに進展させ、面白みを倍増しているのでは?
 スターウォーズも帝国の逆襲が面白かったように、やっぱり三部作は2作目が面白いってことなのね。
 そうそう、灰色のガンダルフが白になったのって、ランクがひとつ上がったってことなのかなぁ。
 ははは。面白いしか書いていないけど、ホント面白かったので、是非予習をしてから観てください。


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「ゴスペラーズ坂ツアー2003 ”アカペラ港”」を観る(03.3.27)

 北海道出張を関係各位に連絡していたら、ゴスペラーズのライブチケットが手に入るという知らせが。よく聞くと、小樽市民会館での4daysだという。北海道のホール会場といえば札幌厚生年金会館。彼らの実力からして楽勝の客入りが期待できるだろうにどうして小樽?
 どうやら今回のツアーは彼らが通常のライブと並行して行っている、演劇の要素を多分に含んだ内容のツアーだとか。タイトルを見ると、坂と港。そうか、坂の多い港町をまわっているのか。きっと他にも神戸や尾道、長崎なんか・・・。
 公演のほうは、芝居の合間に歌が入る・・・かといってミュージカルでもなく、バックバンドなしの完全アカペラ。これがかっこいいんだな。当然5人は歌うたいの5人組で、脇を双数姉妹や猫のホテル(両方とも名の売れた若手劇団)などの役者が固める。芝居自体は結構お決まりの内容なんだけど、そこにはめられていく楽曲がスムーズでかつ聞きどころ満載なのだ。いいじゃん。
 劇中劇ならぬ劇中ライブを挟んで客のノリを鷲掴み。芝居のクライマックスを迎えると、誰もが予想できる展開と予想できる楽曲が繰り出されてくるんだけど、その予定調和にやられてしまうのだ。これでもかと力強く歌い込まれる楽曲の数々に、ただただ呆然と聴きつくすだけのぼく。特に名曲「永遠に」なんて、すっごいベタな展開で予想通りに始まったというのに、首筋から頭皮にかけて鳥肌が立っていくのが感じとれる。うおぉぉぉっ!
 アンコールでは再び客を心地良くのせ、オーラスはしっとりと締めくくる。ちょっとまだMCの間延びが気になったりもしたけれど、そんなもん吹き飛んじゃうよな。なんたって、鳥肌立てられちゃってるんだもん、こっちは。
 とにかく感服のライブでした。
 最後に。ツアーパンフを見ると今回の公演都市は小樽のほかに仙台、東京、苗場、名古屋、大阪、広島、福岡。坂道のある港町は・・・小樽だけ。なして小樽だったのか、謎は残ったままである。


エスニック
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「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」を観る(03.3.25)

 話題作、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」を観た。やっぱりスピルバーグには軽快なテンポの作品がしっくりくる。肩の力を抜ききった面白い仕上がり。トム・ハンクスも久々(「ユー・ガット・ア・メール」以来?)のコメディータッチで楽しそうだし、デカプリオも重い役どころが多かったからなぁ。みんなそろって弾けてる映画だった。
 若き天才詐欺師とFBI捜査官の追いつ追われつの攻防戦。頭脳戦あり、心理戦あり、めちゃくちゃ面白い。次の一手をわくわくして見つめる自分がいる。映画の楽しさ満載なのだ。二人の関係は日本でいうところのルパン&銭形なんだけど、二人の間には絶対愛があるよなぁ。タイトルも訳し方によっては波打ち際のバカップルの会話だもん。「あたしを捕まえてごらん」なんて。
 個人的には冒頭のタイトルロールでノックアウトされてたんだよな。あの懐かしき'60年代のオシャレ感覚満載のアニメで。
 そして、この映画はすごいことを教えてくれた。何をするにも頭脳よりも体力よりも、まずは度胸が一番大切だって。
 実力者たちが弾ける心地良い映画。これは観るべしです。


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「イッセー尾形のとまらない生活
 2003 新春ネタ」を観る(03.3.24)

 春恒例となった、イッセー尾形の新ネタライブを観てきた。今回は新趣向が満載。まずは客席の配置。これまでのクエスト公演はカギ型だった客席が、一般の会場と同様横一列に。開演前のロビーはいつもどおりフリードリンクで和やかだったんだけど、会場では往年のネタをスクリーン上映している。開演前の楽しみがまたひとつ。
 そしてネタにも新趣向。前半は全て衣装が同じでメイクだけかえて演じ分けて観せるのだ。それも全て女性。10代?から80代の女性を、それもクセのある女性ばかりをキュートに演じている。衣装は同じなのに(黒のキャミ&ロングスカートと白のジャケット)、それぞれの年代で違和感がない。しかも設定が全てとあるパーティ。何のパーティなのかはさっぱりわからない。同じ会場にいるのかもしれないし、全く違う設定なのかもしれない。なんのパーティなのかを想像するだけでもとても楽しい。
 後半はひとくせもふたくせもある男たちの登場で、これもまた抱腹絶倒。その道の人が多いんだけど、それぞれの芸風がそのまんまイッセー尾形の芸域の広がりにつながる。ネタが先か、ポテンシャルが先か。どっちが先でも面白いものは面白い。
 ということで、ぼくが勝手につけたタイトルと簡単な説明を。
「水商売」…2年ほど姿をくらましていた女性(20代?)がとあるパーティに姿を現すが、ふた言目には○○・・・。
「トン子ちゃんツアー」…とあるパーティに夫婦で参加した通称トン子ちゃん(40代)。家庭に不満を持つ普通の主婦が炸裂します。
「思い出したの・・・」…とあるパーティで再会した老女(80代?)と青年。そのちぐはぐな会話を老女の視線で。
「赤毛の詩人」…自称詩人(10〜20代)がバツの悪そうにとあるパーティ会場に現れ、もじもじしながらも・・・。
「白鳥の滴り」…ご主人に奨められ、とあるパーティに参加した奥さま(30代)。パーティの勝手に戸惑いながらも、お茶の間感覚で可愛く振舞う。
「コンビ割れ」…ベテラン夫婦漫才コンビが舞台の上で大喧嘩。果たしてこれは、ネタか?マジか?
「飲み屋の無頼漢」…このオヤジ、一体何者?飲み屋で語るそのオヤジはとんでもない経験を一杯しているサラリーマンらしいが・・・。
「真行寺マヤのマネージャー」…真行寺マヤ、ステージ直前に謎の失踪。どうするマネージャー。
「フランシスコ西葛西ザビエル」…彼は歌手?それとも芸人?風貌はすがぬま伸(なつかしい)。トークは辛口(一部地域に)、歌うは「がまん坂」。その芸風には合点がいかない?


エスニック
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「ボウリング・フォー・コロンバイン」を観る(03.2.28)

 アメリカにおける銃問題に迫るドキュメンタリー映画、「ボウリング・フォー・コロンバイン」を観た。すごかった。淡々と事実を伝えるドキュメンタリー映画が多い昨今、やらせナシで風刺をまじえ、それでいて核にきちんと迫っているドキュメンタリーはなかなかないぞ。
 なにせタイトルのつけ方がカッコいい。それをもじったポスターがカッコいい。映像がカッコいい。切り口がカッコいい。風刺の仕方がカッコいい。
 アメリカで起こった2件の少年による銃犯罪から、アメリカが抱える銃問題に迫っている。彼らは何故犯罪を犯したのか。世に蔓延するサブカルチャーの影響?貧困がもたらす親子の隔絶?手軽に銃が手に入る社会?侵略と支配を繰り返してきた民族性?それらひとつひとつに迫る切り口が斬新で、身を乗り出して観入ってしまう。一見滑稽に見えるやり方が、真実を目指して内面をえぐっていく。そして確かな成果を得てみせる。痛快でありながら、真摯で重い気持ちがこめられている。
 全米ライフル協会会長のオスカー俳優チャールトン・ヘストンへのインタビューは圧巻。この映画でチャールトン・ヘストンが再びオスカーを獲得すれば、もっと面白いかも。
 銃問題のみならず、これを通してメディアの伝えないアメリカの根底を垣間見ることができた。すごい。
 ただ、ドキュメンタリー映画のため字幕がいっぱいです。字幕を追うだけで目一杯状態に陥ってしまうところもあり、「英語が聞き取れたらなぁ・・・」と痛感してしまいました。


エスニック
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「BIGGER BIZ〜絶体絶命!結城死す?〜」
 を観る(03.2.23)

 松尾貴史率いるAGAPE STOREの宮原木材3部作の第2弾、「BIGGER BIZ〜絶体絶命!結城死す?〜」を観た。前作「BIG BIZ〜宮原木材危機一髪!〜」で一日にして大企業に成長した宮原木材改め結城ビッグ・ビズ・エンタープライズが迎える新たなる危機とは?タイトルが示す結城社長の運命は?ドリームチームはどう立ち向かうのだろうか?すっげーわくわくである。
 で・・・、もう笑うしかないのだ。面白いなんてもんじゃない。典型的なシチュエーションコメディにコンゲームの要素が加わり、ハラハラさせながら笑わせてくれる。基本は時間差による勘違いの積み重ねなんだけど、それぞれのキャラクターが味を出しまくり、勘違いに拍車をかける。前作と較べて松尾貴史の変化振りは少なくなっているが、無駄撃ちをなくして効果的に変化してみせる余裕があったりして、2作目としての貫禄が窺えたりもする。
 前作で絶妙ないじめられっこ振りを見せた結城社長こと粟根まことが出演しない穴をどうするかと思いきや、ジョビジョバを解散した坂田聡が絶妙にいじられている。粟根まこととはまた違ったパニック系いじられ役がハマってて、作品に幅ができている。
 八十田勇一演じる青木さんの朴とつとしたボケっぷりや松永玲子演じるサラの危なさと二面性のギャップはグレードアップし、三上市朗演じる敵役・川島の憎たらしさが絶体絶命を体感させてくれる。そういえば目に見える危機はシリーズ初めてか。
 惜しむらくはこの日誕生日を迎えた後藤ひろひと演じる神埼さんの活躍の場が少なかったこと。もっとシナトラの宿った人格豹変をたくさん観たかった。
 千秋楽公演のお楽しみとして、声だけの出演のはずの粟根まことがしっかりと出演していた(といっても、舞台裏での演技や気ぐるみを着ての演技だったのでカーテンコールまで誰も気がつかなかったんだけど)なんておまけもあって、心弾みっぱなしよ。
 ホント、面白かった。3作目はどうなってしまうんだろうか。粟根まことと坂田聡という2人のいじられキャラをどう活用していくのだろうか。早く観たいぞ。楽しみだぞ。


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「8人の女たち」を観る(03.2.10)

 雪により隔離された家に8人の女と一体の死体。誰もに殺人の動機がありそうで、誰にもアリバイが・・・。フランスのシチュエーションミステリー「8人の女たち」を観た。
 なんとも言えぬ艶気のある映画だ。8人の女性がそれぞれ年相応の艶をスクリーンから醸し出しており、ミステリーに深みを与えている。女性の艶っぽさって、ほんとミステリーに映えるよなぁ。金田一耕介シリーズの岩下志麻とか、絶品だったし。
 さすがにミステリーだから、筋を書くわけにはいかないけれど、徐々に明らかになる女たちの関係は、この事件の必然性を物語っていたりして。個人的には殺された主人にも問題大ありだとは思うのだが。
 ちょっぴりミュージカル仕立てなのは賛否両論だろうけど、これってもともとお芝居(演劇)の映画化なんでしょ?その名残かな・・・。そう考えると、舞台でも観てみたい気がする。日本人がやるのなら・・・。
 祖母…草笛光子、母…倍賞美津子、長女…広末涼子、次女…藤本美貴?、叔母…室井滋、メイド太い方…戸田恵子(細いけど)、メイド若い方…松雪泰子か椎名林檎、主人の妹…名取裕子
 こんな感じでいかがでしょうか。


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「猟奇的な彼女」を観る(03.2.7)

 韓国映画の勢いを今ひとつ肌身で感じられなかったぼくだけど、今回は脱帽。「猟奇的な彼女」はすごいのひと言である。圧倒的な面白さとせつなさがスクリーンから攻め込んでくる。等身大(?)で現代的な韓国の感性を観ることができた。それでこんなに面白いんだから、言うことなし。
 ちょっとどのいきすぎた正義感の強い暴力的な彼女と、彼女の持つ陰に惹かれていく大学生の物語。二人のつかず離れずがユーモラスに描かれているんだけど、そのユーモアの中にゆっくりとした真情の変化が現れていて、大笑いしながらうるうるしてしまう。このセンスが韓国映画の勢いなのか。
 もう一つ勢いを感じたのが主演のチョン・ジヒョン。なにがって、演技とはいえゲロ吐きシーンをあそこまでリアルにできる女優、日本にはいないでしょう。背を向けて吐く演技をやる女優はいっぱいいるけれど、真っ正面から思いっきりは。イメージ気にしちゃうから。いまだに顔を崩して表情を見せれる女優は室井滋とともさかりえだけだから。そんなの、全然イメージダウンじゃないのに。現にチョン・ジヒョンはめちゃくちゃ可愛いかったのだから。
  そばに「猟奇的な彼女」がいたら、やっぱり引いてしまうんだろうなぁ。でも、垣間見る素の部分にぼくもころりとやられてしまいそう。
 とにかくこの映画、Good!Good!なので、是非お試しあれ。


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「T.R.Y.」を観る(03.2.4)

 織田裕二主演の最新作、「T.R.Y.」を観た。第二次大戦前の上海と日本をまたにかけるペテン師・伊沢修の活躍を描いた映画。コン・ゲームや詐欺師ものが大好きなぼくとしては期待大大!
 とかいって、結論を先に言ってしまうと、面白いけど先を急ぎすぎ。原作をじっくり読めばとても面白いだろうと想像がつく。現に映画も面白かった。でも、せっかちに話を進行させることばかりに気が行ってしまい、サイドストーリーや観客に考えさせるじらしがない。かといって、ジェットコースター・ムービーのようにたたみかけるわけでもない。もったいない。実にもったいない。
 映画興行はとてもシビアで、よっぽどの話題作でなければ2時間を越える作品を作らせてもらえないという現実がそこには確かにある。織田裕二といえどもそう例外ではない。だからとはいえ、もったいない。おかげでいい役者がたくさん出演しているのに、チョイ役の域を出ていない。もったいない。
 伊沢修の物語は「T.R.Y.」以前の話も2つほど作れそうだし、「T.R.Y.」以降へも展開できそうなだけに、もっとしっかり作って欲しかった。原作では伊沢修シリーズが刊行されているのかなぁ。
 とはいえ、織田裕二の脚本を選ぶ目はかなり確かだ。さすが。


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遊園地再生事業団
「トーキョー・ボディ」を観る(03.2.1)

 不条理の積み重ねは日常に戻ることができるのだろうか?逆説の会話から真説が得られることはあるのだろうか?破綻が収束し真実を見出すことができるのだろうか?
 訳のわからないことを書いている。でも、この言葉がぼくにとっての「トーキョー・ボディ」だったのだ。不条理の、逆説の、破綻の・・・。日常を否定しつづける先に見えるものの実態とは?はっきり言って、難しかった。
 遊園地再生事業団の主宰・宮沢章夫はシティボーイズの舞台なら観たことがあった。一見関連性のない不条理の笑いが互いに結びついて大きなうねりとなる舞台。そのイメージのままで今回観劇に挑んだ。でも、そこから笑いが削除され、関連性のありそうな断片が発散してしまうような、シティボーイズのそれとは全く逆の展開がそこにはあった。難しかった。
 舞台演出はスゴイの一言。斬新だった。映像が効果的に巧みに盛り込まれている。格子越しに見えるナマ舞台が映像となって物語の世界観を象徴する。不条理の世界を言葉だけでなく具現化するようなアンザンブルの動き。すごい、凄すぎる。
 でも、難しかった。残念ながら、ぼくにはさっぱり。ただ、妙な刺激がいつまでも残る作品だった。


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村上ショージの+++!
「大阪奇人列伝」を観る(03.1.15)

 今年の舞台観劇第一弾は村上ショージ。会場は久世エスパスホール。「何処じゃそれ?」と思われても仕方あるまい。正月明けから岡山に出張中なのだが、現場の隣町に村上ショージが来たのだドゥーン!これも縁というか、現場の面白さである・・・。
 村上ショージが出会った11人の奇人を一人芝居で演じてみせる。カーテンコールのショージを入れると12人の奇人か。どれもが関西テイストの濃い変なオヤジばかり。ぼくが遭遇していたら、かなりひいてしまうようなキャラばかりだけど、ショージのフィルターを通すと、不思議と面白い上にいとおしくさえ思えてくる。
 村上ショージをぼくはあなどっていた。TVで見る限り戸惑いキャラだけかと思っていたが、誠に申し訳ない。ウラ打ちがあってこその戸惑いキャラだったのか。芸人としての根っこ、TVからは観ることのできない本質がそこにはあった。
 ショージを含めた、関西人の面白パワーに笑いの絶えない舞台だった。
 根っからの喜劇人・村上ショージの見方が大きく変わったなぁ。


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「マイノリティ・リポート」を観る(03.1.2)

 スピルバーグとトム・クルーズのコラボレート、「マイノリティ・リポート」を観た。いやいや、期待してたのよ。だって、スピルバーグとしちゃこけるわけにいかんでしょ、「A.I.」に続いては。いや、「A.I.」はいい映画だったよ。でも、スピルバーグが撮る作品じゃないような。
 いや、面白かったぞ。正月気分にマッチする楽しい創り。近未来のビジョンが明確であったことが、この映画の勝利かな。細かいところを突っ込むと「卵が先か、鶏が先か」的なところや、同じトム・クルーズ主演の「・・・」と同じ構造だったりもするんだけれど、設定の巧さがそれらを吹き飛ばしていた。まさに娯楽大作。正月映画はこうでなくちゃ。
 個人的には「片目のキング」にもうちょっと重みをつけた方が・・・なんて思ったりもするんだけど、些細なことは気にしないで、謎解きと映像を存分に楽しんで下さい。
 トム・クルーズも「Mi:3」撮る気失せたんじゃないかなぁ。
 とにかく、正月映画らしい正月映画を正月から楽しめた。うん、うん。


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